財産の管理を勝手にされている場合

成年後見・財産管理

こんにちは。司法書士/2級FP技能士の甲斐です。

今回の記事は、他人が勝手に財産の管理をしていて困っている方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:私の母についてのご相談です(父は既に他界しています)。

私の母は病気で入院しているのですが、近頃は具合が悪くなり、寝たきり状態になっています。

その為、母の財産等の管理を私が行おうとしたのですが、実は母の兄(私の伯父)が母の通帳等を預かり、勝手に管理しています。

母の財産をきちんと管理しているか、伯父と会う度に私は通帳の開示を求めているのですが、伯父はそれに一切応じません。

私は母の財産が横領されていないか心配で、私としては伯父を財産管理から排除したいのですが、何か良い方法は無いでしょうか?

A:信頼のおける第三者等と財産管理契約を行う、もしくは後見の申立てを行う事が考えられます。

1.「財産を管理する契約」と言うのは、そもそも有効なのか?

まずそもそも論です。

「他人の財産を管理する契約」と言うのは、そもそも法律上有効なのか?と言う事を考えなくてはいけません。

他人の財産と言うのは、その人にとっては非常に重要なものです。

その重要な財産を管理される事は、果たして法律上認められているのか?と言う疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れませんが、お互いの合意があれば、財産管理契約も有効となります。

2.勝手に財産管理をしている人間を排除出来るか?

さて、事例の場合は勝手に財産管理をしているとの事ですので、恐らく母と伯父の間で財産管理に関する契約は成立していないでしょう。

そうであれば、伯父は母の財産権を不当に侵害している可能性がある為、財産管理を行えない様に排除する事が可能であると思われます。

そして、それが出来る人間は一体誰なのか?と言う問題が発生します。

まずは財産権を不当に侵害されている母がこれに該当します。

しかし、母は寝たきりのようですので、事実上、難しい面があるかも知れません。

では、母の子どもであるご相談者はどうでしょうか?これは民事と刑事とで分けて考える必要があります。

⑴ 民事の場合
民事事件で解決をしようとした場合、残念ですがご相談者は財産権を不当に侵害されている当事者ではありませんので、伯父を排除する法律上の権限はありません。

⑵ 刑事の場合
刑事事件で解決しようとした場合、横領罪(刑法第252条)に該当すれば、警察や検察に対して告発をする事により、伯父を財産管理から排除する事が出来る可能性があります(あくまで横領罪の証拠が必要になります)。

3.現実的な対応策

① 意思能力・判断能力がしっかりしている場合

母の意思能力・判断能力がしっかりしているが、ご自分での権利主張が難しい場合、信頼がおける第三者(ご相談者様でも大丈夫です)と財産管理契約を締結する方法が考えらえます。

財産管理人が母の為に適切な財産管理を行い、勝手に財産管理を行っている伯父を排除する事が可能です。

② 意思能力・判断能力が無い場合

母の意思能力・判断能力が無い場合は、後見の申立てを行い、家庭裁判所から選任された成年後見人が適切に財産管理を行い、伯父を排除する事が可能です。

なお、両パターン共通で、もし伯父が母の財産を横領していた場合は、財産管理人もしくは成年後見人が、伯父に対して裁判等を行い、横領した金銭の返還を求める事が出来ます。

4.まとめ

実は同じような話は良くあり、私も「勝手に財産管理をされている」事についてご相談を承る事が相当数あります。

財産管理をされている方は基本的に寝たきりの方が多く、また認知症ではないけどご自分の意思を伝えるのが不得意な為、勝手に財産管理をしている人間の言われるがまま、と言う状況になってしまうのです。

勝手に財産管理をされている場合、私の経験上ですが、高確率で財産を横領されており、そのまま対応しなければどんどん財産が減っていく危険性があります。

その為、早めに信頼がおける方と財産管理契約を締結するか、後見申立てを行い、適切な財産管理を行う事を強くお勧めします。

なお、当事務所では契約により財産管理人となったり、後見申立ての為の書類作成を承っておりますので、財産管理についてお悩み、お困りの場合はお気軽にお問い合わせ下さい。

文責:この記事を書いた専門家(詳細なプロフィールは名前をクリック)

某球団マスコットの中の人の経験あり。親しみやすく相談しやすい専門家である事を常に意識。「相続対策は法律だけではなく、老後資金や感情も考慮しなくては意味がない!」をポリシーとし、2級FP技能士や心理カウンセラーの資格も取得した「もめない相続の専門家」。事務所は小田急線・横浜線町田駅徒歩8分『町田・横浜FP司法書士事務所』

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