自分の通帳を家族に管理されている場合の解決方法

こんにちは。横浜・泉区の司法書士の甲斐です。今回の記事は、ご家族にご自分の通帳を渡してしまい、困っている方向けの記事です。(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:私は数年前から足腰を悪くして、外出するのも億劫になり、ほとんど寝たきりの状態になっています。その為、私の通帳、キャッシュカード等を私の息子に渡しており、私の金銭管理は全て息子にやってもらっています。お金の必要がある時に銀行に行ってもらい預金を引き出してもらっているのですが、先日、預金残高がいくらになっているのかを知りたくて、息子に私の通帳を見せてほしいと言ったのですが、色々と理由をつけて見せてくれません。一体どうすればよろしいのでしょうか?

A:ご相談者様名義の預金は当然にご相談者様に権利がありますので、最終的には裁判手続き等で通帳の開示を求める事ができると思います。なお、事例の場合は息子様が預金を使い込んでいる可能性があったり、またそもそも財産管理について曖昧な取り決めを行っている等、様々な問題点があります。通帳の開示を求めるだけではなく、この問題点を解決していく事も重要になります。

 

1.通帳の開示

「子どもが私の通帳を管理しているが、私の通帳を見せてくれない。」初めて聞かれる方はビックリされるかもしれませんが、このようなご相談は、実際に私どもに良くあります。子どもの立場からしてみれば、親のお金はいずれ相続で自分のものになるのだから、と言う理由で、親の預金を使い込んでしまい、結果として通帳を親に見せないと言った流れです。

これは当然に違法行為でありますので、裁判手続き等を利用してご自分の通帳の開示を請求する事ができます。また、そこで本当に使い込みがあった場合はそのお金の返還請求も当然にできます(ただし、使い込みを行った子どもにお金が無ければ事実上、被害の回復は難しいです)。

 

2.財産管理契約

そもそもなぜ事例のように子ども(家族)による預金の使い込みが発生するのか?色々な原因は考えられるのですが、子どもの立場で想像すると、「親の財産はいずれ相続で自分の財産となる。だから少しぐらい使っても構わない。」と言う考えがあるのかもしれません。

当然このような考え方はおかしいのですが、親としても「自分の子どもだし・・・」と考えてしまう事で、親子間での財産管理がなあなあになってしまい、後になって問題点が爆発するのです。

では、どうすれば良いか?なあなあにするのではなく、きちんと財産管理契約を締結すれば良いのです。

例えば、
・通帳を預けるのか預けないのか?
・月々〇〇万円を〇日に引き出し、親に手渡す。
・引き出された預貯金を親が受け取った場合の処理(預り証を発行する等)

・通帳を〇日毎に開示する、等

この様な当たり前の、細かい決まりごとを決めて、契約書を作成するのです。

「親子間で契約書なんて大げさな・・・」と思われるかもしれませんが、それを行わなかった為にあなたの意思が軽んじられ、通帳すら見せてくれない状況になったのではないでしょうか?親子間だからこそ、お金の約束事はきっちりと決める必要があります。

 

3.まとめ -財産管理契約の締結が今すぐ必要な理由-

と言っても「今すぐには・・・」と思われるかもしれませんが、問題(実際に預貯金を使い込まれていた場合)を先延ばしにしていると、あなたが亡くなった時の相続に関して、相続人間でもめる原因となります。問題が大きくなる前に、早め早めの行動が重要になります。

なお、司法書士は当事者からのご依頼を受け、財産管理に関する業務を行う事ができます(司法書士法施行規則第31条)。財産管理に関してお悩み、お困りの際は、お気軽に当事務所にご相談下さい。