
こんにちは。司法書士の甲斐です。
日本には、相続の専門家が沢山います。
試しに、「相続専門家」とインターネットで検索してみると、様々な相続の専門家が検索結果に表示されます。
弁護士、司法書士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、銀行や不動産会社、一般社団法人等、実に様々な相続専門家が存在します。
しかしながら、「相続」と一口で言ってもその範囲は非常に幅が広く、その為、相続専門家も大きく分けて二つのタイプがあるのをご存知でしょうか?
今回は、その二つのタイプの相続専門家について解説していきたいと思います。
1.相続手続き代行タイプ
文字通り、相続手続きの代行を行う専門家です。
具体的には、
・遺産の調査
・遺産分割協議書の作成
・遺産の名義変更
・相続税の申告、等
その特徴は、何といっても忙しいあたなたの代わりに、面倒な上記の手続きを行ってくれると言う事です。
戸籍を集めるのも、銀行等の相続手続きも、不動産の相続登記も、慣れていないと結構大変なのです。
その大変な手続きを専門家に依頼する事により、早く確実に相続手続きを終わらせる事が出来て、あなたはその間、普段どおりの日常を送る事が出来る、と言う特徴があります。
まさに、忙しいあなたの為の専門家と言えます。
このタイプの問題点は、常に大量の相続手続きを処理しており、スピードは速いのですが、少しでも複雑な相続手続きの場合は、受任を断られる可能性が高いと言う点です。
この点に関しましては十分ご注意下さい。
なお、余談ですが、遺産の名義変更、特に「銀行等の金融機関の相続手続きを代行します!」と謳っている相続専門家は非常に多いのですが、銀行は基本的にはこのような「代行」を認めていないはずです。
と言うのも一昔前までは、司法書士ですら相続人の代理人として銀行の相続手続きを行うとすると、銀行側から「弁護士ではなければ、代理人としては認めない」と言われていたのです。
銀行としてもどこの誰だか分からない人物に相続手続きを行った結果、損害を発生させる訳にはいきませんので、良く分からない人物に手続きをさせたくはないと言う事なのでしょう。
そうであれば、「銀行等の相続手続きを代行する」他士業や会社が銀行に対して、依頼人の代わりにどの様な手続きを行っているのか?非常に不思議でなりません。
2.問題解決タイプ
このタイプは相続手続きを行うのはもちろん、相続人が抱えている問題の解決を行います。
例えば「相続放棄を行いたい」と言う相談者に対して、被相続人の生前の状況、遺産の状況等をきちんとヒアリングして、依頼者の潜在化していたニーズを掘り起こし、根本的に問題を解決していくのがこのタイプです。
根本的に問題を解決する為であれば、法律以外の事でもアドバイスを行います。
特徴は、他の専門家が断るような難易度の高い事件を積極的に受任する事にあります。
常日頃から難しい事件をこなしているため、処理時間は通常の相続手続きよりかかりますが、その問題解決能力は相続手続き代行の専門家よりも上です。
その為、ちょっと面倒な相続手続き、例えば、
・相続人の中に連絡が取れない者がいる。
・外国の銀行等、少し変わった遺産がある、等
難易度が高い相続手続きは、問題解決タイプの相続専門家をお勧めします。
3.まとめ
このように、一口に「相続専門家」と言っても、大きく分けてこの二つのタイプがあります。
ご自分が抱えている問題について、どちらのタイプの相続専門家が良いのかを吟味の上、専門家は選んで下さい。
ちなみに、当事務所は問題解決タイプの相続専門司法書士事務所です。