無計画な相続税対策にご注意を

相続対策・認知症対策

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回の記事は、相続税対策の注意点について解説していきたいと思います。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

平成27年1月より相続税の基礎控除額の引き下げが行われた結果、今まで一部のお金持ちにしか関係が無かった相続税の納税対象者が増加するー。

その為、税理士や一般企業、銀行等が主催する相続税対策に関するセミナーがあらゆる所で開催されています。

結果として、相続税対策に関心を持つ方が増えており、贈与税の非課税枠を利用した生前贈与や不動産を活用した相続税対策が広がっています。

これは非常に良い傾向なのですが、実は中には全く見当違いな対策を行い、相続税対策どころかご自分を苦しめてる方もいらっしゃいます。

その為今回は注意喚起として、相続税対策のポイントとなる考え方を解説していきたいと思います。

1.事例紹介 

山田太郎さん(仮名)は今年70歳になる男性です。

年齢も年齢ですのでそろそろ相続の事を考えようと思っていました。

太郎さんには息子が3人います(奥様は既に亡くなられています)。

相続の事を考えると言っても、具体的に何をどうすれば良いか分からなかったのですが、ある日知人から

「今後は相続税が増税される。きちんと対策をしていないと大変な事になるぞ」

と言われ、太郎さんは心配になりました。

太郎の財産は横浜市のはずれにある自宅と預貯金で、財産がそれなりにありましたので、大慌てで息子達に生前贈与を行うようになりました。

これだけであれば良くある話ですので、何も問題が無いように見えますが、実はこの相続税対策、大きな問題点があったのです。

2.事例の問題点

実は太郎さん、そもそもご自分がどれくらい相続税が発生するのかを計算していなかったのです。

太郎さんの相談を受けた税理士が相続税の計算をした所、じつはそもそも基礎控除の範囲内であり、相続税が発生しない事が分かりました。

ちなみに生前贈与をはじめた時の財産を考慮して相続税の計算も行ったのですが、やはり計算上、相続税は発生しませんでした。

つまり、太郎さんの相続税対策はそもそも意味が無かったのです。

また、大きな問題も発生しました。

元々相続税がいくら発生するのかを計算していなかったので、生前贈与が計画的に行われておらず、その結果として太郎さんの老後のお金が足りなくなり、万が一病気になった時の入院代等に困る事になってしまいました。

「相続税対策を行うのに、現時点で発生する相続税を計算しなかった」嘘のような話ですが、実際に良くある話です。

太郎さんにとってみれば、正に踏んだり蹴ったりの結果になってしまいました。

3.相続税対策の正しいやり方

① 現状の問題点を把握する

財産の種類や家族構成から、今後ご自分が亡くなり相続が発生した場合、どのような問題点があるのかを把握します。

② 相続税がいくら発生するのかをきちんと計算する

ごく当たり前の事ですが、現時点で相続税がいくら発生するのをきちんと計算し、それに合わせた対策を行いましょう。

③ 相続人がもめない為の対策を行う

いくら相続税が安くなったとしても、それが原因で相続人がもめてしまったら全く意味がありません。

(例えば、相続税対策のためにアパート経営をしても、相続人がそのアパートを欲しがらなければ、相続税対策した意味が無いですよね)。

相続人にとってベストになる対策を行いましょう。

4.まとめ

相続税法が改正され、基礎控除の額が下がりましたが、それでも相続税の納付義務がある人は全体の10%以下です。

「何故、相続税対策を行う必要があるのか?」その目的を明確にして、最適な相続税対策を行うようにして下さい。

【本サイトでは、相続手続きや家族信託について網羅的に解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

 

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この記事を書いた専門家

横浜市泉区の司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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