前妻との子供と後妻がいる場合の相続トラブルを未然に防ぐ方法

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、前妻との子どもがいる場合の相続についてご相談されたい方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
 Q.私には妻と二人の子供がいます。

年も年ですし、そろそろ相続の事も真剣に考えようと思っているのですが、実は私には前妻との子どもがいるのです。

前妻との子どもとは、前妻と離婚をしてからもう何十年も会ってはいないのですが、私が亡くなった時に相続人になると思います。

その為、私の相続が起きた時に、トラブルにならない一番良い方法を教えて頂けますでしょうか?

ちなみに私の財産は自宅を除けば少しの預金のみです。

A.最終的にはご相談者の方がどうされたいかによるのですが、基本的には遺言による方法が対応のメインになると思います。

 

1.なぜ、前妻との子どもがいると相続トラブルになりやすいのか?

まずは、相続関係をおさらいしましょう。

① 前妻

前妻は相続人でありません。

離婚を行う事により、婚姻関係が解消されますので(推定)相続人としての地位を失います。

② 前妻との子

前妻との子は相続人となります。

前妻との関係は消滅したとしても、前妻との子について、親子関係を消滅させる手続きはありませんので、必然的に相続人となります。

後妻と結婚後、後妻やその子ども達と、前妻の子どもとの間に交流関係があればまだ良いのでしょう。

しかし、事例の様にご主人が前妻との子どもと何十年も会っていない、全く交流が無い場合に相続が発生すると、相続人間で遺産分割協議が中々思うように進まない事があります。

特に主な遺産が自宅等の不動産の場合、遺産分割協議がまとまらない可能性が高くなります。

その為、事例のような場合は、事前に何らかの対応を行った方が良いケースとなります。

 

2.対応方法

① 遺言

真っ先に考えられるのが遺言だと思います。

遺言で各相続人について相続財産の帰属を決めておけば、相続人間で遺産分割協議を行う必要がないため、トラブルを未然に防ぐ事ができます。

その他、前妻との子どもに対し、付言事項としてお気持ちを伝えるのも良いでしょう。

ただし、前妻との子どもの遺留分を侵害する遺言を作成した場合、後から遺留分減殺請求を行われる可能性がある事にご注意下さい。

なお、遺留分減殺の方法については遺言で指定を行う事ができますので、例えば自宅については最後に減殺するようにと指定する事で、結果として後妻やその子どもの住む場所を確保する事ができる場合があります。

② 遺留分対策としての生命保険の活用

前妻との子から遺留分減殺請求をされても良いように、生命保険を活用した遺留分対策が考えられます。

自宅のような主な財産を取得する相続人を受取人とする生命保険に加入し、実際に遺留分減殺請求がされた場合にその保険金をもって価格賠償する方法です。

③ 被相続人が亡くなった事を、知らせる必要があるか?

恐らくこれが、当事者にとって一番悩まれる事だと思います。法律上、被相続人が亡くなった事を先妻との子に伝える義務はありません。

知らせてしまうと、遺留分減殺請求を行われる可能性もありますので、このまま黙っている、と言うのも一つの方法です。

しかしながら、黙っていた事によって後々トラブルになる事も考えられますので、最終的には個別の状況によって対応を行うしかないと思います。

なお、遺留分対策ができていて、それ以外の問題が無いのであれば、被相続人が亡くなった事を知らせても良いと思います。

 

3.まとめ -知らない者との遺産分割協議は難しい-

もし、あなたが前妻との子どもがいて、その事を今のご家族の方に内緒にしていた場合を考えてみましょう。

あなたが亡くなり、残されたご家族が相続手続きの為に戸籍を集めていると、実は前妻との子どもがいる事が判明します。

残されたご家族は今まで一度も会った事がない人物と遺産分割協議を行わなくていけないのです。

これは残された家族、前妻との子どもの双方にとって大変不幸な事です。様々な感情から対立構造が生まれ、結果として話し合いが全く進まなくなる事もあるでしょう。

その為、まずは先妻との子どもがいる事を今のご家族にお話していないのであれば、きちんとお話を行い、その上で上記のような対応を行った方が良いと考えます。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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