不動産の相続手続き。相続登記のおこない方

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、相続登記についてご相談されたい方向けの記事です。

相続財産の代表格と言えば、自宅をはじめとした、「不動産」です。

日本はマイホーム信仰が強く、統計局の住宅・土地統計調査では、60代以上の方で、約7割の方がマイホームを所有しています。

(ちなみに、私はまだマイホームを持っていません・・・)

その為、相続が発生した場合、不動産の名義変更(相続登記)が必要になってくるのです。

その手続きは、管轄の法務局に対して行うのですが、法務局ってご存知ですか?

おそらく、ほとんどの方がなじみがない行政機関であり、何をやっているか分からないと思います。

その、何をやっているか分からないお役所に対して、どのような手続きを行えば良いか、相続登記が初めての方はチンプンカンプンだと思います。

そこで今回は、一般の方から見れば謎が多い法務局で行われている、相続登記と言う名の手続きを分かりやすく解説していきたいと思います。

1.登記事項証明書を取得する。

まずは該当の不動産の登記事項証明書を取得しましょう。

登記事項証明書を取得する為には、その不動産の地番や家屋番号と言った情報が必要になるのですが、それは不動産の権利証や、固定資産税納税通知書等で確認する事ができます。

それらを持って管轄の法務局の窓口に行くと申請書の書き方を丁寧に教えてくれます。

登記事項証明書を取得したら、その所有者が被相続人名義となっているか確認しましょう。

 

2.被相続人の出生まで遡った戸籍(除籍)謄本を取得する。

一般的な相続手続きと同様、被相続人の出生~死去までの戸籍(除籍)謄本が必要となります。

なお、戸籍は本籍地を変更したり、婚姻、さらに法改正がある事で、新しく作られます。

新しく作られた場合、古い戸籍は「除籍」されます。この「除籍」された謄本を「除籍謄本」と言います。

また、法改正によって新たな戸籍が作成された場合、古い戸籍の事を「改製原戸籍」と言います。

なぜ、出生まで遡った全ての戸籍(除籍)謄本を用意する必要があるのか?

その理由は全ての戸籍(除籍)謄本を確認しないと、相続人を確定させる事ができないからです。

新しい戸籍が作成された場合、古い戸籍の中で、除籍された情報(削除された情報)は、新しい戸籍に引き継がれません。

その為、下記の例の様な事が実際に起こります。

(例)
1 甲市でAさんは妻Bと子Cと暮らしていたが(戸籍①)、AとBは離婚。BとCの戸籍が新しく作られた。(戸籍①からBとCは除籍された)
2 その後、Aさんは乙市に本籍地を変更した。(戸籍②。この戸籍にはBとCの記載はされません)。
3 AさんはDさんと再婚し、3人の子供ができた。(戸籍③)
4 Aさんは死去した。

前妻との子供Cも、Aさんの相続人なのですが、子供Cは戸籍③を見ても出てきません。

その為、全ての戸籍(除籍)謄本を集める必要があります。

なお、事情によって全ての戸籍(除籍)謄本を集める事ができない場合(火災等で滅失している場合等)は、市役所、区役所が発行する「戸籍(除籍)が滅失している証明書」を発行してもらえば大丈夫です。

なお、この戸籍(除籍)謄本の集め方ですが、若干コツが必要としますので、市役所、区役所の窓口の方に「相続登記に必要なので、被相続人の出生まで遡った全ての戸籍(除籍)謄本を全部下さい」と伝えれば、対応して頂けると思います。

(それでも間違っている事もありますので、チェックは必要だと思います。)

 

3.被相続人の最後の住所地の住民票の写し(本籍地入り)の取得

被相続人が死亡した記載があり、かつ本籍地を省略していない住民票の写し(若しくは除籍)が必要となります。

どうして本籍地を省略してはいけないのか?その理由ですが、不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)にはその所有者の氏名、住所が登記されています。

登記簿謄本に記載された住所と、住民票上の住所が一致していれば、両方の人物が被相続人本人である事が特定できます。

さらに、住民票上の本籍地と戸籍謄本の本籍地が一致していれば、両方の人物が被相続人本人である事が特定できます。

つまり、上記の3つの書類を揃える事で、登記簿謄本に記載された所有者が、戸籍上死亡の記載がある被相続人である事が断定できるのです。

その為、被相続人が何度も引越し等を行っており、登記簿謄本上の住所と、住民票上の住所が違う場合は、全ての住所の履歴を証明する必要があります。

(なお、「住民票」は市役所、区役所に備え付けられているもので、我々が請求して取得しているものは、その「写し」です。)

 

4.遺産分割協議書の作成

相続人を戸籍(除籍)謄本上確定させたら、遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。

インターネットで調べると、様々な遺産分割協議書のひな形が用意されておりますので、そちらを参考にしても良いのですが、1点だけ注意点があります。

それは「対象不動産をきちんと特定する事」です。

良く、「被相続人の自宅は長男の○○が取得する」と書かれた遺産分割協議書が見受けられますが、この協議書では相続登記はできません。

不動産が特定されておらず、法務局の登記官から見れば、「自宅ってどこ?」となるからです。

では、不動産を特定するためにはどのように記載すれば良いのか?これは取得した登記事項証明書通りに書いて頂ければ大丈夫です。

土地であれば、所在・地番・地目・地積。建物であれば、所在・家屋番号・種類・構造・床面積これをそのまま記載すれば、不動産が特定できます。

遺産分割協議書を作成したら、相続人全員が実印にて押印し、印鑑証明書を用意しましょう。

※印鑑証明書に有効期限はありません。古い物でも大丈夫です。

(正確には実印が要求されるのは「不動産を相続しない相続人」なのですが、不動産以外の遺産を遺産分割協議書に記載している場合もあると思いますので、全員が実印で押印しましょう。)

 

5.不動産を相続する方の住民票の写しを用意する。

新所有者として登記される際、住所も登記されますので、不動産を相続される方の住民票の写しが必要です。

ちなみにこちらは本籍地を省略しても大丈夫です。

※なお、遺産分割協議書に添付した印鑑証明書を住民票代わりにしてもOKです。

 

6.評価証明書を取得する。

不動産の登記申請を行う場合、登録免許税を納付する必要があるのですが、この登録免許税を算出する際に必要なのが、評価証明(固定資産課税台帳登録事項証明書)です。

ちなみに、登録免許税は、評価額×1000分の4です。

(持分を移転する場合は、移転する持分もかけて下さい。)

 

7.登記申請書を作成し、管轄法務局へ登記申請をする。

遺産分割協議が終了すれば、後は登記申請書を作成し、添付書類を揃えて、管轄の法務局へ登記申請を行えば、ひと段落です。

ただし、一点だけ注意点があります。

最近では 相続登記をご自分でする為の方法が紹介されたサイトが多々ありますが、実際の申請書の作成方法や添付書類の添付の仕方等は、慣れていないと良く分からず、結果として手間と時間が余計にかかる可能性があります

また、少しでもイレギュラーなケースですと、その応用のやり方が分からず、結局労力と時間を無駄にしてしまう事もあります。

その為、もしご自分で相続登記をされる事を考えていらっしゃる場合は、こういったサイトの知識だけではなく、一度管轄の法務局の登記相談窓口で申請方法についてご相談される事をお勧めします。

【登記申請書の例】

8.登記完了

登記が完了すると、新しい権利書(登記識別情報)が発行されますので、大切に保管して下さい。

また、新しく登記事項証明書を取得して、きちんと申請通りの登記がされているかのチェックも忘れないようにして下さい。

以上が相続登記の流れとなります。

基本的にはご自分でも相続登記の申請は可能です。

しかし、全く知識が無い場合、法務局の窓口へ相談に数回足を運んだり、戸籍(除籍)謄本の取得の為、市役所、区役所と何回かやり取りを行ったり、手間と時間がかかります。

「自分で手続きしようと思ったけど、やっぱり無理!」とお悩みの方はお気軽に当事務所にご相談下さい。

 

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、法律手続・老後の資金・家族の感情面等、様々な視点から考え、遺言・任意後見・家族信託等の方法を駆使し、もめない相続対策・認知症対策を実現させる専門家。

基本的には丁寧な言葉で説明するが、時には依頼者の事を思い、厳しい発言をする事も。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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