だから相続登記は必要性がある!相続登記を放置するリスク、デメリットの具体的解説

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、不動産についてすぐに相続手続き行わなくても・・・と思われている方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
私の父は約30年前に祖父からある不動産を相続しました。

祖父の相続人は私の父を含め3人だったのですが、遺産分割協議書もきちんと作成、実印にて押印もしていました。

その後、父が亡くなりその土地を私が相続したので、土地の名義変更を行おうとしたのですが、土地の名義は祖父のままでした。

つまり、遺産分割協議は行ったのですが、不動産の名義を変更していなかったのです。

幸いにも30年前当時の遺産分割協議書や印鑑証明書、戸籍謄本等はきちんと残っていたので、取り敢えず父の名義にする為にその協議書含め添付書類と一緒に法務局へ相続登記を申請し、手続きが完了するのを待っていました。

そして数日後、法務局から電話がかかってきたのですが・・・。

「今回の申請は取り下げて下さい。この書類では登記をする事はできません」

 

1.相続による所有権移転登記に必要な書類

相続による所有権移転登記を行う場合、法務局に対して、

⑴ 被相続人の出生から亡くなるまでの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
⑵ 相続人の実印が押された遺産分割協議書
⑶ 相続人の戸籍謄本、印鑑証明書

などが必要になります。

なお、取得期間の制限はありませんので、本事例の様に30年前の遺産分割協議書や、その当時に取得した戸籍、印鑑証明書でも添付書類として相続登記を申請する事は可能です。

では、本事例ではなぜ相続登記ができなかったのでしょうか?

 

2.相続登記ができなかった理由

法務局の職員の話はこうです。

「遺産分割協議書に押印された○○さんの実印の印影が滲んでおり、印鑑証明書の印影と照合できません。

このままでは登記できませんので、申請を取り下げるか、○○さんの相続人の方に実印を押印してもらって下さい」

つまり、遺産分割協議から約30年経過した為、協議書で使用した紙が劣化してしまい、印影が滲んでしまったのです。

その結果、印影の照合ができないので、このままでは相続登記ができない、という話なのです。

なおこの場合、印影が照合できなかった者に相続人がいた場合、その相続人が事情を説明し、実印にて押印した書面(上申書)を作成し法務局に提出すれば登記を行う事は可能でした。

しかし、印影が照合できない者に相続人がいなかったり、相続人はいるがどこにいるのかが分からなければ、登記を行う事は不可能となります。

 

3.まとめ

遺産分割協議をきちんと行い書類まで全て整えていたのに、不動産の名義をそのまま放置していた理由はおそらく「相続登記は今すぐに行わなくても良い。

まして必要な書類は全て揃っているのだから、急いで名義を変更する必要はない」と思われていたのかも知れません。

その結果、残された家族は大切な財産である不動産について所有者としての権利保全ができず、処分する事もできない状態になりました。

確かに、いつまでに相続登記を行わなければいけない、と言った期限はありません。

ですが、遅くなればなる程、その手続きは複雑になり、場合によっては登記が不可能になる事もあります。

相続登記はお早めに行う事をお勧めします。 

なお、当事務所では相続登記に関するご質問、ご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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