相続手続きはどこに依頼する?相続手続きの代行の費用と相場について

相続一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

仕事が非常に忙しくて相続の専門家に手続きを依頼したい場合、相続人間に問題があって、専門家に相続のやり方を教えてもらいたい場合、等。

いざ相続手続きを司法書士のような専門家にお願いをしようとした時に、一番困る事ってありませんか?

そう、「費用」の事です。

司法書士に相続をお願いした場合、一体どれくらいの費用がかかるのか?

おそらく相続の依頼をする事なんて一生に一度あるかないかですから、全然イメージがわかないと思います。

その為、インターネットで調べて、司法書士事務所に電話して、開口一番、

『相続の事をお願いしようと思っているのですが、いくらかかりますか?』

と即費用を聞きたいと思われるかもしれませんが、実は基本的には即答できません。

「え?あなたはプロじゃないの?プロだったら自分のやってる仕事の費用ぐらい、直ぐに回答出来るでしょう!」

とお叱りの声が聞こえてきそうですが、それでも即答する事が出来ません。

なぜなのか?

それは『相続の事』と言われても、色々な手続きがあるからです。

単なる相続登記なのか?それとも相続手続きを丸ごと依頼されたいのか?相続放棄なのか?

また、仮にあなたがやってほしい事が相続手続きの代行だとしても、遺産分割協議は終わっているのか?

終わっていなければ相続人との関係性はどうなのか?

全く知らない相続人がいるのか等、あなたの置かれた状況によって費用は全く変わってきます。

さらに実費(登録免許税等)も発生しますので、費用がどのくらいになるかはお話を詳しくお伺いしないとお出しする事が出来ないのが現実です。

つまり、逆を言えば対してヒアリングをしていない段階で相続に関する費用を即答する専門家は要注意です。

適当に算出している可能性が高く、後から費用を追加請求される可能性もあります。

とは言え、ある程度の目安が無ければ司法書士に相続をご依頼する際にお困りになると思います。

その為今回は、相続手続きにおいて、司法書士が算出する費用の考え方等を解説していきたいと思います。

1.そもそも、「相続手続き代行」って何?その報酬はどのように算出するのか?

まず、そもそも「相続手続き代行」とは一体どのような事を言うのでしょうか?

この「相続手続き代行」がどのような事なのかが具体的にイメージが出来ないと、それにかかる費用が適切なのかどうかが分かりませんので、この言葉の意味を確認してみましょう。

実は、「相続手続き代行」は具体的な言葉の定義が無く、各専門家によってその意味は違ってきます。

しかしながら、ほとんどの場合は、相続手続き代行とは、「相続財産(遺産)を相続人に相続させる一連の手続き」と言えるのではないでしょうか?

その為、相続手続きの代行と言えば、下記の事を言うのが一般的です。

⑴ 被相続人の出生から死亡時までの戸籍の取得
⑵ 相続財産の調査、相続財産目録の作成
⑶ 相続人に遺産分割協議を行ってもらった後の、遺産分割協議書の作成。
⑷ 相続財産(預金、不動産)の名義変更
⑸ 完了書類のチェック、相続人の方へ引渡し

また、司法書士のような専門家が関与した場合、上記以外にも(なお、場合によっては上記の⑷と⑸のみをもって「相続手続き代行」と言っている業者もあります。)

・被相続人が公正証書遺言を残されていないかのチェック
・相続人に対しての相続放棄、限定承認の意思確認
・遺産分割協議のアドバイス
・相続財産である不動産の売却(換価分割)

このように一言で「相続手続きの代行」と言っても行うべき事が幅広いのが特長です。等も行います。

そして、それに対する報酬の考え方ですが、基本的な考え方は、「この仕事を完了させる為には、どれくらいの時間を要するか?」を基本としています。

司法書士のような専門家は、自分の時間を切り売りして仕事をしています。

その為、「どの程度の時間がかかるのか?」を考える事が、報酬を算出する為の根拠となります。

上記の手順を丸ごと行った場合、数ヶ月かかる事も良くあります。

また、遺産分割協議のアドバイス等も含めた場合、単純な相続手続き代行ではありませんので、その分費用も高くなります。

さらに、

「司法書士が相続手続きの代行を行う事によって、依頼者の方がどれだけの利益を得る事が出来たのか?」

と言った点も報酬を算出する根拠になります。

結論としては、相場は非常に出しづらく、あくまで感覚的になるのですが、一般的には遺産総額の0.5%~2.0%と言う費用の算出方法、つまり、相続人の方が得た利益に対して何%かの費用を頂く、と言う考え方が多いのではないかと思います。

(遺言執行者の報酬も、基本的にこの考えに基づいて報酬が算出されます。)

なお、相続人間で既に話し合いが決まっており、単純な遺産の名義変更だけであれば、銀行1社あたり5万円~、相続登記5万~10万円というのが多いと思います。

つまり、相続手続きの一連の流れの中で何を行う必要があるのか?によって費用は大きく変わってくるのです。

2.実費について

相続手続きの費用は司法書士報酬だけではありません。実費も必要になります。

例えば、不動産の相続による名義変更(相続登記)を行うにあたっては、「登録免許税」と言う税金を納付しなくてはいけません。

その金額ですが、不動産の評価額(評価証明書を取得すれば分かります。

また、固定資産税納税通知書にも記載されています)の1000分の4が登録免許税です。

具体例を出してみますと、土地と建物の評価額の合計が2,000万円の場合、
2,000万(1,000円以下は切り捨て)×1000分の4=8万円(100円以下切り捨て)が登録免許税になります。

なお、横浜市泉区の場合、今までの私の経験上登録免許税は、マンションで5万~6万、一戸建てで7万~8万円になる事が多いです。
(土地が広いと登録免許税は10万円を超える場合があります。)

その他の実費として、戸籍謄本を代理で取得した場合はその戸籍謄本代、その他登記事項証明書の費用、郵送費・交通費が実費に該当します。

3.費用が増える原因

例えば戸籍謄本の取得について、相続人が配偶者と子供の場合であれば、そこまで時間はかからないと思います。

しかし、相続人が兄弟姉妹の場合、取得すべき戸籍謄本等が増えてきますし、代襲相続が発生しているとさらに増えます。

遺産の調査も場合によっては時間がかかる事があります。

被相続人がどこの銀行の口座を使用していたのかが分からない場合、ローラー作戦的に調査する必要があり、そうすると通常の相続手続きよりも時間がかかります。

さらに、遺産分割のサポートを行うにあたっても、相続人の方が相続手続きにそもそも非協力的な場合は難易度が格段に上がります。

これらの事情があった場合、各司法書士事務所によっては、相続手続きにおける費用が増加する可能性があります。

4.まとめ

以上、相続手続きの費用を簡単にお話しましたが、基本的には相続手続きの費用は、

⑴ 1社あたりの単価が決まっているケース
⑵ 総遺産額に対してのパーセンテージ

の2種類があります。その違いは⑴のケースは完全な手続き代行業、⑵のケースは相続手続きの完全丸投げのケースや相続における様々な問題を解決するケース、と区別して下さい。

大切なのは、司法書士に依頼したい相続手続きのケースが単純な手続代行型かそれとも相続手続きの完全丸投げ型や問題解決型か、どれを希望するのかを明確にする事です。

ご自身の依頼したい相続手続きを明確にする事により、その費用も明確になります。

当事務所では手続代行型も対応しておりますが、完全丸投げ型や問題解決型の相続手続きを得意としております。

難しい相続でお困り、お悩みの場合は、お気軽にご相談下さい

文責:この記事を書いた専門家
司法書士 甲斐智也

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格もあり「もめない相続」を目指す。
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
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町田・横浜FP司法書士事務所
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