もめる相続の特徴。「法律ではこうなっています」では問題が絶対に解決しない理由

こんにちは。もめない相続・家族信託専門司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

私は良く参考の為に他の弁護士や司法書士のホームページを閲覧するのですが、そこで良く目にするが「法律の知識が無いのに遺産分割協議を行うともめます」と言う趣旨のキャッチコピーです。

確かに、法律家の視点で見ればこれは間違いありません。「客観的である法律に則って遺産分割協議を行えば、遺産相続の問題は解決するし、もめる事はありえない」と。

一見非常に正しい考え方に思えるのですが、しかし、相続でもめている当事者の立場にたつと、納得出来ない事もいっぱいあると思います。

「法律的に正しいのは分かっている。でも納得出来ない」。この感覚、分かりますか?

実はこれが、相続の争いを長期化させている原因でもある「感情の問題」なのです。

今回は相続の問題が法律だけでは解決しない理由をお話ししていきたいと思います。

 

1.法律は実は不公平

法律は国会で作られます。国民から選ばれた頭の良い国会議員が関与しているので、法律は客観的で常に正しい、そう思っている人も少なくないはず。

しかし、相続に関して言えば、法律は非常に不公平なのです。

① 法定相続分について

まず、各相続人の相続分は決まっています。その事をお話ししていきたいと思います。

 【法定相続分】
・配偶者と子供(被相続人の下の世代)が相続人である場合
 配偶者2分の1、子供2分の1×子供の人数

・配偶者と両親(被相続人の上の世代)が相続人である場合
 配偶者3分の2、両親3分の1×両親の人数

・配偶者と兄弟姉妹(若しくは甥姪)が相続人である場合
 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1(例外あり)

なお、配偶者がいない場合は、相続人の人数で均等で割った数字が相続分になります。

これが基本の相続分なのですが、この相続分を修正する制度が2つあります。寄与分と特別受益です。

② 寄与分

例えば、
・被相続人が自営業を行っており、その自営業を手伝った。
・被相続人に対して金銭を援助したり、負担した。
・被相続人の療養看護等を行った。
 事により、被相続人の財産の維持されたり、増加した事について特別な貢献をした相続人がいた場合、その相続人を財産について貢献しなかった相続人と同じ相続分として取り扱う事は不公平になります。

その為、その貢献に相当する金額をその相続人の相続分に加算する事により、結果として各相続人間の公平を図る制度が寄与分です(民法第904条の2)。

③ 特別受益

特別受益とは、被相続人から遺言によって財産を貰った場合や、被相続人の生前に遺産の前渡しと認められるような多額の贈与を受けた相続人がいる場合、その者が他の相続人と同じ相続分であれば不公平になります。

その為、遺産分割において、被相続人から貰った財産を遺産に持ち戻して(これを「特別受益の持戻し」といいます。)、具体的な相続分を算定する事により、相続人間の不公平さを無くし、実質的な平等を図ることを目的とするのが特別受益の制度の趣旨です。

④ 相続の法律が不公平な理由 

このように、相続人によって相続分が決まっており、その相続分を修正する制度もありますので、一見問題が無いように見えますが、実はそれが問題なのです。つまり、相続分を修正する制度は、法律上は寄与分と特別受益しかないのです。

その為、例えば、
・毎日足腰の悪い父親の為に買い物を行って、月2回の病院に付き添って、それが5年間も続いて精神的、肉体的に消耗した。
・他の兄弟は教育にお金をかけてもらい、塾や大学までいかせてもらったのに、自分は教育にお金をかけてもらえず大学にも行かせてもらえなかった。
・父親とは仲がひたすら悪く、常にしつけと言う名の暴力を振るわれていた。しかし他の兄弟はそのような事はなかった。

このような事があったとしても、寄与分や特別受益に該当するとは言いがたい為、法律上相続分を増減させる事は不可能です。

でも、当事者としては当然ながら納得出来ないと思います。だからこそ、「もっと金をよこせ」ともめるのです。

 

2.公平はその家庭によって様々。柔軟な話し合いをすべき

このように法律は細かい事情を考慮していない為、ご家庭、相続人によっては不公平です。
 (そもそも、法律はその国にいる人全員が守るべきルールの為、あまり細かいところまで決めてしまったらキリがない為、大きな枠の規定しか出来ないのである意味仕方が無い部分もあります。)

その為、法律だけを取り出して相続の問題を解決しようとすると、必ず争いになります。

なお、遺産分割調停や審判と言った裁判手続きを利用すれば、遺産の分け方については解決するかもしれません。

その意味では法律だけを取り出しても良いでしょう。

しかし、その分け方に納得しない相続人だっているはずです。「法律だから、裁判だから仕方が無い」。

頭では分かっているけど心では納得しないでしょう。だから家族間の溝は永遠に埋まることなく、わだかまりがある状態が一生続くのです。

そんな人生、嫌じゃないですか?心の中につっかかった物が取れない人生をずっと送りたいですか?

そんな人生、つまんないと思います。1回しかない人生、モヤモヤしたまま生きるより、やりたいように生きたくはありませんか?

だからこそ、法律だけではなく、本心をきちんと語り合い、柔軟な話し合いを行うべきなのです。

 

3.心が納得する話し合いの方法

一言で言ってしまえば「聴く」事が重要です。「聞く」ではありません。「聴く」です。

相手と話しをする時に、相手の話しを「聞く」事は、TVを見ながらでもスマホをいじりながらでも出来ます。

相手の声が耳に入っていますので聞いた事にはなります。しかし、建設的な話しを行いたい場でそのような事をしたら相手の怒りをかってしまいます。

「聴く」とは、しっかりと相手の話しの内容に意識を向けて、相手がどのような気持ちで話しているのか、相手にどのような背景事情があるのか、そう言った部分にも意識を集中させ、共感する事が「聴く」事です。

ここで重要なのが、相手の事を否定したり、早すぎる相づちをしない、と言う事です。

これをやってしまえば相手は心を閉ざして以後建設的な話し合いが出来なくなります。
(皆さんの周りにもいませんか?きちんと話しをきかないうちにすぐに否定したり、相づちする人が。)
 
人の心は合理的な理由(相続で言えば法律)だけでは動きません。

自分の事を認めてくれて、理解してくれる事によって初めて心を開いてくれて、納得してくれるのです。 

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?人間は感情の生き物です。

その為、「頭では理解したけど、心が納得出来ない」と言う場面が良くあります。その代表例が相続です。

相続は亡くなった人を想い、家族の事を考え、今までの人生を振り返り、心がフル稼働しています。

そんな時に「法律ではこうなっているから」と言われてしまうと、納得出来ないのはある意味当たり前です。もめるのは当然です。

まずは法律の規定も踏まえつつ、でもそれに縛られる事なく、各ご家庭の事情にあわせた柔軟な話し合いを行う事をお勧めします。

なお、どうしてもご家族間の建設的な話し合いが難しい場合は、上級心理カウンセラーの資格も持つ私が皆様の中立的な立場にたって、相続人の皆様のご意見を調整する事も可能です。

私は弁護士ではありませんので、相続人の代理として、法律上の交渉等は行う事はできません。

しかしその分、相続人の皆様のお話を徹底的に聴く事が出来ます。皆様のお話を徹底的にお伺いして、皆様が適切に遺産分割協議が出来るよう、円滑なコミュニケーションの場を創る事は可能です。
 
相続人間のお話し合いでお困り、お悩みの場合はお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

 

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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