相続でも関係がある、葬儀費用は誰が支払うべきか?

こんにちは。横浜・泉区の相続専門司法書士の甲斐です。今回の記事は、相続が発生して一番最初に行う「葬儀」の葬儀費用について解説していきたいと思います。(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

 

1.葬儀費用

最近では葬儀社によっては数万~数十万といった低額な葬儀がありますが、一般的な葬儀を取り行おうとすると、それなりの出費が必要となります。

2010年に行われました日本消費者協会の「第9回葬儀についてのアンケート調査」によりますと、葬儀にかけた費用の全国平均は約199万円となっています。

大切な家族の方を最後にお見送りするのですから、きちんとした葬儀を行いたい。しかし、お金が結構かかってしまうし、このお金は一体誰が払うのか?と言った問題が発生してしまいます。

 

2.葬儀費用は誰が支払うべきか?

それでは、葬儀費用は一体誰が支払うべきなのでしょうか?これには色々な考え方があると思います。

・葬儀は喪主が執り行うものなのだから、喪主が葬儀費用を負担すべきだ。
・葬儀はあくまで相続人全員が負担して行うものなのだから、葬儀費用も相続人全員で均等に負担すべきだ。
・葬儀はお金がかかるので、経済的に余裕がある相続人が負担すべきだ。
・葬儀は亡くなった方の為に行うのだから、亡くなった方が事前に自分で用意すべきだ・・・等、色々な考えた方があります。

では、法律では葬儀費用の負担義務者について、どのように規定されているのでしょうか?実は、葬儀費用の負担については、法律上、明文化されていないのです。

そもそも、葬儀は必ず行わなくてはいけないものではありません。その為、誰が葬儀費用を支払うのかは、その時その時に決める必要があるのです。

その為、葬儀を執り行っていく上で、葬儀費用は誰が負担するのかは、必ず事前に相続人間で話し合う必要があります。後になって「そんな高額なお金を支払うなんて聞いていない!」と言った相続人間でトラブルにならないように注意が必要です。

 

3.被相続人の口座から葬儀費用を用意する場合の注意点

それでは、被相続人の口座から勝手に預金を引き出して葬儀費用を用意するのはどうか?と言う事も考える事が出来るかも知れません。しかし、このような行為はおまり好ましいものではありません。

さらに、被相続人の死後であれば、口座から預金を引き出す時に、口座名義人が亡くなった事が銀行に知れ渡る事になるでしょう。そうなれば口座が凍結され、直ぐには預金を引き出す事が出来なくなります。

(銀行によっては相続人全員の合意の元、葬儀費用等一定の用途の金額を引き出す事が出来る場合があります。詳細は各銀行にご確認下さい。)

 

4.葬儀費用を用意しておきたい場合

ご家族がご自分の葬儀の時に葬儀費用の事で困らないように、事前に用意しておくのも良いかも知れません。

① 葬儀費用を事前に渡して置く

葬儀等を執り行ってくれるであろう推定相続人に、事前に葬儀費用を渡して置く、と言う方法です。しかし、その金額が数百万であれば、そのお金の法的性質が後々問われる事になる可能性があり、注意が必要です。

贈与なのか、推定相続人に対する金銭消費貸借なのか、金額が大きいと相続人間でトラブルになる可能性が有るため、きちんとどう言う趣旨で渡すのかの書面を残しておく必要があると思います。

② 互助会等を利用する

互助会とは月ごと、若しくは年毎に一定の金額を積み立て、葬儀費用を事前に確保することができるものです。

その他、生命保険を利用する等が考えられます。

 

5.まとめ

亡くなる側の立場では「葬儀費用は自分の財産から使ってもらえば良いから」と思うかも知れませんが、いざ相続が発生すると口座から預金を引き出す事が難しくなるのは上記の通りです。

その為、残される家族の為に終活の一環として、ご自分の葬儀の希望や葬儀費用をきちんと用意する事を考える事をお勧めします。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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