相続に関する書面が弁護士から届いた場合の対処方法

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、相続について、ある日突然弁護士から書面が届き、その対応方法についてご相談されたい方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
ある日、私に弁護士を名乗る人物から手紙が届きました。

その内容は「私の父が亡くなった事。相続人は父の再婚相手と娘である私の二人である事。

父の遺産について遺産分割協議を行う必要があるので、連絡してほしい。」と言う内容です。

父と母は私が小学生の頃離婚して、それからずっと私は母に育てられ、父とは何十年も会っていませんでした。

それなのに今さら相続人だから連絡してほしいなんて、釈然としないものがあります。

また、父は昔から浪費癖があり、どこからか借金をしているのではないかと心配です。

この弁護士からの書面について、今後どのような対応を行えば良いのでしょうか?

 

1.弁護士の実在性の確認

一般の方の立場に立ってみると、突然弁護士から書面が届くとビックリするでしょう。

さらに何十年も会っていない父親の相続の件であれば、さらに怪しいと感じるかも知れません。

その為、まずやるべき事は、その弁護士が本当に実在するのか調べる事です。

(なお、今回は弁護士を例にしていますが、司法書士からも相続に関して書面が届く事もありますので、司法書士からの書面も同様であると考えて下さい。)

弁護士が実在するかを調べる方法ですが、各県の弁護士会のホームページから検索して調べる事が出来ます。

ホームページから弁護士が実在する事が分かれば、その書面に書かれた連絡先電話番号と、そのホームページに記載されている弁護士の事務所の電話番号が一致しているか確認して下さい。

※もし一致していない場合、ホームページ記載の弁護士事務所に電話をしてみて、書面を送付したかの確認をして下さい。

ここで書面を送付していない旨の回答があった場合は、弁護士の名前を語った詐欺事件である可能性が高いので、届いた書面の連絡先には連絡しないようにして下さい。

 

2.書類の送付を依頼する

間違い無くその弁護士が書面を送付した事が確認出来た場合、被相続人が亡くなった事が分かる戸籍(除籍)謄本と、被相続人の財産目録の送付を依頼して下さい。

実際に被相続人が亡くなった事、相続財産がどれくらいあるのかが分からなければ、その後の手続きの判断をする事が困難になるからです。

なお、送付された戸籍(除籍)謄本や財産目録に疑問(もっと財産があるはず等)が生じた場合は、ご自分でも相続財産の調査を行う事をお勧めします。

相続財産の調査方法はこちらをご参照下さい。

→相続財産の調査方法

なお、相続放棄等の手続きは、自己の為に相続の開始があった事を知った時から三か月以内に行う必要がありますが、相続財産や、下記の借金の調査に時間がかかる事も想定されます。

その為、相続放棄等が出来る期間を延長する手続きを行った方が良い事もあります(民法第915条)。

 

3.被相続人の借金を調べる

事例では被相続人には浪費癖があったとの事ですので、念の為、借金があったかどうか調べた方が良いでしょう。

調べ方ですが、消費者金融や銀行からの借金の場合、信用情報機関に問い合わせる事で調べる事が可能です。

実際の情報の開示方法は、各信用情報機関のホームページをご参照下さい。

・消費者金融系・・・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・クレジットカード会社系・・・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・銀行系・・・全国銀行個人信用情報センター(KSC)

 

4.相続の方法を決める

財産目録や借金の調査が終了した場合、あとは相続して他の相続人との遺産分割協議に応じるのか、それとも相続放棄を行うのかを決めます。

相続放棄はその効力として、相続人でなかったとみなされますので、借金の相続を免れますが、プラスの財産も引き次ぐ事も出来なくなるのでご注意下さい。

相続放棄に関しましては、こちらもご参照下さい。

→相続放棄の期限を過ぎてしまった場合

→3ヶ月経過後の相続放棄の注意点

なお、被相続人のプラスの財産の範囲内のみで借金の返済義務を負う、限定承認と言う手続きもありますが、これは相続人全員で行う必要があります。

全員が合意すれば問題無いのですが、事例の場合では、難しいかも知れません。

限定承認に関しましての詳細な内容は、こちらをご覧下さい。

→限定承認を分かりやすく解説します

基本的なスタンスとしては、特に財産等は必要としれおらず、逆にトラブルに巻き込まれる事を懸念しているのであれば、相続放棄を行う方が手っ取り早く問題を解決する事ができます。

 

5.まとめ

「何年も会っていない父親なので、正直関わりたくない」と言うお気持ちがあるかも知れません。

しかし、相続放棄を含めて何らかの法的手続きを行わないと、あなた自身が相続人であると言う問題が解決しません。

さらに、何ら関係の無い、他の相続人にも迷惑がかかる可能性があります。

弁護士(司法書士もそうですが)はプロです。

あなたが相続に係わりたくないと言って無視をしても、結局様々な法的な手段を駆使されて、話し合いの場に駆り出される事になります。

無視する事はハッキリ言って無意味ですので、被相続人が亡くなっている事、その弁護士(司法書士)が本物であるならば、きちんと何らかの手続きを行いましょう。

 

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー
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