相続で困った事例(困りごと)とその解決方法

相続トラブル事例

こんにちは。司法書士の甲斐です。

被相続人が亡くなり相続が発生しますと様々な相続手続が必要となりますが、相続手続を行う事は一生に一度あるかないかの出来事です。

その為、ほとんどの方が慣れていない状態で、様々な相続手続きを行う事になると思います。

相続手続の行い方を解説した書籍やインターネット等はありますが、それでも想定出来なかったトラブルが発生し、相続人の方が困ってしまう状況になる事も珍しくありません。

今回は、相続手続きにおいて、相続人の方が遭遇する「困った事」事例とその解決方法をご紹介していきたいと思います。

1.突然債権者がやってきた

法要も終わってひと段落ついていた相続人の元に、突然、消費者金融から被相続人充てのハガキが。

中身を見てみると被相続人が借りていたお金の返済を求める内容で相続人がパニックになってしまう。

また、被相続人に個人的にお金を貸していたと主張する人物が現れ、相続人がどうしたら良いか困ってしまった。

【解決方法】
まず重要なのは、被相続人の借金の返済を迫られたとしても、その場では絶対に「返済する」とは言わないで下さい。

もしその場で返済すると言ってしまえば、消滅時効が成立していて本来は支払い義務がなかったにも関わらず、支払わなくてはいけなくなります。

まずは、被相続人が本当にお金を借りていたかを確認する為に、その証拠の提示を求めて下さい。

その後に相続放棄や消滅時効の援用等の対応を行いましょう。

2.遺言の場所が分からない

被相続人の生前に「遺言を作成したから」と聞いていたけれど、それがどこにあるか分からない。

思い当たる所を全部あたってみたけれど、結局見つからずにどうすれば良いか分からず困ってしまった。

【解決方法】
被相続人の生前に遺言を作成したと聞いたら、必ずその保管場所も聞くようにして下さい。

なお、遺言が公正証書遺言で作成されていれば、公証役場で遺言の有無の検索を行う事が可能です。

3.預貯金がどこにあるのか分からない

遺産である預貯金の相続手続きを行う為にその残高を確認したところ、被相続人の生前の状況から考えて残高が少なすぎる。

他の相続人が引き出した形跡もなく、遺産がどこにあるのかが分からない。

【解決方法】
被相続人が通帳を紛失等をしている事も十分に考えられますので、少なくとも被相続人が住んでいた場所の近隣の銀行について残高証明の発行を依頼した方が良いでしょう。

また、昔ながらの「タンス預金」も十分に考えられますので、タンスの裏や押入れの奥に現金がないか確認しましょう。

4.葬儀に誰を呼んでよいのかが分からない

被相続人の交流関係が良く分からず、とりあえず相続人が把握している友人・知人を葬儀に呼んだが、もれていた人が多数いて後からクレームを受けて困った。

【解決方法】
エンディングノート等を利用して、被相続人の生前に葬儀の方法等も含めて意思確認をしておきましょう。

5.相続税に詳しい税理士がいない

遺産の額が相続税の基礎控除を超えていたので、相続税の申告を税理士にお願いしようとしたが、相続税に詳しい税理士が中々見つからず困った。

【解決方法】
相続税の改正によって、相続税の申告・納税が必要な方が増えましたが、それでも1年間で申告された相続税の件数を、全国の税理士の数で割ると1~2件になりますので、場合によっては1年間に1度も相続税の申告を行わない税理士もいます。

相続税に詳しい税理士を探すポイントは、インターネットで検索を行ったり、他の相続専門家から紹介してもらう等が考えられます。

6.まとめ

相続のトラブルについては、相続人間のドロドロの遺産争いである「争続」がクローズアップされますが、相続人間でもめていなくても様々なトラブルがあります。

何事もそうですが、後々の面倒なトラブル、困った事を回避する為には、被相続人となる立場(財産を残す立場)の方と相続人となる立場(財産を引き継ぐ立場)方がご協力して、相続について事前に準備する必要があります。

生前に「死ぬ事」を考えるのは精神的に大変な作業ですが、後々トラブル、困った事が発生する事の方がもっと大変ですので、今の段階からきちんと準備しておきましょう。

文責:この記事を書いた専門家
司法書士 甲斐智也

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格もあり「もめない相続」を目指す。
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
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