相続手続きを司法書士に依頼する際に注意すべき契約書のポイント

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回は、司法書士等に相続手続きを依頼しようと考えている方向けの記事です。

基本的に相続手続きは数ヶ月かかる場合があり、またその手続きの種類も様々です。

その為、後日の紛争を未然に防ぐ為に、専門家に相続手続きをご依頼する場合、通常は契約書を交わします。

しかし、場合によってはその契約書を巡って専門家とトラブルになる事も少なくありません。

そこで今回は、専門家に相続手続きを依頼しようと考えている方に、専門家と交わす契約書のポイントをお話したいと思います。

 

1.ダメな相続手続きの契約書の具体例

まずは、ダメな相続手続きの契約書の具体例をご紹介します。

どこがダメなのかを考えながら読んでみて下さい。

相続手続き業務委任契約書

被相続人  山田 太郎 (昭和9年3月3日出生、平成30年4月1日死亡)
最後の本籍 神奈川県横浜市泉区和泉中央北南三丁目1234番地
最後の住所 横浜市泉区和泉中央北南三丁目1番2号

(目的)
第1条 委託者 山田 一郎(甲)は受託者司法書士 鈴木 健太(乙)を被相続人 山田 太郎 (以下、「被相続人」という。)の相続財産の承継(相続手続き)の為に必要な法律行為(相続財産の管理及び処分に関する法律行為)その他の事務又は同人の死亡に起因する権利の行使を委任し、乙はこれを受託する。

(承継対象財産)
第2条 乙が本契約により管理・保管し、処分等に必要な行為を行う財産(以下「承継対象財産」という)は、相続人又は受遺者あるいは受取人に帰属する一切の財産とする。ただし、乙が甲より引渡しを受けず、又は指示されなかったことにより確知し得なかった財産についてはこの限りでない。

 (注意義務等)
第3条 乙は、本契約の趣旨及び甲の意思を尊重し、善良な管理者の注意義務をもって本件委任事務の処理に当たらなければならない。

2 乙は、本件委任事務に関して知り得た甲の秘密を、正当な理由なく第三者へ漏らしてはならない。

(報告義務等)
第4条 乙は、甲に対し、3か月に1回以上、書面又は面談その他適切な方法で承継対象財産の管理状況の処理について、報告をしなければならない。ただし、甲が複数いる場合は、その代表相続人に対して報告を行う事とする。

2 本契約が終了した場合、乙は、甲又は甲の相続人若しくは甲の法定代理人に対し、遅滞なく清算事務に関する報告をしなければならない。

(代表相続人)
第5条 甲が複数あるときは、そのうちの1名を相続人代表者と定め、乙に通知するものとする。

2 相続人代表者が本件委任事務の完了前に、本契約当事者でなくなる時は、その後任の相続人代表者を選定し、乙に通知するものとする。

(情報の提供に対する同意)
第6条 甲は、乙が本件委任事務を遂行するにつき、必要な範囲内で、必要な相手方に対して、乙が甲の情報を提供することに同意する。

(規定外事項) 
第7条 本契約に定めのない事項及び疑義のある事項については、甲・乙協議の上、これを定める。

以上、本契約を証するため、本契約書を1通作成し、甲・乙が各自署名(記名)捺印の上、乙が原本を、甲が写しを所持するものとする。

(以下、省略)

 

どこがダメなのか、次章でお話しますので、じっくりと考えて見てください。

考える事で、今度のトラブルを未然に回避する事が出来ます。

 

2.相続手続きの契約書で注意すべきポイント

【① 業務範囲について】

まず見るべきポイントは依頼する業務の範囲についてです。

「相続手続き」と一口に言っても、やるべき事は沢山あります。

例えば、

・被相続人の戸籍の取得
・金融機関に対して残高証明書の発行依頼、解約手続き及び解約金の受領。
・金融機関の貸金庫を開け、保管物の確認、解約手続き及び保管物の回収。
・株式、有価証券の相続手続き
・法定相続情報証明制度に関する一連の手続き
・財産目録作成
・遺産分割協議書作成
・不動産の名義変更(相続手続き)

等、細かい事が沢山あります。

上記の契約書の第一条で、

「相続財産の承継(相続手続き)の為に必要な法律行為(相続財産の管理及び処分に関する法律行為)その他の事務又は同人の死亡に起因する権利の行使を委任」

とありますが、この規定はあまりにも大雑把で、依頼する業務範囲が不明確です。

その為、専門家がどこまでの事をやってくれるのか?と言う点で、後々もめやすい契約書となっています。

【② 報酬について】

これは致命的な部分なのですが、上記の契約書には報酬に関する事が一切明記されていません。

また、記載されていたとしても、その計算方法が不明確な契約書があります。

報酬がいくら発生するのか不明確な場合、後になって確実にもめる原因となります。

「先生にお金の事を質問するのはちょっとしづらい・・・」

と思われるかもしれませんが、けっして安くはないお金を支払うのです。

必ず報酬は確認するようにしましょう。

固定の金額であれば、その金額はいくらなのか?

遺産に対する割合であれば、そのパーセンテージを確認し、報酬の目安をきちんと計算しましょう。

また、その報酬の支払時期はいつなのかも忘れずに確認しましょう。

【③ 契約を解除した場合の報酬について】

後々の事情が変更になり、契約を一部解除したり、全てを解除せざるを得ない事だってあると思います。

その場合の報酬の取扱いについても明記されていません。

この部分についても、もめる原因となりますのでしっかりと確認しましょう。

 

3.まとめ

相続手続きを専門家に依頼する場合、

・何をどこまでやってもらうのか?
・その報酬はいくらか?その計算方法は?
・契約を解除した場合の報酬の扱いは?

以上の3点は絶対に落としてはいけないポイントであり、これが不明確な場合、確実に専門家ともめる事になります。

専門家から契約書を提示された場合、以上の3点がきちんと明確になっているか、必ず確認するようにして下さい。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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