こんにちは。司法書士の甲斐です。
今回の記事は、相続手続きを行う必要があるが、とにかく時間が無い方向けの記事です。
(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)
皆様が相続人になる日は、ある日突然やってきます。
その為、当事務所に相続の事についてご相談、ご依頼される方の年齢層は非常に幅広くなっています。
下は20代から上は60代まで。まさに相続はどのタイミングで起こっても何ら不思議ではありません。
その中で一番大変なのが、20代~50代の相続人の方々です。なぜなら、20代~50代の方は、ほとんどの場合日中働いており、相続手続きを行う時間を割く事が出来ないからです。
良くある事例をご紹介します。
父親が亡くなり、遺産もそれなりにあるので相続手続きが必要なのですが、相続人である息子は普通のサラリーマンであり、普段は仕事をしているのでそれどころではありません。
母親に手続きをお願いしようとすると、「難しい事は良く分からない」と断られてしまいました。
弟に協力をお願いしようとしたら「こっちも働いていて忙しい」と言われてしまい、八方ふさがりになってしまい、時間だけがどんどん過ぎていってしまった・・・。そんな事が良くあります。
「出来たら暇な時に相続が発生しないかな・・・」なんて希望が叶う事は中々難しいと思います。
その為、今回はとにかく時間がない時に、最低限考えるべき相続手続きの事を解説したいと思います。
1.相続財産を調べる
役所関連の手続きが一段落したら、まず真っ先に取り掛かるべきは、どのような相続財産があるかの調査です。
なぜかと言いますと、相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告が必要だからです。
また、申告期間内に遺産分割協議が調わなくても、法定相続分で相続したとして、相続税の申告が必要です。つまり、どちらにしても相続税の申告は必要になります。
相続税の申告が必要か否かを判断する為には、相続財産がどれくらいあるのかを調べる必要があります。その為、まずは相続財産の調査を行うべきです。

でもウチは相続税を納めるぐらいの財産なんてないはず。
と思っているアナタ。
それでもしっかりと調査した方が良いですよ。
「財産なんてない」と思って被相続人の自宅を調査していたら、タンスの奥から大量の現金が段ボールの中から見つかった、なんて事が私にも経験があります。決めつけは非常に危険です。
なお、具体的な相続財産の調査方法はこちらをご覧下さい。

2.被相続人の戸籍等を取得する
相続財産の調査と同時に、被相続人の死亡時から出生まで遡った全ての戸籍(除籍、改正原戸籍)謄本を取得しましょう。
郵送での取得が可能ですので、仕事がお休みの時を使って郵送請求をしましょう
(なお、郵送請求の場合、手数料を定額小為替で用意する必要があります。その為、結局は平日に時間を見つけてゆうちょ銀行で定額小為替を購入する必要があります)。
3.遺産分割協議をする
相続財産の調査が終了したら、誰がどの相続財産を取得するのかの話し合いである「遺産分割協議」を行いましょう。
遺産分割協議の方法ですが、相続人が全員一か所に集まって行う必要はありません。
仕事がお休みの時に電話で行っても大丈夫です。
遺産分割協議書の作成も、郵送でやりとりして署名、押印しても全然問題はありません。
忙しくて中々時間が取れなくても、この方法であれば何とかやれそうなのではないでしょうか?
4.まとめ -それでも時間が取れない時は?-
以上、忙しい日常を送りながらでも相続手続きを行うポイントを記載しました。
しかし、それでも忙しい場合はどうすれば良いのでしょうか?
「毎日毎日終電まで残業して、土日は泥のように眠っているのに、そんな時間なんてあるわけないじゃないか!」とお悩みの場合は、是非司法書士にご相談下さい。
司法書士は上記の戸籍等の取得、相続財産の調査、遺産分割協議のお手伝い、相続財産の名義変更までの一連の流れを行う事が出来ます。
忙しくてどうしても相続手続きが出来なくてお困りの場合は、お気軽に当事務所にお問い合わせ下さい。