相続でもめる原因でもある「普通」と言う考え方

相続トラブル事例

こんにちは。司法書士の甲斐です。

相談者の方が相続で抱えている問題は、基本的には同じものはありません。

被相続人と相続人の関係・相続人同士の関係・遺産の種類等、同じ家庭は一つも存在しませんし、その解決方法もオーダーメードで考える必要があります。

しかし、様々なご相談を承っていますと、相続の問題のその本質、根本的なものは実は同じである事が分かってきました。

相続の問題は、遺産が多く欲しいから発生するのではなく、ほとんどのケースは「感情の問題」から発生する事は当ブログ内で何度もご説明している通りです。

そして、その感情の問題と密接な関係にあるのは、人それぞれが持っている「普通はこうでしょ」と言う「普通」です。

この人それぞれ持っている「普通」と言う考え方が相続人同士のコミュニケーションのすれ違いを生み、そして感情の問題に発展するのです。

今回は人は誰でも持っている、でもやっかいな「普通」と言う考え方を通じて、相続でもめずに、相続手続きがスムーズに進む方法をお話しいたいと思います。

1.相続が発生したら、これだけはやってはいけない事

まずはご家族が亡くなる前後、つまり相続が発生する前後である行動をしてしまい、その為にもめる相続となった良くある事例をご紹介したいと思います。

① 勝手に被相続人の預金を引き出した

被相続人が亡くなった事実を金融機関が知った場合、口座が凍結されてお金を引き出す事ができなくなります。

この事は一般論としてご存知の方が多いですので、「入院費に充てるため」「葬儀代を支払うため」等を理由にして、被相続人の口座からまとまったお金をキャッシュカードを使って引き出す方がいらっしゃいます。

葬儀費用は被相続人の遺産から支払っても構いませんので、口座が凍結される前に預金を引き出そうと考えるのは当然だと思います。

しかし、この被相続人の口座から預金を引き出した事により、相続人間で後々良くもめる事があります。

② 勝手に保険等の遺産を解約し現金化した

保険金が遺産分割協議の対象となる財産となるケースを想定してお話しします。

通常、保険等の相続手続き(解約)は、遺産分割協議書や相続人全員の同意が無ければ出来ません。各保険会社のルールでそうなっているはずです。

しかし、遺産分割協議書も相続人全員の同意も無く、相続人一人からの請求により保険が解約され現金化されたケースも実際に存在します。

これはその保険会社の対応がそもそもおかしいのですが、この保険を勝手に解約して現金化した事についても後々相続でもめる事があります。

③ その他、勝手に○○した

例えば、相続人の一人が勝手に被相続人の生前に遺言を書かせた、勝手に葬儀の方法を決めた、等があります。

2.「勝手に○○する」がなぜ相続でもめる原因になるのか?

上記の相続の事例、なぜもめる相続となったのかは分かりますよね?

ある相続人が他の相続人に内緒で、勝手に色々な事をやったからです。

勝手に被相続人の預金を引き出した、勝手に遺産を解約して現金化した等、他の相続人の立場で考えれば、「『普通』は私達に事前に相談するでしょう!」と怒ります。

何故なら、そのような重要な事は事前に相続人全員に相談する事が「普通」と考えているからです。

しかし、勝手に色々な事を行った相続人にも『普通』の考えは存在します。

「せっぱ詰まった状態で、預金を引き出すのに『普通』は相談しないでしょ」
「遺産を分けやすい現金化にするのに『普通』は相談しないでしょ」

と、行った事の良し悪しは別にして、『普通』の考え方は人それぞれなのです。

だからのその『普通』を巡ってすれ違いが生じ、感情の問題へと発展し、相続でもめるのです。

3.まとめ -相続でもめたくないのであれば、「普通」と言う考えを一旦置きましょうー

このように、人がその頭の中で描いている『普通』と言う考えは、他の人から見れば『普通」ではない事が良くあります。

いや、それが『普通』なのです。

相続と言うのは日常的に経験する事ではありません。

ほとんどの方が未経験です。だからこそ日常とは異なる精神状態になり、ちょっとした事でももめやすくなります。

だからこそ、まずは『普通はこうだ』と言う考え方を一旦置いて「もし私が○○さんだったら、どう考えるのだろう」と想像する事が重要になります。

相続でもめる気持ちがないのにもめてしまう事は不幸でしかありません。

相続では、いつも以上に相手の立場にたって行動する事が求められるのです。

【本サイトでは、相続手続きや家族信託について網羅的に解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

 

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この記事を書いた専門家

横浜市泉区の司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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横浜相続困りごと相談室(司法書士甲斐智也事務所)
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