
こんにちは。司法書士の甲斐です。
大切な家族が亡くなり相続が発生すると、まず最初に行うべき事は葬儀です。
ご経験がある方は分かると思いますが、実はこの葬儀、短期間で決めなくてはいけない事が沢山あります。
今回はその葬儀を行う中で決めなくてはいけない一般的な事を解説し、事前にご準備が出来るものはご準備して頂き、少しでも亡くなられた直後の精神的な負担を軽減して頂く事を目的としております。
1.ご遺体の搬送
現代では多くの方がその最期を病院のベットの上で迎えます。
その為、ご遺体をどこに搬送するのかが、相続において一番初めに決める事になります。
基本的にはご自宅かご自宅以外の斎場等に分かれると思いますが、これはどこで葬儀を行うか?につながる問題となりますので、事前に葬儀社の方と打合せを行い、葬儀の場所を決めておく方が良いと思います。
なお、昔はご自宅で葬儀を行う事も多かったのですが、昨今の住宅事情から、ご遺体の搬送から葬儀までを一つの斎場で行う事が多くなっているようです。
2.宗教・宗派の確認
葬儀は宗教的儀礼として行われるのが一般的であり、その宗教、宗派によって葬儀の形式や手順が変わってきます。
亡くなった方の宗教・宗派を確認しなかった場合、菩提寺のお墓に入る事ができなくなったりする事がありますので、亡くなった方が信仰していた宗教・宗派を確認する事は必須となります。
ちなみに、日本人に一番身近な『仏教』でも、何十種類の宗派が存在しますのでご注意下さい。
なお、亡くなられた方が特定の宗教を信仰していなかった場合、無宗教としての葬儀もございますので、その場合は葬儀社の方にご相談をして下さい。
3.葬儀の形式
現在は葬儀の多様化が進んでいて、様々な種類の葬儀形式があります。
① 一般葬(スタンダードな葬儀)
一般会葬者も含めて行う葬儀の事です。
もっともスタンダードな形式で、「葬儀」と言えばこの形式を思い浮かぶ方が多いと思います。
故人が知人・友人等の交友関係が多い場合に適した葬儀の形式ですが、その分費用がかかりがちになります(財団法人日本消費者協会の調査では、葬儀にかかった全国平均値は約199万円だそうです)。
② 家族葬
昨今、葬儀社のWebサイト上等で葬儀の一つとして家族葬が取り上げられています。
実はこの『家族葬』には明確な定義は無いのですが、文字通り家族や親しい友人のみの、少人数で行う小さな葬儀と言う意味で使われているケースが多いようです。
基本的な流れは一般葬と同じですが、費用が一般葬より低く設定されているのが特徴です。
③ 直葬
通夜や告別式等を行わず、火葬のみを行う葬儀形態です。
家族葬と同様、家族や親しい友人のみで行うケースが多いようです。
費用が非常に低く設定されている事、葬儀にかかる時間を軽減できる事が特徴ですが、一方で十分な別れの時間が取れない等の問題点もあります。
4.弔問客の数
遺された家族の方が一番悩むのが、通夜、告別式に参列される方が何人になるのかと言う事です。
家族葬や直葬であれば特に意識する事は無いのですが、一般葬の場合、受付等のお手伝いを依頼する人数や会葬御礼品を用意する数等を把握する為、葬儀社より必ず聞かれます。
家族の方が、故人の交友関係をある程度把握できていれば問題はないのですが、把握していなければ予測で行うしかありません。
5.まとめ -エンディングノートの勧め-
上記に記載した事項は、葬儀を行う上で決めなくてはいけないごく一部にしか過ぎず、実際には時間が無い中で決めなくてはいけない事は山ほどあります。
その為、ご家族の方のご負担を最大限軽減する為にも、交友関係やどのような葬儀を行ってほしいのかをエンディングノートにしっかりと残して置く事をお勧めします。