相続における終活のすすめ

相続一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回の記事は、終活についてご相談されたい方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

1.事例紹介

渡辺スミ子さんは数年前にご主人に先立たれ、現在は横浜市のとある賃貸アパートで一人暮らしをしています。

スミ子さんの子どもは三人いて、その中の次男、シゲオさんはスミ子さんの近くに住んでいる事もあり、何かある度にスミ子さんのアパートを訪ねては何かとスミ子さんを気にかけていました。

シゲオさんはある日、遺言について特集されたTVを見ていて、スミ子さんに遺言を書く事をすすめたのですが、スミ子さんは「私には財産なんて無いから」と言って結局遺言を残す事なく、その数年後に亡くなりました。

葬儀では、スミ子さんと一番親しかったシゲオさんが喪主となり、その後の四十九日の法要まで、全てシゲオさんが取り仕切りました。

その後、兄弟間で遺産分割協議を行ったのですが、そこでシゲオさんの想定外の出来事が発生したのです。

2.事例解説

財産が無くても相続は必ず発生します。

相続において一番最初に行われるのは葬儀ですが、これにはお金がかかります。

最近は簡易な葬儀の形式がありますがそれでも数十万円かかります。

一般的な葬儀だと数百万です。

相続が開始されると、被相続人名義の口座は凍結されます。

その為、葬儀にかかる費用は喪主が負担するのが一般的です。

(葬儀代を立て替えなくても良い例外もありますが、ここでは省略します。)

喪主は「いずれは口座の凍結が解除され、預金が引き出せるようになる。

だから立て替えたとしても一時的だ」と思われるかもしれません。

しかし、そうではないのです。

葬儀費用はあくまで被相続人が亡くなった後に発生した債務なので、遺産分割とは無関係なのです。

例えば、遺産が900万円の預貯金のみで相続人が三人の場合、一人当たり300万円を相続する権利があります。

ところが、その内の一名が喪主となり、葬儀費用を200万支払ったとしたら、喪主の相続分は実質100万円です。

つまり、喪主は実質的に相続分を失う事になります。

もちろん、遺産分割協議で全員の同意があれば、葬儀費用を負担した相続人について配慮する事は可能ですが、あくまで法律上は、遺産と葬儀費用は全く関係がありません。

3.本ケースの解決方法 -終活のすすめ-

このように、お世話になった方に対して実質的に損をさせない為にも、その方の相続分を多くするような遺言を残す事が重要です。

また、遺産に関する事以外にも、

・どのような葬儀にしてほしいのか?
・葬儀の参列者は誰を呼んでほしいのか?
・遺品の整理をどうしてほしいのか?

等、残された家族が困らないよう、今のうちからエンディングノート等で意思表示を行い、残された家族が困らないよう、事前の対策を行う事が重要です。

4.まとめ

この様に、財産が無くても遺言を残す事が重要になる場合があります。

また、遺産承継に関する事以外にも、ご自分の意思を残す事は重要です。

当事務所では、遺産の事はもちろん、エンディングノートに関するちょっとしたご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

【本サイトでは、相続手続きや家族信託について網羅的に解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

 

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この記事を書いた専門家

横浜市泉区の司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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横浜相続困りごと相談室(司法書士甲斐智也事務所)
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