施設が認知症の親と会わせてくれない!?そんな時の対処方法

こんにちは。横浜の司法書士の甲斐です。

相続対策のご相談を承っていますと、「親が認知症で施設にいるのだけれど、施設が親と会わせてくれない。」

と、相続とは直接関係ないのですが、それでも重要なお悩みを持たれた方がいらっしゃいます。

しかも、面会を拒否する施設側の理由が、

「身元引受人である別の子供から言われているから」

と言う事なのです。

果たして、施設側に実の親子を会わせないようにする事が出来る権限があるのでしょうか?

出来るとした場合、それはどの法律に基づくものなのでしょうか?

今回は、その事をテーマにしてお話ししたいと思います。

 

1.施設が親に会わせてくれない具体的な事例

【良くあるご相談を元にした、架空のお話です】

太郎さんは85歳になる男性です。

認知症の症状が進んだため、とある老人ホームに入所しています。

太郎さんの奥さんは数年前に亡くなり、家族は子供の一郎さんと花子さんのみです。

実は一郎さんと花子さん、大変仲が悪く、太郎さんを施設に入所させたのは一郎さんでした。

さらに一郎さんは太郎さんの預金を勝手に使い込んでいるウワサがあります。

怒った花子さんは施設に対して太郎さんとの面会を求めたのですが、施設側はこれを拒否。

「身元引受人である一郎さんから、『花子さんが来ても太郎さんと会わせないように』と言われている。だから花子さんと太郎さんを会わせる事はできない。」

と言うのが施設側の言い分です。

果たして、施設は子供が親と面会を行うのを拒否する事が出来るのでしょうか?

 

2.施設が面会を拒否する事が出来る法的な根拠はあるのか?

この事例に似たご相談は、本当に良くあります。

ここで大切なのは、

「施設側が面会を拒否する法的な根拠はあるのか?」

と考える事です。

では、実際にどうなのかと言いますと、

「そんな法的根拠はありません。」

もちろん、例外はありますよ。

例えば、高齢者虐待防止法13条における、虐待を行った養護者に対する面会制限は可能です。

しかし、こう言った特殊な事情がない限り、施設側がそれを拒む事は不法行為になります。

そもそも、子供が親と会うのは、子供の当然の権利なのです。

もちろん、身元引受人と施設側で

「他の家族とは会わせない」

と言う契約を行うのは自由です(契約自由と言う原則がありますので)。

でも、それはあくまで身元引受人と施設側の問題であり、他の家族には何ら関係がない事なのです。

 

3.面会を拒否してくる施設への対応方法

では、このような施設に対してどのような対応を行えば良いのでしょうか?

まずは正当な理由がなく面会を拒否するのは不法行為になる事を説明しましょう。

施設側の言い分としては、上記のように「身元引受人から面会を拒否するように言われている」と言った言い分や、もっとひどい場合は、

「家族間の紛争に施設が巻き込まれた場合、責任を取ってくれるのですか?」

と、法的根拠とは関係なく責任転換を行ってくる場合もあります。

そのような場合でも毅然とした態度で、

・施設側と身元引受人との契約は、契約外の他の家族には何も関係がない事。
・そもそも、親が拒否しない限り、施設側には親と会わせない法的な根拠が無い事。

を粘り強く指摘しましょう。

さらに、このようなケースで非常に多い、身元引受人が親の財産を横領している可能性がある事、これを説明する事も重要になってきます。

つまり、経済的虐待の可能性です。

高齢者虐待防止法第5条には、

「養介護施設従事者などは高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければならない」

と定められています。

その為、施設側は他の家族の話から、身元引受人による経済的虐待を疑い、関係部署へ通報するなどの措置が必要になる事もしっかりと説明しましょう。

「施設は面会を拒否する法的な根拠はない。さらに、身元引受人が経済的虐待を行っている可能性がある。それでも、面会を拒否しますか?」

と言う方向に話しを持って行くのです。

さらに、高齢者が事例のような経済的虐待を受けている可能性がある場合、市町村に通報し、必要な措置を講じてもらう事を請求する事ができます。

 

4.まとめ

家族間の仲が元々悪い場合、親の認知症、老人ホームの入所をきっかけとして、後々の相続でもめるケースが良くあります。

事例のように、家族の誰かが認知症の親の財産を横領している可能性が有る場合、施設に対して親と面会をさせる事を要求するのと同時に、場合によっては成年後見制度の利用を検討した方が良いでしょう。

このケースは時間が経過すればする程、問題の解決が難しくなります。

弁護士に依頼する事も念頭に入れ、早めの早めの対応を行っていきましょう。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー
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