知らない、会った事がない相続人に連絡をしなければいけない場合

知らない相続人への手紙相続一般

こんにちは。

今回の記事は、相続人調査を行っていたら知らない相続人が出てきて、どのように連絡を取れば良いか困っている方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:先日、私の母が亡くなりました、相続人は娘である私一人だけです。

相続人は一人だけですので、ゆっくりと相続手続きを行おうと思い、とりあえず母の戸籍謄本を集めていたのですが、そこで初めて私には兄がいる事を知りました。

戸籍を確認すると、母は兄を出産した2年後に当時の夫と離婚し、3年後に再婚して私を出産していました。

離婚をした理由や兄の存在を母からは全く聞かされておらず、非常にびっくりしている状態です。

ところで、母の財産は自宅と預金が少しあります。

相続人がいる場合、例えその相続人と全く会った事がなくても、遺産分割協議を行わなければ相続手続きが出来ないと言う話を聞き、どうやって連絡をとれば良いか、どのような話をすれば良いかが分からず、途方に暮れています。

このような場合、どのような話しを兄にして、どのように手続を進めていけば良いのでしょうか?

1.知らない相続人へのアプローチ -基本的な考え方-

異母兄弟、異父兄弟。漫画の世界では良くある話ですが、実は現実にも良くある出来事です。

被相続人が亡くなり、不動産の名義変更の為に近くの司法書士に手続を依頼したら、後日その司法書士から連絡があり、「○○さん、非常にお伝えしづらいのですが、被相続人の方には他にお子様がいらっしゃいます・・・。」

そこで初めて、今まで会った事が全くない兄弟がいる事を知る・・・。驚き、ショック、混乱・・・そのような感情が体の中を駆け巡ります。

それでも、相続人ですのでまずは連絡を取らなくてはいけません。

しかし、あまりにも突然の事に、どのように連絡を取れば良いのかパニックになるかと思います。

そこで今回は、今まで一度も会った事がない相続人に対して、どのようにアプローチすれば良いのかを解説していきたいと思います。

① 相手の立場になって考える

当たり前の事ですが、事例の場合にも当てはまります。

普通に生活をしていたあなたの所に、ある日突然母親の相続人と名乗る人物から電話がかかってきました。

自分の母親が亡くなった事、遺産分割の事で話をしたい、そのような内容です。

全く知らない人からこのような話を突然されたら、正直なところ非常に怪しいと思いませんか?

私だったらこのような電話、100%無視します。

その為、一番最初のアプローチは、郵便で行うがベストです。

電話や直接会ってこのような状況を正確に説明する事はほぼ不可能です。

その為、まずはお手紙を書き、状況を説明しましょう。

また、資料として被相続人が亡くなった事と、郵便の相手が相続人である事が分かる戸籍謄本(のコピー)を添付すればなお良いと思います。

なお、最初のアプローチの段階で、遺産分割協議書を送りつけ、実印押印と印鑑証明書の提出を求めては絶対にダメです。

こんな事をしてしまえば確実にもめる原因になる事は、相手の立場になれば簡単に想像出来ますよね。

これは弁護士や司法書士も良くやりがちですので、十分に注意して下さい。

② 相手に相続を放棄してほしい場合

なお、相手に相続を放棄してほしい特殊な事例がある場合は、その事情を文章で丁寧に説明すべきです。

あなたにとっては、一度も会った事が無い兄弟姉妹なのかも知れませんが、その方もあなたと同じ相続人なのです。

相続人は当然に相続する権利があります。

それをあなたの都合で奪う事になりますので、その事情を丁寧に説明する義務があなたにはあります。

文章等で説明するのは大変ですが、後々問題にならないように、面倒くさがらずにきちんと対応しましょう。

③ 相続が発生したら、速やかに相続人の調査を

「亡くなった父親には自宅不動産以外、これといった財産はない。自宅の相続登記は急がなくても良いから、取り合えずこのままにしておこう。」

と、相続手続きを被相続人が亡くなって何年もたった後に行われる方がいらっしゃるのですが、このケースで戸籍調査を行った結果、知らない・会った事がない相続人が判明した場合は要注意です。

何故なら、相手の相続人の立場になってみれば、

「相続手続きは被相続人が亡くなってから、そんなに時間を置かずに行うもの。それなのに被相続人の死後何年も経過して連絡をよこしてくると言う事は、不動産以外の財産を勝手に処分されたに違いない。」

と、不審に思われても仕方が無いのです。

たとえあなたが「遺産隠し」をしていなくても一度ついたイメージを覆す事は簡単ではありません。

その為、相続人調査は早急に行うようにしましょう。

2.知らない相続人へ送付する文章例

☐☐(旧姓:△△)☐☐の相続手続きご協力のお願い

○○ ○○ 様

前略、突然のお便りを差し上げましたこと、ご容赦下さい。

このたび、○○様の実の母親であり、私の母親でもある「☐☐ ☐☐」が平成○○年○月○○日に、 亡くなりました(同封致しました戸籍謄本のコピー及び相続関係説明図をご覧頂ながらお読み下さい)。

母☐☐ ☐☐は、昭和○○年○月○に結婚し、昭和○○年○月○日に○○様を出産しました。その2年後、母☐☐は離婚し、3年後に私を出産をした、と言う経緯がございます。

私は母が再婚をしていた事、私に兄がいる事を母から何も伝えられておらず、今回相続手続きの為に母の戸籍を出生まで遡って取得した時に、初めて○○様の存在を知りました。

母と○○様にどのような出来事が会ったのか私は存じ上げません。また、このようなお手紙を送られた事について大変驚かれていると思います。しかし、まずは母が亡くなった事、今後の遺産分割の事についてお話をしたく、失礼かと思いましたがご連絡を差し上げた次第です。

まずは、お手数をお掛けし大変申し訳ありませんが、私宛に一度ご連絡をお願い頂けますでしょうか?(お電話番号を存じ上げないため、こちらからお電話差し上げることが出来ません。申し訳ございません。)以上、宜しくお願い申し上げます。

しばらくは暑さが続くようですので、くれぐれもお体を大切になさって下さい。

敬具

 【ポイント 】
・相手も突然このような郵便を受け取り、びっくりするはずです。不審がられない、丁寧な文体を心がける。
・相続関係説明図等の資料を作成して、相手に分かりやすい内容にする。
・会ったことのない相続人がいることがなぜ発覚したのか、 その経緯もきちんと説明する。

ようするに、ご自分が逆の立場であった場合に、話しの内容としてとりあえず納得が出来る文面にする必要があります。

3.まとめ

今回は異母兄弟、異父兄弟の例でしたが、その他にも代襲相続等で、今まで全く会った事がない相続人と連絡を取らなくてはいけない状況になる事はあります。

そのような場合も、上記を参考にして頂き、該当の相続人に連絡を取るようにして下さい。

なお、当事務所が行う相続手続きは、このように全く知らない相続人への連絡、対応も承っております。

全く知らない相続人へのご連絡にお悩み、お困りの場合はお気軽に当事務所にご相談下さい。

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