成年被後見人の死亡による相続手続き

 

【事例】
Q:私は姉の成年後見人ですが、昨日、姉が亡くなりました。

これから葬儀等を行わなけばならないのですが、被後見人が亡くなった場合、後見人として何をどこまで行わなければいけないのでしょうか?

A:成年後見人の仕事はご本人様(成年被後見人)の死亡により終了します。

しかし、最後の仕事として、これまで管理されていた財産の収支を計算、その現状を家庭裁判所に報告する必要があります。

そして、管理していた財産をご本人の相続人に引き継ぐ必要があります。

 

1.後見人として行うべき事

被後見人が亡くなられた場合、後見が終了するのですが、それに際して下記の事を行う必要があります。

① 家庭裁判所への報告、後見の清算

下記の書類を用意、記載して、家庭裁判所に報告を行います。

・ご本人の死亡の記載がある戸籍(除籍)謄本または死亡診断書のコピー
・後見等事務終了(相続財産引継)報告書
→家庭裁判所のホームページからダウンロード出来ます。
・本人の財産状況(財産目録)
→家庭裁判所のホームページからダウンロード出来ます。
・上記「本人の財産状況(財産目録)」記載の財産の内容を証明する資料
(預貯金通帳や証券等のコピー等。前回に報告以降分です。)
・10万円以上の入出金報告書(年金・施設費・入院費を除く)
(前回報告時以降に10万円以上の入出金がある場合)
・財産受領書(後見人以外の方にご本人の財産を引き継いだ場合)

なお、家庭裁判所によって必要な書類が異なる場合があります。詳細は家庭裁判所に確認して下さい。

② 終了の登記申請

本人の為に後見の申し立てが行われ、家庭裁判所が後見の審判を行いますとその旨の登記がされます。

本人が亡くなった場合、この登記に対して、後見が終了した事についての登記申請を行う必要があります。

【必要書類】
・登記申請書(終了の登記)
・添付書類
本人(成年被後見人)の死亡の事実が記載されている戸籍(除籍)謄抄本または死亡診断書

※法務局において住民基本台帳ネットワークを利用して死亡の事実を確認することができるときは、戸籍(除籍)謄本の添付を省略することができます。

法務局において死亡の事実を確認することができないときは、戸籍(除籍)謄本が必要になる場合があります。

 

登記申請書の書き方

登記申請書は法務局のホームページからダウンロード出来ます。

・申請される方(申請欄)
→住所、氏名(押印)、連絡電話番号を記入。

資格(本人との関係)は成年後見人とします。

・登記の事由
→「成年被後見人の死亡」にチェックを入れて下さい。

・終了の年月日
→成年被後見人が亡くなられた日付を記入して下さい。

・登記記録を特定するための事項
→成年被後見人の氏名の記入は必須。

その他、登記番号若しくは成年被後見人の住所、生年月日を記入して下さい。

・添付書類
該当する添付書類にチェックを入れて下さい。

※印紙代等手数料は不用です。

③ 財産の引渡し

成年後見人は、相続人に対して本人の財産の引継ぎを速やかに行う必要があります。

なお、相続人が複数いる場合は、その相続人全員に対して財産を引き渡す義務があると考えられています。

その為、もし相続人の内の一人に対して全ての財産を引き渡す場合は、その相続人を相続人代表とする事、相続人代表に全ての財産を引き渡す事について、事前に他の相続人から同意書を取得してから行った方が良いでしょう。

 

2.その他、被後見人の死亡後に、後見人が関与する事

下記の事柄は、法律上、後見人の職務とはされていません。

ですが、相続人である親族が誰も行わず、結果として後見人が関与する事が求められる事が良くあります。

 ご遺体の引き取り・葬儀・埋葬

通常、ご遺体の引き取りや葬儀の段取り等を行うのは親族ですが、事情により親族が迅速な対応が出来ない場合、後見人に対応が求められる事が事実上あります。

② 葬儀費用、未払医療費等の支払い

被後見人が死亡した後、葬儀費用や未払いの医療費等の支払いの為、後見人に対して親族から被後見人名義の口座から、預貯金の引き出しを求められる事があります。

 

3.まとめ

上記の①、②はいわゆる「死後の事務」と呼ばれているものです。

死後の事務は、後見人の権利や義務が消滅した後の話であるため、後見人としてはできないとされています。

しかしその一方、事実上後見人に求められている部分でもあり、実務上さまざまな議論がなされ、議論が錯綜しはっきりとした正解が無い分野です。

その為、死後の事務に関しては実務上、非常に悩む分野でもあり、性急な結論を出しがちです。

その為、死後の事務に関してお困り、お悩みの場合は、お気軽に当事務所やお近くの専門家にご相談する事をお勧めします。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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