
こんにちは。司法書士の甲斐です。
日本の離婚率は年々増加しており、最近の統計では3組に1組が離婚しているようです。
離婚を行う場合、様々な事を考え、決めなくてはいけません。
例えば財産分与の問題、子供の親権、養育費の問題等、沢山の事が必要になります。
このような決めるべき事を決めて、離婚が成立しようやく新しい人生を歩みだす事が出来るのですが、本当にそれだけで良いのでしょうか?
実は、離婚をした場合、相続の事もきちんと考え、対応しなくてはいけないのです。
今回はその「離婚した時に考えるべき相続の事」を解説していきたいと思います。
1.離婚した場合の相続人の範囲
① 元配偶者は相続人になるのか?
相続人の範囲は法律で決まっています。
・第2順位 両親
・第3順位 兄弟姉妹
配偶者は上記第1~第3順位の相続人と共に相続人になります。
離婚すると法律上の配偶者では無くなりますので、元配偶者は相続人になりません。
その為、元配偶者への相続対策は必要ありません。
② 元配偶者との子供は相続人になるのか?
良く問題になるのは、元配偶者との子供との関係です。
「親権は元配偶者にありますので、子供は私の相続人にはならないですよね?」
と良くご質問を受けるのですが、例え離婚をしても法律上の親子関係はそのままです。
親権があなたに無くとも、戸籍が違っていても、法律上の親子関係はそのままです。
その為、あなたが亡くなった場合、元配偶者との子供はあなたの相続人となります。
③ 再婚相手の連れ子は相続人になるのか?
あなたがもし再婚した時に、再婚相手に子供がいた場合、その子供はあなたの相続人になるのでしょうか?
再婚相手とは結婚したわけですから、その子供とも一緒に暮らす事になり法律上の親子関係も発生しそうなのですが、実はそうではありません。
再婚相手とは結婚をしていますので、法律上の配偶者となり相続人となりますが、再婚相手との連れ子とは何らの法律関係は生じません。
つまり、あなたが亡くなったとしても再婚相手の連れ子はあなたの相続人になりません。
2.離婚した場合の相続対策
① 遺言
元配偶者との子供に財産を残したくないのであれば、(遺留分の問題はありますが)必ず遺言を作成するようにしましょう。
あなたが再婚をしている場合は、今のご家庭を守る為にも、遺言の作成は絶対必須です。
遺言は大きく分けて自筆証書遺言、公正証書遺言の二種類がありますが、再婚されている場合は相続でもめる可能性が非常に高くなりますので、より証拠力が強い公正証書遺言の作成をお勧めします。
② 養子縁組
再婚相手との連れ子とはそのままでは法律上の親子関係は生じません。
その為、しっかりと財産を相続させたいのであれば、養子縁組を行い、法律上の親子関係を発生させる必要があります。
養子縁組は、養親もしくは養子の本籍地、または届出人の住所地の市区役所に養子縁組届を提出する事で行います。
3.まとめ
離婚を行った場合はその後の相続関係において高確率でもめる可能性が出てきます。
離婚をする事に非常にパワーを使って精神的に疲弊されているかもしれませんが、しっかりと相続の事も考えるようにしましょう。
当事務所では再婚後のご家族が困らない為の遺言作成のサポートを行っております。
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