離婚した父親が亡くなった事を知った時に絶対に考えるべき遺産相続の事

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級カウンセラーの甲斐です。

日本の離婚率はおよそ3分の1とよく言われています。その為、子供の時に実際に両親が離婚して、その後母親に育てられた方も多いのではないでしょうか?

父親とは何十年も会っておらず、その存在すら忘れかけていた時に、父親が亡くなった事をふとしたきっかけで知った時、あなたはどうしますか?

「父親とは何十年も会っていないし、もう何も関係がないでしょ?」
「何であの最低な父親の相続人にならなくちゃいけないの?ふざけるな!」
「一切あの父親とは関わりたくないから、そっちで勝手にやってほしい。」

今さら相続人と言われても困る!と思っても、実は離婚した父が亡くなった事は、あなたに関係がある事なのです。

今回は、「離婚した父親が死亡した事を知って対応に困っているあなた」に、絶対に取るべき対応についてお話していきたいと思います。

 

1.事例ご紹介

【事例】
 Q:私の両親は私が幼稚園の時に離婚し、私はその後母に育てられました。父とはそれから何十年も会っていません。

この間、父が亡くなっているのかどうかが非常に気になり、父の戸籍謄本を取得したところ、父が亡くなって半年が経過している事が分かりました。

父は再婚をして、別の家庭を持っているようなのですが、向こうの家庭から父が亡くなったと言う連絡は一切なく、父の財産の状態は分かりません。

このまま向こうの家庭が父の財産について、勝手に遺産分割協議を行う事は可能なのでしょうか?そうであれば、私から何らかの行動を取った方が良いのでしょうか?

それとも、私はこのまま取りあえず何もしないで、向こうの家庭からの連絡を待った方が良いのでしょうか?

また、父とは何十年も会っていない為、今さら相続の事に関わるのも嫌な気分がします。このような場合、私はどうすれば良いのでしょうか?

A:様々な対応が考えられます。

相続をした方が良いか決めかねている場合は、相手のご家族と連絡を取り、父の遺産を確認(借金等のマイナスの財産含む)し、相続をするかしないかを決めると良いでしょう。

また、場合によっては相続放棄等を行う事が出来る期間(熟慮期間)の延長の申立てを家庭裁判所に行った方が良いでしょう。

感情的に絶対に相続したくないのであれば、相続放棄の手続きを家庭裁判所に対して行い、その旨を相手のご家族に伝えるようにしましょう。

なお、絶対にやってはいけない事は「何もしない事」です。

何十年も会っていない父親であっても、あなたにどんな酷い事を行った父親であっても、法律上の親子関係を切る事は出来ません。

つまり、あなたは強制的に父親の相続人なのです。

相続人である以上、相続するにしても相続放棄を行うにしても、法律上の適切な手続きを行う必要があります。

法律上の適切な手続きを行わない場合、仮に父親が莫大な借金を残していれば、あなたはそれを支払っていく義務が発生します。

つまり、「何もしない」と言う事は、あなたにとって致命的な不利益にしかならないのです。

 

2.父親が離婚後に再婚した場合の相続人の範囲

例えば父母が離婚してその父が再婚した後、父が亡くなった場合に、父の相続人は誰か?と言う問題が発生します。

まず、両親が離婚したとしても、法律上親子関係が消滅するわけではありませんので、父が亡くなったとしてもその子供は相続人になります。

事例のように子供の時に両親が離婚し、その後母親の元で育てられて父親とは一切会っていない場合でも、父が亡くなった場合、その子供は父の相続人になります。

そして、父が再婚した場合、その再婚相手と再婚相手と父の間に生まれた子供も相続人になります。

つまり、事例のご相談者様も当然に相続人になりますので、ご相談者を除いて他の相続人が遺産分割協議を行ったとしても、その無効を主張する事が出来ます。
 
実務上も、不動産の名義変更や預貯金の解約手続きについて、相続人を確定させるために被相続人の戸籍の提示が求められます。

その中で相続人全員が実印で押印した遺産分割協議書等がなければ、相続手続きを行う事が出来ません。

その為、ご相談者様を除いて遺産分割協議を行う事は事実上不可能ですので、必ず向こうの家庭から連絡が来るはずです。

ただし、例外があります。それは、父が遺言を残されていて、かつ遺産の分配の方法について、全て向こうの家庭に相続させる遺言を残されていた場合は、ご相談者様に連絡をしない可能性があります。

上記のような遺言の場合、ご相談者様に何の連絡を行う必要が無く、遺言を執行する事が出来ます。

その場合、向こうの家庭から連絡をしてくる事を期待するのはやめた方が良いかもしれません。
 
もし相続をされたいのであれば、むしろこちらから積極的に連絡を行い、最低相続分である遺留分を主張した方が良いでしょう。

 

3.離婚した父親が死亡した事を知った場合の対応方法

① 相続をする事を前提とする場合

父の財産を調査の上、最終的に相続をするかしないかを判断する必要があります。

もし相続放棄を行いたい場合、その期間は被相続人が亡くなった事を知った時及び自分が相続人であると知った時から三ヶ月以内です。

三ヶ月はあっという間ですので、場合によっては相続放棄が出来る期間(熟慮期間)を延長する事が出来る「熟慮期間の延長の申立て」を家庭裁判所に行い、財産調査の為の時間を確保する方が良いでしょう。

なお、向こうの家庭から連絡があれば良いのですがそれが無い場合、こちらから行動を行う必要があります。

まずは父の戸籍謄本を取得し(親子関係であれば、父の戸籍謄本は無条件で取得する事が出来ます)、父の「戸籍の附票」を取得します。

戸籍の附票には被相続人の住民票上の住所が記載されていますので、向こうの家庭に対してその住所宛に郵便等で連絡を取りましょう

(内容は、ご自分が相続人である事と遺産を開示してほしい事等)です。

遺産を確認した上で、最終的に相続するかしないかを決めると良いでしょう。

なお、向こうの家庭が遺産の開示を行わない場合、戸籍等であなたが相続人である事が確認できれば、独自に財産の調査は可能です。

市区町村に不動産の「名寄せ帳」を請求すれば、被相続人がその市区町村で所有している不動産の一覧が分かります。

また、各金融機関でも相続人の一人から残高証明書の発行は可能となっています。

また、借金についても信用情報機関に情報開示を請求する事により、被相続人が銀行や消費者金融等で借金をしていたかが分かります。

もし、向こうの家庭が遺産の開示を拒んだら、独自で遺産の調査を行う事を検討すべきでしょう。

② 感情的に相続したくない場合

昔、父親が暴力やギャンブル等で家族に迷惑をかけ、その事で父親の事を良く思っておらず、どんなに父親に財産があったとしても相続したくない、むしろ関わりたくないと思う方もいらっしゃると思います。

その場合は、相続放棄の手続きを家庭裁判所に対して行い、「相続放棄申述受理証明書」を向こうの家庭に対して郵送等を行いましょう。

相続放棄が家庭裁判所に受理された場合、あなたは初めから相続人でなかった事になります。

つまり、父親の相続について今後何も関与しなくても良くなるのです。

 

4.再婚相手及びその子供に対するコミュニケーションについて

さて、仮に相続すると決めた場合、さらなる問題が待ち構えています。そう、父の再婚相手及びその子供との遺産分割協議です。

父の再婚相手等と普段から交流があれば良いのですが、父の相続が始まる前にほとんど交流がなければ、そもそもどのようにコミュニケーションを行えば良いかが分からないでしょう。

基本的にあなたと父の再婚相手とその子供の関係性はふとしたきっかけで敵対関係に変化します。

その為、勝手に相続手続きを行う等、相手から不審に思われる行為を行わない事が重要なポイントになります。

 

5.後妻とその子供が父の遺産を隠そうとしている!

また、離婚した父親の相続の事で、このようなご相談を承る事があります。

「離婚した父と再婚した後妻と、その子供が父の遺産をどうやら隠そうとしているのです。どうにかなりませんか?」

お互いあった事がない者同士、疑心暗鬼になってしまい、遺産を絶対に隠している!と思われてのご相談だと思うのですが、法律上は遺産を隠しても意味はありません。

と言うのも、不動産や預貯金等、遺産の相続手続きを行う為には、必ず相続人であるあなたの実印と印鑑証明書が必要になります。

つまり、どんなに後妻や後妻との子供が、離婚した父の遺産を自分のものにしようとしても、あなたの実印、印鑑証明書がない限り、法務局や銀行での手続きが出来ないのです。

家に大量の現金があると言う事がない限り、遺産隠しは意味がありませんので、そこまで神経質にならなくても良いと思います。

(相手方が亡父のキャッシュカードの暗証番号を知っていて、勝手に預金を引き出せば話は別ですが・・・。)

 

6.まとめ

当ブログで何度も申し上げている事ですが、被相続人が関わりたくない人間、相続が面倒と思っても、相続人であれば何らかの行動を行う必要があります。

何度もお伝えしますが、絶対にやっていはいけないのが、面倒なので何もしない、と言う選択を取る事です。

何もしないと言う選択をしても、相続人である事には変わりません。

何もしない事によって状況はどんどん悪化しますので、まずは行動をしましょう。

特にあなたが相続放棄を考えられている場合、手続きの期限である三ヶ月なんてあっと言う間です。

大至急行動すべきでしょう。

相続放棄を行うべきなのか?それとも相続手続きを行うべきなのか?

まずはご自身で考え、判断して頂きたいのですが、どうすれば良いか分からない場合は、お気軽に当事務所にご連絡下さい。

ご事情を正確にヒアリングさせて頂き、最適な方法をご提案させて頂きます。

また、ご希望であれば相手方のご家庭との連絡係も承りますので、「相手家族と直接対応したくない」と思われた場合はご遠慮なくお申出下さい(弁護士のような代理人ではありませんのでご注意を)。

何度も申し上げますが、この件に関しましては、「何もしない。無視してやる」と言う選択肢は絶対にNGですよ!

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

 

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

⇒詳細なプロフィールはこちら

 

【本サイトでは、相続手続きや家族信託について網羅的に解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

 

【⇒トップページに戻る】

 

平日、土日祝日も21時まで対応可(要予約)。心のモヤモヤ、スッキリさせませんか?難しい相続・家族信託のご相談は当事務所にお任せ下さい。

当事務所では平日お仕事でお忙しい方の為に、事前にご予約を頂けましたら平日は21時まで、土日祝日も無料相談のご対応をおこなっております。

・「仕事が忙しくて相続手続きが出来ない!」
司法書士があなたを代理して、遺産の相続手続きを行います。

・「感情的になって相続の話し合いが出来ない!」
感情面にも配慮し、相続人の皆様が適切に遺産分割協議が行えるようサポート致します。

・「両親が認知症になった時が心配。成年後見制度は使いたくない!」
→新しい財産管理の方法、家族信託をご提案致します。

当事務所では、上記のような相続の事でお困りの方に対して様々な解決を行い、その結果、ご依頼者の方は相続を原因とする余計なストレスを感じる事なく、普段と何も変わらない平穏な日常を送っていらっしゃいます。

あなたが上記のような事でお困り、お悩みの場合、当事務所にお気軽にお問合せ下さい。

正確で具体的な解決策をご案内致します。

※ご相談は1日2組様限定とさせて頂いております。ご了承下さい。