親の介護を全く行わない兄弟がいる場合の相続

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、親の介護を全く行う気がない兄弟についてご相談、ご依頼されたい方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:半年前に父が亡くなりました。

遺産と言えるものは自宅ぐらいです。相続人は認知症である母と、兄と弟である私の3人です。

先日、自宅をどうするかについて兄と話をしたのですが、兄は「母親の面倒は看ないけど、自宅はもらう。お前達には遺産は何も渡さない。」との一点張りで困っています。

法律的にはそんな事は出来ないと思うのですが、兄は「弁護士に相談したから間違いが無い。自分の言っている事が正しい」と自分の意見を曲げません。

このような場合、家庭裁判所に相談するしかないのでしょうか?

 

1.法定相続分について

各相続人には、それぞれ民法により、相続分が決められています。

事例では母2分の1、兄弟がそれぞれ4分の1となります。

事例の兄は遺産である自宅を全て取得する旨の主張をしていますが、法定相続分として認められるのは、あくまで4分の1です。

自宅全ての所有権を取得したいのであれば(父の遺言があれば別ですが)、他の相続人である母、弟との協議が別途必要になります。

その為、「弁護士に相談したから間違いが無い」と言うのは誤りである事になります。

ちなみに、この「弁護士に相談したから間違いが無い」と言うセリフは、相続相談の中で私も良く耳にするのですが、結構な確率で誤りである事が多いです。

本当に弁護士が間違った回答をしているのか、もしくは相談者が誤った解釈をしているのか分かりませんが、その根拠がなく、単純に「弁護士が言っていた」と言う言葉は疑ってかかっても良いのかもしれません。

 

2.認知症の母について

このように、兄が自宅の全ての所有権を取得する為には、他の相続人(母、弟)との協議が必要なのですが、事例の母は認知症です。

認知症の程度にもよりますが、母の意思能力、判断能力が無いのであれば、後見申立てを行い、成年後見人との遺産分割協議が必要になります。

この点で言っても、兄の独断で自宅の所有権を全て取得する事は出来ません。

 

3.母の介護について

今回の相続とは直接関係はありませんが、認知症の母は介護が必要な状況のようです。

兄は介護をしないと言っていますので、相談者が母を引き取り介護するしかないようですが、そうすると当然に兄との関係で不公平になります。

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務があります(民法第877条)。

つまり、兄も当然に母を扶養する義務があるのですが、これを放棄した場合、残りの扶養義務者(弟)が困ってしまいます。

その為、民法には、扶養をする義務のある者が数人いる場合、扶養をすべき者の順序について当事者間で話し合いが調わない場合、又は話し合いをする事が出来ない場合は、家庭裁判所がこれを定める、と言う規定があります(民法第878条)。

その為、母の介護について兄の協力を得られないのであれば、上記の扶養義務の設定の申立てを行い、問題を解決する方法が考えられます。

 

4.まとめ

介護に関しては、誰か一人が負担すると言う事は、その人に過大なストレスがかかりますので、出来れば誰かと分担して行うのが望ましいです。

上記の扶養義務の設定の申立てや、地域包括支援センター等を利用し、けっして一人で抱え込まない事が重要になってきます。

 

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」「認知療法」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

丁寧な言葉で厳しい発言をする(でも愛はある)。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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