甥姪が相続人の場合は要注意。兄弟姉妹が先に死亡した相続はトラブルがいっぱい


こんにちは。横浜市泉区のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

本日は、相続が発生し相続人である甥っ子、姪っ子に連絡をしなくてはいけない方向けのお話です。

相続人と言えば、配偶者や子供、と言うのが一般的なイメージだと思います。

配偶者や子供がいない場合、被相続人の兄弟姉妹が相続になる事をご存知の方もいらっしゃると思うのですが、実は兄弟姉妹の子、つまり甥姪も相続人になる場合があります。

実はこの甥姪が相続人になるケースは、相続トラブルに発展する可能性が非常に高く、実際に私の事務所にも甥姪の相続人に関するご相談が良くあります。

例えば、

甥っ子が相続人なので相続の為の連絡をしたら、逆ギレされて話し合いができなくなったんです
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どのような連絡をしたのですか?

お前は亡くなった○○とはほとんど交流が無かったのだから、遺産の取り分は少なくしてほしい。むしろ放棄してほしい、と言う内容です
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・・・誰だってその内容だったら怒りますよ。逆ギレなんかじゃありません。

ウソのようなお話ですが、実際に相続の場では良くあるお話です。

また、遺産の分け方以前の問題で、甥姪とのコミュニケーションを間違えた結果、同様に感情的になり、相続の話し合いができなくなってしまうのです。

その解決のために本来必要ではなかった時間とお金をかけなくてはいけなくなってしまった事例も良くあります。

たかがコミュニケーション、されどコミュニケーション。

甥姪との接し方一つで、予想外の相続トラブルになる事もありますし、そのトラブルを未然に防ぐ事だってできるのです。

本日は、相続人である甥姪とのコミュニケーションを円滑にして、不必要な相続トラブルを回避する為のお話しです。

 

1.甥姪が相続人となる場合とは?

法律上、相続人となれる人物は決まっています。

第1順位の相続人・・・子ども
第2順位の相続人・・・父母等、被相続人の上の世代
第3順位の相続人・・・兄弟姉妹
※配偶者は第1~3順位の相続人と同順位で、常に相続人になります。

事例では被相続人には配偶者はいますが子どもはおらず、父母等も既に他界されていますので、相続人は被相続人の配偶者と兄弟姉妹になります。

しかし、兄弟姉妹の年齢も被相続人とあまり変わらないのが一般的ですので、兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなっている事も多いはずです。

その場合、兄弟姉妹の子供(被相続人から見れば甥姪)が、相続人となります。これを「代襲相続」と呼びます。

 

2.甥姪が相続人となる場合に注意すべき事

① 相続手続きに必要な戸籍謄本の数が膨大になる

上記の事例で考えて見ましょう。Aさんが被相続人ですが、配偶者のBさんとの間に子どもはいません。

さらに、Aさんの父母も亡くなっていますので、Aさんの相続人は配偶者のBさんと、兄弟姉妹のE、F、Gさんです。

しかし、EさんとFさんはAさんより前に亡くなっていますので、その場合それぞれ甥姪がEさんとFさんを代襲相続します。したがって、Aさんの相続人はB、G、H、I、J、Kさんの6人となります。

それではこのケースにおいて、相続手続きに必要な戸籍が何なのかを考えて見ましょう。

どのような相続手続きを行う場合でも、戸籍(除籍、原戸籍)謄本は必要になってきます。

まずは
・【Aさん(被相続人)の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、原戸籍)謄本】
これは被相続人の相続人を確定させる為に必要ですので、相続人が誰であっても必ず被相続人の出生~死亡時までの戸籍(除籍、原戸籍)は必要となります。

次に
・【亡C、亡Dさん(被相続人の父母)の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、原戸籍)謄本】
これは、相続人が兄弟姉妹である事を証明する為に必要です。

被相続人の父母の戸籍等には、被相続人の兄弟姉妹が記載されている為、被相続人の父母の出生から死亡時までの全ての戸籍等を取得する事により、戸籍上で亡C、亡Dさんの相続人を確定させる事が出来ます。

なお、祖父母の死亡の記載のある戸籍(除籍、原戸籍)謄本も必要になります。

さらに
・【亡E、亡Fさん(本来の相続人)の出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、原戸籍)謄本】
これは、本来の相続人の代襲相続人を確定させる為に必要になります。

その他
・【各相続人(代襲相続人含む)の戸籍謄本】
が必要になります。

このように、通常の相続手続きと比べ、出生から死亡時までの全ての戸籍(除籍、原戸籍)謄本が必要な人物が多くなり、当然本籍地もそれぞれバラバラですので、全て集めるのに非常に手間と時間がかかります。

また、戸籍の読み方に慣れていないと、途中で戸籍が抜けている事に気が付かない事もありますので、ご注意下さい。

② 甥姪が相続手続きについて非協力的になる可能性もある

甥姪の立場から考えますと、同じ相続人である伯父・叔母は、今まで一度も会った事が無い人、もしくは非常に疎遠になっている人と言う認識かもしれません。

一度も会った事が無い人、ほとんど会った事が無い人達が被相続人の相続財産について話し合うというのは、大変な苦痛を伴います。

まずは甥姪に対し、被相続人が亡くなった事と、代襲相続が発生しているので相続人となる事、相続財産の状況をきちんと説明し、遺産分割協議に協力してもらう必要があります。

しかしそれは、甥姪から見れば全く知らない人から連絡が来た事になり、場合によっては何らかの詐欺事件と勘違いをされる危険性があります。

また、被相続人との関係性が薄ければ薄いほど、甥姪は相続人としての当事者意識がない傾向にあります。

その為、甥姪から「そっちの相続の事なんて、俺(私)に関係ないでしょ?なんで連絡してくるの?関わらないでほしいんだけど。」と非協力的な態度を取られ、相続手続きが全く進まなくなる事だってあります。

このような状態になってしまったら、最終的には遺産分割調停等の裁判所を利用する手続きを選択せざるを得ない状況になります。

③ 甥姪が相続手続きについてドライになる可能性がある

また、甥姪が相続手続きに協力的であっても、問題がある事もあります。

それは、「法律上の権利をきちんと主張してくる可能性がある」と言う点です。

甥姪も相続人ですので、法律上の相続分は存在します。

それをきちんと主張する事は何も悪い事ではありませんし、むしろ当然の権利です。

しかし、相続の場面では法律論だけを持ち出すと非常に困るケースが出てきます。

例えば遺産のほとんどが不動産等の分けにくい物であった場合を考えてみましょう。

相続人が兄弟姉妹の場合、今までの経緯や各家庭の事情を考え、不動産を相続人の一人が相続して、残りの相続人は相続分を放棄する等の話し合いが行われる事があります。

しかし、甥姪は今までのいきさつや兄弟姉妹間の関係性等は良く分かっていません。

その為、自分に認められている法律上の権利はキッチリと主張してくる可能性があります。

何かを貰える権利があるのであれば、当然それを主張するはずです。

各相続人が、甥姪の相続分に相当する金銭を用意出来るのであれば話し合いがまとまると思うのですが、そうでなければ話し合いが長期間に渡って難航するでしょう。

 

3.甥姪が相続人となる場合に、相続手続きを円滑に進める方法

① 相続開始発生前の場合

相続開始発生前、つまり財産を残そうとする方が事前に行う相続対策の事です。

ご自分の相続人の中に甥姪が含まれている場合、上記のように相続手続きに関してトラブルになる事が十分に考えられます。

このトラブルを未然に防止する為には、相続人間で話し合いの必要がない遺言書を作成する事が重要となります。

なお、相続人が兄弟姉妹の場合、最低相続分である遺留分はありません。

兄弟姉妹を代襲相続した甥姪にも遺留分はありませんので、その意味でも遺言書を作成する事は、今後のトラブルを防止する為に非常に有効でしょう。

と、私もそうですが、私以外の相続の専門家は口を酸っぱくして「相続トラブルを未然に防ぐた為に、遺言を作成しましょう」と言っているのですが、残念ながら行動する人はほとんどいません。

明らかに相続が発生した場合、相続人がもめたり、困る事が客観的に明らかであるにも関わらず、自分の事ではないような感覚で、言い訳をされています。

「何だか良く分からないから」
「何とかなると思ったから」
「時間がないから」
「専門家に頼むとお金がかかるから」

と言うお話しを私は沢山お伺いしてきましたが、困るのはご自身ではなく、相続人です。

遺言を残さなかったために、相続人間での話し合いがまとまらず、弁護士を入れて手間も費用もかかった、と言うのは良くある話です。 

また、弁護士を入れればまだ良いほうです。

ご家庭によっては、弁護士を入れずに(入れる事が出来ずに)、でも話し合いがまとまらないので結局相続手続きを放置している例もあります。

その間、自宅も預金も相続手続きが出来ないのです。

遺言を作るための時間なんて数時間~数十時間です。

また、遺言を専門家の協力を得て作成したとしても、その費用は数十万円です。数十時間、数十万円で誰にも解決できない相続トラブルを防止する事ができるのであれば、遺言を書かない理由は無いはずです。

② 相続開始発生後の場合

相続開始発生後で被相続人が遺言書を残していない場合は、相続人全員での話し合いが必要ですので、甥姪に相続手続きに協力してもらうように説明を行う必要があります。

なお、甥姪に面識が無いのであれば、冷静にしっかりと状況を説明する為にも、最初は口頭での説明よりも郵便等の文章で説明した方が良いでしょう。

ポイントは「甥姪の立場になって説明する」と言う点です。

言葉で言うと簡単ですが、現実問題として、人は他人の立場で物事を考えるのが苦手な生き物です。

この点は十分すぎる程意識しましょう。

さらに、戸籍謄本や財産目録等の客観的な資料も同封する事で、より話に説得力が増しますので、上手く活用するようにしましょう。

 

4.まとめ

このように、甥姪が代襲相続している相続手続は、戸籍一つ集めるのにも非常に手間と時間がかかりますし、遺産分割協議をまとめるのも一苦労になると思います。

甥姪が相続人の場合、通常の相続手続きとは勝手も負担も違ってきますので、甥姪の代襲相続についてお困り、お悩みの場合は当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。

当事務では相続手続きをご依頼頂いた場合、全ての戸籍の取得を行う事が出来ます。

また、甥姪を含む全ての相続人の方が相続のお話をしっかりと行えるよう、遺産分割協議のサポートも行います。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

 

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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