安易な相続税対策は危険!二次相続を考慮した遺言・遺産分割協議にすべきか?

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、二次相続と相続税対策についてご相談、ご依頼されたい方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:数ヶ月前、私の夫が亡くなり、子ども達と夫の遺産の事について話し合いをしました。

遺産と言えるものは自宅ぐらいなものなのですが、子ども達は既に独立しており、それぞれマイホームがあります。

その為、この自宅は今後も私が住み続けたいので、私の名義にしたい事を子ども達に告げました。

すると子ども達は、相続税が安くなるので、二次相続を考えて子ども名義にした方が良いと言ってきました。

結局は親の財産は子どもの物になるのだから、その方が良いらしいのですが、私は今後も住む自宅が自分の名義にならないのには、納得もいかないですし、不安でもあります。

直接子ども名義にして、何か問題は無いのでしょうか?

A:このケースは相続税対策を前提とした遺産分割協議なのですが、トータルの相続税が安くなる可能性がある反面、実は非常に重大な問題を含んでいるのです。

 

1.二次相続とは?

事例のように、夫が亡くなり、相続人である妻と子どもが相続する事を一次相続、その後に妻が亡くなり、子どもが相続する事を二次相続と言います。

つまり、二回目の相続の事なのですが、この二次相続まで視野に入れた相続税対策を行わないと意味がないと一般的には言われています。

 

2.なぜ、二次相続まで考える必要があるのか?

相続税には様々な軽減措置があるのですが、それが二次相続(子どもが相続する場合)には適用が無い場合があります。

つまり、結果としてトータルで支払う相続税に差が出てくる為、相続税対策は二次相続まで考える必要があると言われているのです。

この軽減措置と言うのは例えば、

・配偶者の減税軽減
・小規模宅地の特例、他

と言う制度があるのですが、これが二次相続である子どものみの相続では適用されない場合があり、またそもそも相続人が一人減る事によって、相続税の基礎控除額が下がる事もある為、二次相続まで視野に入れる必要があるのです。

ここで、具体例をあげてみたいと思います。夫婦と子ども二人の四人家族を例にしてみましょう。

夫は1億円、妻は5,000万円の財産を持っているとします。

夫が亡くなり相続が発生した時に、夫の遺産の全てを妻に相続させれば、その時の相続税は0円です。

その後、妻が1億5,000万円の財産を持ったまま亡くなった場合、子どもが納税する相続税の合計は1,840万円です。

では、夫の相続の際に、全財産を子どもに相続させると、その時(一次相続)の相続税は合計630万円です。

その後、5,000万円を持った妻が亡くなった場合の相続(二次相続)の相続税の合計額は80万円です。つまり、一次相続、二次相続の合計は710万円となり、その差額は1,130万円となります。

実際には、妻が夫の財産をどれくらい消費するかによって結果は変わってきますが、トータルで約1,000万の差が出てきます。

その為、「相続税対策として、直接子どもに相続させましょう」と言う内容の話しが色々な専門家から出ているのですが、実は事例の場合ですと、大問題が発生するのです。

 

3.二次相続を配慮する問題点

事例の場合、その後どうなったのかと言いますと、子ども達は相談者が住んでいた自宅を売却してしまい、その結果、相談者は住む場所を失い、今では1Kの賃貸アパート暮らしになりました。

夫の相続が発生した直後、親子間の仲は特に悪くありませんでした。

むしろ普通の親子より良かったのかも知れません。

しかし、その後何年か経過した時、ちょっとしたすれ違いから、親子間に大きな感情的溝が生まれ、絶縁状態になりました。

そんな時に、親に怨みがある子どもが、自宅が自分の名義になっている事を利用しその売却を行ったのです。

昔は仲が良かったけど、今は顔も見たくない程に親子の仲が悪くなった、そのような事例は沢山あります。

自宅に住んでいた相談者は非常に無念だったと思います。

しかし、自宅の売却を止める事は出来ませんでした。

なぜなら、自宅の所有者はあくまで子どもであり、相談者では無いからです。

 

4.まとめ -安易な相続税対策は危険-

最近は税理士以外にも、自称「相続コンサルタント」が、二次相続を考えた相続税対策の提案をしてくる場合があります。

遺産に現金、預貯金があればまだ良いのですが、主な遺産が自宅のみの場合、安易な相続税対策を行うと、家族間で大問題が発生する事があります。

特に目に付くのが、社会人経験が無い、受験勉強しかしてこなかった専門家が、このように知識のみを振りかざし人の気持ちを理解しない提案をしている場合が多いです。

相続税対策は重要ですが、その結果今後の人生がメチャクチャになってしまっては、全く意味が無いと言う事をご理解下さい。

当事務所では信頼のおける税理士と連携を取り、相続対策や相続税対策の通常のご相談、セカンドオピニオン的なご相談も承っております。

相続対策や相続税対策でお悩み、お困りの場合はお気軽にお問い合わせ下さい。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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