共有不動産の持分を買い取る方法

不動産登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回は、共有で所有している不動産の、持分を買い取る方法のお話しです。

最近、不動産の個人間売買のご依頼が増えています。

特に、親子間、夫婦間でマイホームを共同で購入し、既に居住している共有名義の不動産について、様々な理由から、一方共有者の持分を購入したい、とのご依頼が増えております。

下記、「個人間で不動産売買をしたい場合」では、一般的な事を記述したのですが、今回は、より詳細な内容について、Q&A形式で解説したいと思います。

個人間で不動産売買をしたい場合
こんにちは。司法書士の甲斐です。不動産の売買は、様々な専門知識や経験が必要なため、通常、不動産会社を通して取引が行われる事が一般的です。買主様を見つけ、契約書の作成、その他様々なトラブルに対応する事は、専門知識と経験が無い個人の方で...

Q1:売買金額はいくらにすれば良いのでしょうか?

A1:法律の原則として、その契約の内容は当事者で自由に決める事ができます。

売買金額も同様で、当事者が合意しているのであれば、基本的にどんな金額でも大丈夫です。

(ただし、あまりにも低額であれば、贈与とみなされ、贈与税の対象となる可能性があります。)

とは言っても、ある程度の相場を知る事が当事者が納得する上でも重要です。

その市場価格を知る方法ですが、以下の方法があります。

① 住宅情報誌やインターネットで調べる。

ご自分でお調べする方法として、一番簡単な方法がこれです。

住宅情報誌やインターネットで、近隣不動産の中で良く似た条件の不動産(駅からの距離、築年数、リフォームの有無等)の売買価格を調べる事で、ある程度の市場価格を知る事ができます。

それを基準として、当事者同士で不動産の価格を設定し、その持分をかけて売買価格とする、と言った流れが話し合いがスムーズに行くコツです。

なお、中古物件の場合、不動産会社でもこれに良く似た「事例比較法」を用いて売却予想価格の算出をしています。

「事例比較法」とは、近隣で似たような物件が取引された事例を参考として、その他諸事情を勘案して売却予想価格を算出する方法です。

② 複数の不動産会社に査定を依頼する。

複数の不動産会社に査定書を出してもらえれば、多少の金額の開きがあったにしても適正な価格を把握する一つの基準となります。

Q2:売買契約書は作成しなくてはダメですか?

A2:またまた法律の原則論となりますが、契約は書面で交わす必要はなく、口頭でも成立します。

その為、「親子や夫婦間だから、わざわざ契約書なんて作成しなくても良いよね」と考えがちです。

しかし持分とは言え、不動産は高価なものですし、色々と取り決めしなくてはいけない事もありますので、親子、夫婦間の売買と言えども、契約書を作成するのが通常です。

そして、取り決めを行い、売買契約の内容とすべき事は色々とあるのですが、代表的なものが以下の通りです。

① 売買価格

これは当然に契約書に入れる条項です。

ちなみに、個人間の売買の場合、消費税は発生しません。

② 売主の瑕疵担保責任の免除条項

『瑕疵』とは通常有するべき品質・性能を備えていないことです。

瑕疵担保責任とは購入した不動産が通常有するべき品質・性能を備えておらず、かつそれがすぐには分からない状態だった時に、買主が損害を被った場合に発生する、売主の責任です。

しかし、既に買主がその自宅、マンションに長年居住しており、持分のみの売買であれば、売主に瑕疵担保責任を負わせるのが不公平になる事だって考えられます。

その場合は、お互いの合意の上、瑕疵担保責任の一部免除や全部免除の規定を契約書に入れる事も考えるべきでしょう。

③ 売買契約の日、不動産引渡しの日

持分を購入したくても、まとまったお金を用意出来るのが後日の場合は、売買契約の日と実際に不動産を引渡す日(売買代金を支払う日)を別にする事ができます。

その為、売買契約と同時に売買代金を支払うのか、それとも売買代金の支払いは契約の後日なのか?を契約書の中で明確にする必要があります。

なお、売買代金の支払いを契約の後日とする場合、「実際に売買代金を支払った時に所有権が移転する」等の条項を契約書に記載しておく必要があります。

④ 固定資産税の精算

固定資産税の納税義務者は、その年の1月1日の固定資産(土地、建物等)の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている人です。

つまり、1年の途中で所有者が変わるのであれば、固定資産税の精算も必要になります。

つまり、不動産の引渡しの前日までと引き渡した後は所有者が変わりますので、固定資産税を日割り計算をして精算する必要があります。

以上が代表的な項目となりますが、上記以外にも個別具体的な事情から、契約の内容とすべき事項を検討する必要があります。

Q3:購入資金のため、金融機関から融資を受ける事はできますか?

A3:できる場合もありますし、できない場合もあります。

個別的な事情が融資の判断に関わってくると思いますので、この点に関しては事前に金融機関に相談された方が無難です。

まとめ

親子、夫婦と言った親族と言えど、不動産は高額な商品ですので、色々な決め事をしっかりとお互い話し合い、合意する事が重要です。

当事務所では、親族間の不動産持分売買に関して、皆様のサポートを行っています。

また、事案によっては不動産会社にお願いした方が良い場合は、信頼のおける不動産会社をご紹介しております。

不動産持分の売却・購入についてお困り、お悩みの際はお気軽に当事務所へご相談下さい。

【本サイトでは、相続手続きや家族信託について網羅的に解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

 

⇒トップページに戻る

この記事を書いた専門家

横浜市泉区の司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

無料相談実施中
当事務所では相続・家族信託に関する相談会を行っております。初回のご相談は無料です。難しい法律の世界を分かりやすく、丁寧にお話しします。お気軽にお問い合わせ下さい。
不動産登記
横浜相続困りごと相談室(司法書士甲斐智也事務所)
タイトルとURLをコピーしました