「相続対策してないなんて馬鹿じゃない?」と言われない為に

相続対策・認知症対策

こんにちは。司法書士の甲斐です。

日々、相続の様々な問題を目の当たりにしていますと、少しでも相続対策していればこんなグチャグチャな状況にはならないのに・・・、と思う事が少なくありません。

中には友達から

「あんたの家、相続対策してないなんて馬鹿じゃない?」

と冷たく言い放たれた方もいらっしゃったり・・・。

相続対策は

「資産家のような金持ちがやる事」
「仲の良い家族は必要がない」

と言う認識が強く、相続対策の事がまだまだ浸透していないのが理由なのでしょう。

当ブログでも定期的に相続対策の重要性はお話ししておりますが、今回は少し視点を変えたお話しをしたいと思います。

相続対策を行わない理由一つ「ウチは仲が良いから」に関する事です。

1.「ウチは仲が良いから」の大きな誤り

相続対策を真面目に考えない方の言い訳として一番多いのが、

「ウチの家族は仲が良い。だから相続でもめるハズがない」

と言う主張(?)です。

確かに、相続でもめる原因の一つは相続人間の不仲ですので、仲が良ければ相続でもめる事はないように思えます。

でも、ここでしっかりと考えてほしいのです。

そもそも「仲が良い」ってどう言う事なのでしょうか?

常に笑って会話が出来る事でしょうか?

友達感覚で接している状態でしょうか?

それとも、阿吽の呼吸で何も語らずとも全てを理解しあえる関係性でしょうか?

私は、少し違う答えを用意しています。

私は、仲が良いとは、

言いにくい事をキチンと言い合う事が出来る関係性にある状態

だと思っています。

表面上は仲良くしていても、言うべき事を言いあう事が出来なければ、本当に仲が良いとはいえないでしょう。

あなたが親だったら、子供から相続の事で相談をされましたか?

あなたが子供だったら、親に「相続の事をキチンと考えようよ」と言えますか?

相続の事は直接「死」を意識する事であり、ハッキリ言えば言いにくい事です。

つまり、上記二つの答えが「No」だった場合、本当の意味で仲が良いとは言えないでしょう。

2.相続はもめる。もめなくても話が進まないこれだけの具体的な理由

① 財産が少なくても揉める

当ブログでも何度もご紹介しておりますが、裁判所が発表している資料(司法統計)によりますと、遺産分割調停や審判で年間1万件以上の申立てがあります。

そしてその約75%は、遺産総額が5,000万円以下です。

さらに、1,000万円以下の遺産額でも約30%の割合となっています。

遺産総額5,000万円と言えば、自宅と少しの預貯金があればすぐに達してしまう金額です。

相続争いは資産家の問題ではない事は、このデータから見ても明らかです。

② 相続人の性格でも揉める

もう一つの視点、相続人の性格から考えていきましょう。

そもそも人間は様々な矛盾を抱えている生き物です。

今日「いいよ」と言った事が、明日になったら「やっぱダメ」と考えを180度変えるなんてしょっちゅうです。

物事の考え方なんてブレまくって当然なんです。

特に、感情面が先行して、論理的思考を不得意とする人はこの傾向が強いでしょう。

そのような相続人がいざ相続の問題に直面した時、どうのような行動を取るか分かりますか?

「きっとこうに違いない」

「私の考えが絶対に正しい!」

と、周りの注意を振り切って、客観的な証拠が無いにも関わらず単なる思い込みで、ひたすら突っ走る状況が起こってしまうのです。

これは遺産の分け方で揉めるのは勿論、それ以外の部分、例えば遺産分割協議の進行そのものに支障をきたしてしまう原因の一つになってしまうのです。

ご家族の中で、深く考えずに猪突猛進で突っ走る方はいませんか?

と言うよりも、あなたはそもそもご家族の性格をキチンと把握されていますか?

3.まとめ ー立つ鳥跡を濁さずの精神で-

私は様々な相続の現場を見ています。

そこで確実に言える事は、

「相続と言うまだ分からない将来の事を真剣に考えた家庭ほど、相続手続きがスムーズに進むし、相続人にほとんどストレスがない。」

と言う事です。

将来起こる事を真面目に考えるのは正直難しいと思うのですが、真面目に考えておかなければ、場合によっては相続のストレスで残された家族が心を壊し、二度と元の生活が出来なくなる恐れがでてくるのです。

残されたご家族に、そんな大変な思いをさせたいですか?

それよりも、「立つ鳥跡を濁さず」の精神で相続の事を真面目に考える方が、一人前の大人としての常識であり、カッコ良くありませんか?

人生一度しかないのですから、最高にカッコ良く生きましょう。

相続は、それを考えるきっかけの一つなのですから。

けっして「相続対策してないなんて馬鹿じゃない?」と他の人から言われる事がないようにしましょう。

文責:この記事を書いた専門家
司法書士 甲斐智也

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格もあり「もめない相続」を目指す。
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
(詳細なプロフィールは名前をクリック)

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