遺産分割協議書は自分で作れるのか?の注意点

こんにちは。横浜・泉区の相続専門司法書士の甲斐です。今回の記事は、遺産分割協議書をご自分で作成されたい方向けの記事です。(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

相続人間で遺産について誰が何を相続するかの話し合い(遺産分割協議)を行った後、各遺産について相続手続きである遺産の名義変更を行う必要があります。

その際に必要なのが「遺産分割協議書」です。ただし、この遺産分割協議書は相続において法律上義務付けられているわけではなく、何をどのように記載すれば良いか?と言った記載方法も、法律上決まっているわけではありません。
 
基本的には相続財産の特定と、相続人の特定が出来るようであれば問題はありませんので、インターネット等で遺産分割協議書のサンプルとなるものは沢山公開されており、「遺産分割協議 自分で」と言ったキーワードで検索して、ご自分で遺産分割協議書を作成されようとしている方も沢山いらっしゃいます。

結論から申し上げますと、遺産分割協議書そのものはサンプルの内容、本質を理解さえすれば、ご自分で作成されても全く問題ないと思います。

ただし、そこには絶対に見落としてはいけない注意点があるのです。

 

1.遺産分割協議「書」それ自体は大して重要ではない

重要ではない、と申し上げますと関係各所からお叱りを受けるかも知れませんが、遺産分割協議書それ自体は単なる紙切れにすぎません。

重要なのは、「遺産分割協議」そのモノの内容です。遺産分割協議「書」を自分で作る事が出来るか否か、と言った話よりも、まずは「遺産分割協議の内容そのモノに問題が無いのか?」と言う点を考えなくてはいけないのです。

例えば、
・特定の誰かに非常に有利になっている遺産分割協議の内容になっている場合、後から本当にもめないか?
・「相続人の〇〇は遺産分割協議の時は認知症だったので、この協議は無効だ」と後から争われないか?
・代償分割を行う場合、きちんと代償金の支払い方法がルール化されているか?等

遺産分割協議の内容に問題があるのに、書面作成の事を気にしても本末転倒です。まずは遺産分割協議の内容を問題がないようにしっかりと相続人間で詰めて行きましょう。

 

2.遺産分割協議書の作成は記載ミスに注意

遺産分割協議に問題がないようであれば遺産分割協議書を作成するだけなのですが、これにも様々な注意点があります。

一点だけ挙げてみますと、相続財産の特定や住所・氏名の記載ミスがあった場合、きちんと訂正が必要である、と言う点です。

非常に多いのが住所やマンション名の間違い(省略)です。例えば、

・(正)横浜市泉区中田北2500番地 を
→(誤)横浜市泉区中田北2500番地1
と記載すると、相続人の特定が出来ず、相続手続きが出来ない可能性があります。

上記の間違った住所で郵便物が届いているので、ご自分の住所がこれで正しいと思っている方がいらっしゃるのですが、実際には間違っていると言う事も多いのです。また、

・(正)アーバンテラス横浜中央和泉203号室 を
→(誤)アーバンテラス横浜和泉203号室 
とした場合も、相続人の特定が出来ないとされる可能性があります。

この為、住所は印鑑証明書の記載をそのまま書き写すのが一番無難です。

なお、間違えた場合は訂正印で訂正すれば良いのですが、後日訂正印を押印するのが大変な事もあるでしょう。また事前に捨印を押印する事についても、重要な書類に押印する事に抵抗感がある相続人もいると思います。

その為、記載ミスが無いよう最新の注意を払って作成する必要があります。

 

3.まとめ

重要なのは遺産分割協議の内容です。そして、記載ミスが無いように集中して遺産分割協議書を作成する事です。

なお、相続人の方のご事情によっては、インターネット等で公表されているサンプルが利用出来ない事もあります。例えご自分で遺産分割協議書を作成された場合でも、一度は専門家に問題がないかチェックを受ける事をお勧めします。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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