遺産分割協議を自分でやった方が良い理由

遺産分割協議・調停

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回の記事は、遺産分割協議についてご自分でやられるか、もしくは弁護士を代理人にたてるべきか悩まれている方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:父の相続についてご相談です。

父が数か月前に亡くなり、相続人は母と長男、次男、そして長女の私の4人です。父の遺産は自宅や複数の金融機関に預貯金があります。

相続人で遺産分割協議を行う必要があると思うのですが、出来る事であれば私は家族と面と向かって話をしたくありません。

理由は、幼い頃から母や兄達が性格的に苦手で、特に私が悪い事をしているわけではないのですが、しょっちゅう怒られたり、小言を言われたりするからです。

成人して独り暮らしを始めてやっと自由になったと思ったのですが、父の事もあり、かつ相続放棄もしたくないので、家族と話をせざるを得ません。

また、相続手続きそのものも良く分からないので、家族との交渉も含め、弁護士さんにお願いしようと思っているのですが、何か注意すべき点はありますか?

A:出来る事であれば、今後の家族関係の事も考え、最初はご自身で家族の方と遺産分割協議を行い、それでもダメであれば、弁護士に依頼する事をお勧めします。

1.遺産分割協議を弁護士に依頼するメリット

弁護士を代理人にして遺産分割協議を行う事のメリットは沢山あります。

中でも、他の相続人と直接話さなくても良い、と言う事にメリットを感じる方は多いのではないでしょうか?

家族観の仲が非常に悪く会えば常にケンカになったり、仲はそこまで悪くないが、人間的に苦手であったり・・・。
その様な方にとってみれば、弁護士を代理人にする事は非常に良いと思います。

しかし、その時は良くても将来的な家族との関係性を考えた場合、まずはご自分で対応した方が良い事だってあるのです。

2.遺産分割協議をご自分で対応した方が良い理由

① 自分自身の問題として、真剣に取り組める

弁護士に全てを丸投げすると、自分自身の問題を他人事と捉えてしまう可能性があります。

しかし、ご自分が遺産分割協議を行った場合、当然主体的に関わりますので自分自身の問題として真剣に取り組む事が出来ます。

② 他の相続人に真意を正確に伝える事が出来る

代理人を介して遺産分割協議を行うと、どうしても自分の真意が他の相続人に伝わらない事があり、ご自分が望んでいない結果となる事もあります。

きちんと他の相続人にご自分の想い、真意を伝えたいのであれば、やはり他の相続人にはご自分の言葉で直接語るべきです。

③ 結果として平和的な解決につながる

弁護士は依頼人の利益を追求する存在であり、良くも悪くも紛争の象徴です。

その為、弁護士を代理人にする=他の家族からしてみれば「ケンカを売られた」と思われる可能性も高いのです。

その為、遺産分割協議はまとまったとしても、その後の家族関係が滅茶苦茶になる事もあります。

ご自分で遺産分割協議を行うのであれば、少なくとも「ケンカを売られた」と言う印象を受ける事はないでしょう。

3.まとめ

「性格的に合わない、苦手」「あまり仲が良くない」と理由で、出来れば直接話をしたくないので、弁護士を代理人にたてたい、と言う事は相続の場では良くあります。

しかし、初めから弁護士に頼んでしまうと他の相続人があまり良い気持ちにはなりませんし、ベストな結果にならない可能性があります。

出来れば話をしたくない相手であっても、最初の段階はご自身で交渉する事をお勧めします。

ご自身の言葉で伝える事で、家族の仲に変化が起きて、短期間で簡単に話がまとまる事もあります。

「それでもやはり不安」と思われた場合は、当事務所にお気軽にご相談下さい。相続人の方全員がスッキリとした気持ちで遺産分割協議が行えるよう、サポート致します。

文責:この記事を書いた専門家
司法書士 甲斐智也

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格もあり「もめない相続」を目指す。
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
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