絶対に必須!子供のいない夫婦の遺言書の書き方とは?

遺言

こんにちは。司法書士/2級FP技能士の甲斐です。

遺言を作成した方が良いケースで、「子供がいない夫婦」というパターンがあります。

夫婦それぞれの両親も亡くなっており、相続人がそれぞれの兄弟姉妹になるケースです。

「夫(妻)の兄弟姉妹と遺産分割協議なんて出来ない。何をどう話し合えば良いか分からない。」

このように考える方が多く、また兄弟姉妹の相続人には遺留分(最低相続分)がありません。

その為、子供がいない夫婦で積極的に遺言を作成する方は多く、その文例も豊富にあるのですが、それでも「本当にこの内容で大丈夫なの?」と司法書士等に相談される方もいらっしゃいます。

そこで今回は、「子供がいない夫婦」に焦点をあて、どのような遺言を作成すると良いのかをお話ししたいと思います。

1.遺言例

ご自身の遺産を配偶者に全て相続させたい場合の遺言書例を考えてみましょう。

事例の場合における一番簡単な遺言例は、ずばり下記のとおりです。

                  遺言書
遺言者は、遺言者が有する全ての財産を、遺言者の妻〇〇(昭和○年〇月〇日生)に相続させる。

令和〇年○月〇日
横浜市〇〇区〇〇一丁目2番3号
遺言者 〇〇 〇〇 ㊞

はい、遺言書の記載例が紹介されている書籍等でごく普通に紹介されている遺言例です。
なお、最近このシンプルな文例が「問題がある遺言」として某マスコミに紹介されましたが、そんな事はありません。
事例のように子供がいない夫婦の場合、このようなシンプルな文例でも大丈夫です。
むしろ間違った遺言(無効な遺言)を作成されるよりも100倍マシです。

なので、この文章例を基本とするようにしましょう。

2.より良い遺言例

とは言え、スムーズな相続手続きを目的とした場合、追加した方が良い項目があります。

例えば、遺産の種類ですね。

「下記の遺産を含む、遺言者の全ての遺産を~」と言う文言に変更し、不動産や預貯金の口座番号を記載する方法です。

こうすると残された配偶者が遺産の調査を行う時に、非常に楽になります。

また、状況に応じて遺言執行者を指定しておくのも一つの案です。

3.相続人(兄弟姉妹)から争われないか?

相続人が兄弟姉妹の場合は遺留分がありませんので、遺言で配偶者に全て相続させれば基本的に問題になる事はないでしょう。

しかし、場合によっては

「遺言者は遺言を作成した当時、認知症で遺言能力が無かった!」

このような理由(その他、想定外の理由)で、遺言の無効を争ってくるかもしれません。

このようなケースが考えられる場合、医師の診断書や遺言の作成状況をビデオで録画する等、問題なく遺言が成立した事の証拠を残す事が考えられます。

4.遺言の保管方法

さて、次の課題は遺言の保管方法です。

公正証書遺言であれば公証役場に原本が保管されるので問題はないのですが、自筆証書遺言であれば、ご自身でしっかりと管理する必要があります。

自室の机の中とか、耐火金庫の中とか、管理しやすい場所で保管するようにしましょう。

なお、銀行や信託銀行の貸金庫での保管は避けましょう。

相続が発生した場合、銀行や信託銀行は貸金庫を開ける為に、相続人全員の立会いを求める事があるからです。

これでは、他の相続人の関与を必要としない遺言を作成した意味が無くなります。

その為、自筆証書遺言の保管場所として、銀行、信用金庫の貸金庫は避けましょう。

なお、今後は法務局で自筆証書遺言を保管する事が出来るようになります。

こちらも併せて検討しても良いでしょう。

5.まとめ

子供がいない夫婦の遺言は簡単そうに見えて、それでも見落としてはいけないポイントはあります。

遺言を作成しても揉めない、トラブルにならない可能性はゼロにはなりませんが、それでも限りなくゼロに近づける事はできます。

残される配偶者の為にも、用意周到な遺言を作成するようにしましょう。

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この記事を書いた専門家(詳細は名前をクリック)

「難しい事を全力で分かりやすく・親しみやすく」がモットー。元役者の司法書士/2級FP技能士。法律・老後資金・感情等、多角的な視点で考える「もめない相続」の専門家。事務所は町田駅徒歩8分。
福岡県出身/某球団のマスコットの中に入っていた事も/元人材派遣会社の業務アウトソーシングコンサルタント/温泉が大好き

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