相続で寄与分が認められる具体的なケース(扶養型)

相続・家族信託の専門家

こんにちは。司法書士の甲斐です。

相続において問題が発生するケースとして、寄与分があります。

今回は、寄与分が認められるケースは、数種類の類型がありますが、今回は「扶養型」にスポットを当てます。

扶養型は、相続人が被相続人の扶養を行い、被相続人が自分の生活費等を支出する事を回避できた為、結果として被相続人の財産が維持された場合に認められます。

毎月相続人が被相続人に対して仕送りを行っていたとか、相続人が被相続人と同居して衣食住の面倒をみていたと言ったケースです。

「療養看護型」とは異なり、被相続人が何かの病気である事は必要ありません。

1.扶養型の寄与分が認められる為の条件

(1)被相続人との身分関係に基づいて、通常期待される程度を超える特別の寄与である事。

具体的には、下記①~④までの要件が必要となります。

① 扶養の必要性
→単に引き取って生活の面倒をみただけでは寄与分は認められません。


② 特別の貢献
→相続人と被相続人との身分関係に基づいて、通常期待される範囲を
超える貢献である事が必要です。

③ 無償性
→扶養が無報酬又はそれに近い状態でなされた事が必要です。

④ 継続性
→期間に関しましては、明確な定めはありませんが、ごく短期間の生活費を援助しただけでは、寄与分の対象とはなりません。

(2)寄与行為の結果として、被相続人の財産を維持又は増加させている事

精神的なケアだけではなく、寄与者が被相続人の扶養を行った結果、生活費等の出費を免れたと言う事実が必要です。

2.判例により寄与分が認められた具体的なケース

(1)山口家萩支審平成6.3.28

・相続人である子が、被相続人である父を約16年間扶養。
・具体的には、相続人は被相続人対して、生活費として
毎月3万5,000円~9万円を渡していた。
・相続人は、被相続人の求めに応じて建物老朽化による補修工事代金の70万円を負担。
・その後、相続人は被相続人の求めに応じて、居宅を1,300万円で新築、無償で被相続人を居住させた。そして被相続人が居宅で使用した水道、電気、ガス等の光熱費、公租公課を負担したケースで、遺産の評価額の20%にあたる約420万円の寄与分が認められた事例。

(2)長野家審平成4.11.6

・相続人夫婦がその収入のほとんどを被相続人との生活費に費やし、その援助が20年以上にわたったケースで、遺産の評価額の5%弱にあたる約800万円の寄与分が認められた事例。

3.まとめ

扶養型の寄与分が認められる為には、療養看護と同様に様々な要件があるのですが、まずは「扶養の必要性」がある事が大前提です。

この扶養の必要性が客観的な証拠で説明ができないと、相続人間での話し合いも進まないですし、家庭裁判所からも寄与分を認めてもらう事ができませんので、寄与分を認めてもらう為には様々な準備が必要となります。

文責:この記事を書いた専門家
司法書士 甲斐智也

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格も持つ「もめない相続の専門家」
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
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