形見分けと遺品整理と遺産整理と相続放棄の関係性について

相続一般

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

相続の最終目標は被相続人が残した遺産を各相続人間でどのように分けるのかを話し合い(遺産分割協議)、その話し合いをもとに、各遺産の相続手続きを行う事です。

(相続税の納税を行う必要があれば、相続税の申告・納税も必要になってくるでしょう。)

このように、相続と遺産(相続財産)は切ってもきれない関係性にあるのですが、被相続人が残された遺産は、不動産や預金だけではなく、洋服やバック等、被相続人が所有していた身の回りの物一切を含みます。

では、これらの身の回りの細かい物についても厳格に遺産分割協議を行っているかと言いますと、そのように行っているご家庭は非常に少ないでしょう。

いわゆる「形見分け」を行い、相続人や被相続人と仲が良かった方で分け合うのが一般的だと思います。

ところがこの形見分けで一つ問題が出てきます。それは、形見分けを行った場合、「相続放棄」が出来ないのではないか?と言う問題です。

確かに、遺産を相続したり、処分を行った場合は相続放棄を行う事が出来ません。

その為、形見分けは慎重に行う必要があるのではないか?と言う疑問点が出てきます。

そこでは今回は、この形見分けと相続放棄の関係性を、遺品整理と遺産整理の事も混ぜつつお話をしていきたいと思います。

 

1.形見分けとは?

「形見分け」とは、昔から行われている日本の風習で、亡くなった方が大切にしていた物を、家族や亡くなった方と親しかった方で分けることです。

形見分けを行う遺品を通して、亡くなった方の思い出を家族等で共有するために行われます。

なお、形見分けは必ず行う必要はなく、また行うべき時期も特に決められていません。

基本的に親族の集まる四十九日に済ませてしまうことが多いと言われていますが、宗教によって異なりますので事前に確認した方が良いでしょう。

形見分けの品は、着物等の衣類、貴金属、アクセサリー、時計などがあります。

ただし、後述しますが、金銭的に価値がある物の形見分けは注意が必要になってきます。

 

2.遺品整理とは?

遺品整理とは、文字通り「遺品」を「整理」する事ですが、昨今では、遺品を処分する事の意味合いが強いでしょう。

亡くなった方が住んでいた家の売却を行う場合、その家には亡くなった方の様々な物があります。

上記の形見分けの対象になる物や、使っていた机や椅子、文房具類や手帳等、亡くなった方が使っていた物が沢山あります。

その沢山の物を必要な物と必要では無い物に分けて、必要がない物を処分する事が遺品整理です。

最近では沢山の遺品整理業者があり、亡くなった方の遺品が多いとこの遺品整理業者に頼んだ方が良い場合がありますが、注意も必要です。

遺品整理業者の中には非常に悪質な業者もあり、遺品の不法投棄や金銭的な価値がある宝石類等を盗み出す事もあるそうです。

その為、遺品整理業者が作業を行う現場には、必ず立ち会うようにしましょう。

また、その費用に関しても不明確な業者がありますので、必ず事前に見積もりを提示してもらうようにしましょう。

 

3.遺産整理とは?

なお、「遺品整理」に良く似た言葉で、「遺整理」と言う言葉がありますので、こちらも解説します。

遺産整理は銀行や信託銀行が主に使う言葉で、各遺産の相続手続き、つまり「各遺産の法律的な処理を行う事」を指します。
 
「遺整理」は文字通り遺品の整理をして、不必要な物を処分する事、「遺整理」は遺産に関する相続手続きの事です。

非常に似た言葉ですが、その意味は大きく異なりますのでご注意下さい。

 

4.形見分け、遺品整理を行うと相続放棄は出来ないのか?

このように、形見分けや遺品整理はごく当たり前に行われているのが現状ですが、注意点があります。

それは、相続放棄に関する事です、つまり、相続放棄は遺品を相続する前に行う必要があるところ(民法第920条)、形見分けや遺品整理を行う事により被相続人の遺産を相続した事になり(これを「単純承認」と言います)、その後被相続人の借金が判明したとしても、相続放棄が出来なくなるのです。

とは言え、被相続人の遺産の中には金銭的価値がほぼ無い物だってあるでしょう。

その場合でも単純承認したものとなるのか?と言う疑問点が出てきますが、基本的には金銭的に価値が無い物の形見分け、遺品整理は相続したものとみなされません。

高価な宝石や時計の形見分けや、極端な遺品の持ち出し(遺品のほぼ全ての持ち出し。東京地方裁判所平成12年3月21日判決)等、通常の形見分けを超えた遺品の処分等を行った場合は相続したものとみなされます。

しかし、上記のようなケースに該当しなければ、単純承認した事にならず、後から相続放棄を行う事は可能になります。

 

5.まとめ

このように形見分け、遺品整理を行う上でのポイントは、「金銭的に価値があるかどうか」です。

「後からそんな事は知らなかった」は法律手続きでは通用しません。

形見分け、遺品整理を行う前に、しっかりと遺品(特に貴金属やアクセサリー、時計)について、金銭的価値があるかないかを確認するようにしましょう。

 

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この記事の執筆者

横浜市泉区の司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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