株式を相続した時にも重要。株主の権利とは?

相続一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回のテーマである「株式」ですが、これも当然相続財産に含まれます。

例えば、実家が何かしらの事業を行っている場合、その会社の株式を相続する事もあるでしょう。

また、事業承継で相続が発生する前に、株式を取得する場合も考えられます。

あるいは、実家が事業を行っていなくても、投資目的で被相続人が株式を購入しており、それを相続する事だってあります。

このように、どのような形であれ人生の中で株式を取得する事があり得ますが、そもそも株主はどのような権利があるのでしょうか?

今回は、株式を相続等で取得しても悩まない為の、株主としての基本的な権利をお話ししていきます。

1.株主の権利 -共益権-

株主としての権利行使の結果が、株主全体の利益に影響する権利のことです。

共益権には株主総会の議決権(会社法第105条1項3号)の他、

・株主総会の招集を請求することができる権利(297条)
・一定の事項を株主総会の目的とする事を請求できる権利(303条)
・株主総会の決議の取り消しを訴える権利(831条)
・役員等の責任を追及する権利(代表訴訟提起権)(847条)
・役員等の解任請求権(854条)

など、様々なものがあります。

ここではその中で一番重要である、株主総会の議決権について解説します。

2.株主総会で出来る事

株主総会で決議できる事は、取締役会設置会社と非設置会社とで異なります。

取締役会設置会社
⇒会社法に規定する事項及び定款で定めた事項。

取締役会設置会社
⇒会社法に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項

取締役会設置会社については、所有と経営が分離しています。

つまり、株主が会社を所有し、取締役会が経営を行うという仕組みで、一定事項のみ株主総会で決定し、それ以外は取締役会で決定することが可能となっております。

取締役会非設置会社は会社の所有者である株主がそのまま経営を行う事が想定されている為、取締役会設置会社より株主総会で出来る事が広範囲となっています。

なお、会社法に規定する事項とは、下記のとおりです。

・取締役等の選任・解任、取締役等の報酬の規定
・定款変更
・資本減少
・合併、会社分割、営業譲渡、解散
・株式交換・株式移転
・計算書類の承認、剰余金の分配
・自己株式の取得、募集株式の有利発行

3.株主総会の決議の種類

株主総会決議の種類には、

・普通決議
・特別決議
・特殊決議

の3種類があります。

会社法では、決議事項によりその決議方法が決められていて、決議方法が会社法に違反した場合には、総会決議取消しの訴えが認められます。

① 普通決議

普通決議で出来る事は、計算書類の承認、役員の選任(解任)、役員の報酬決定等です。

【定足数】
定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主の出席。
【決議要件】
出席株主の議決権の過半数。

② 特別決議

特別決議で出来る事は、募集株式の事項の決定、定款の変更、解散等です。

【定足数】
株主総会で議決権を行使できる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合は、その割合以上)を有する株主が出席
【決議要件】
出席株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合)以上
※上記の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定める事も可能。

③ 特殊決議

特殊決議で出来る事は、全部の株式を譲渡制限とする定款の変更、非公開会社で、株主の権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨の定款変更等が出来ます。

非公開会社・・・全ての株式に譲渡制限がついている会社の事です。

特殊決議は会社法309条3項のと同条4項の2種類があり、それぞれ要件が違います。

【会社法309条3項】(決議要件)
当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上。
【会社法309条4項】(決議要件)
総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の4分の3(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上。
なお、特殊決議については、普通決議、特別決議のような定足数の定めはありません。

4.株主の権利 -自益権-

自益権とは、株主自身の利益のために認められた権利の事です。

代表的なのが以下の権利です。

「剰余金配当請求権」 (会社法105条1項1号、会社法453条)
「残余財産分配請求権」(会社法105条1項2号、会社法504条)

5.株主平等の原則と例外

① 株主平等の原則

株主は、「それぞれ保有している株式数に応じて、平等に取り扱われる」のが原則となっています。

これを株主平等の原則といいます。

例えば、AさんとBさんが持っているC株式会社の株式数が同じであれば、AさんとBさんの株主としての権利も同じと言う事です。

株主1人1人の頭数の平等ではなく、「保有している株式数に応じた平等」と言う原則です。

なお、株主平等の原則に反する定款を定めたとしても、それは無効となります。

② 株主平等の原則の例外

ただし、株主平等の原則には例外があります。

それが、「種類株式の発行」と「株主ごとに異なる配当等を行う定款の定め」です。

種類株式とは、権利内容の異なる株式の事で、例えば以下のような物が挙げられます。

・議決権制限株式(株主総会の議決に参加できる事柄が限られている株式
・優先株(配当を普通株式より優先して受ける権利を有する一方、議決権に一定の制限が付された株式等)
・役員選任権付種類株式(特定の株主だけに役員選任権が与えた株式)

6.まとめ

株主としての権利は上記のとおり、取締役会設置会社であるか否かによって、大きく異なります。

まずは取得した株式の会社について、登記事項証明書で取締役会設置会社であるか否かを確認するようにしましょう。

文責:この記事を書いた専門家

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格も持つ「もめない相続の専門家」
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