家族信託を利用した、相続前の実家売却のご相談が増えています

 


家族信託の基本的な事は下記をご参照下さい。
【家族信託のスキーム、流れから注意点まで分かりやすく解説します】

家族信託の事例集です。
【家族信託、民事信託の活用事例】

 

平成30年1月12日、フジテレビの報道番組「特ダネ」で家族信託の事が放送され、当事務所でも家族信託に関するご相談、ご依頼が増加しております。

一口に家族信託と言いましても様々な事ができるのですが、一番皆さまの関心が高いのが、「実家の管理・売却」のための家族信託の活用で、今回はこの点についてお話していきたいと思います。

どうして家族信託を活用する事で、実家の管理や売却の問題が解決するのか?

そもそも、実家の管理や売却について何が問題になっているのか?

この点を明確にする事で、より一層家族信託に関する理解を深める事ができるでしょう。

 

1.実家売却の具体事例(横浜市、Aさんの場合)

横浜市内のAさん(70代。男性)は悩んでいました。

Aさんが住んでいる横浜市の某所は住民の高齢化が進んでおり、Aさんのお友達のうちの何人かが、認知症になったそうです。

その実家の管理を認知症になった親の子供達が行っているそうなのですが、非常に苦労しているそうです。

その姿を見たAさんは、「私も認知症になったら、子供達に迷惑をかけてしまうのではないか?」と心配されています。

実は、実家は所有者が認知症になると、その扱いが大変難しくなってくるのです。

 

2.家族信託の制度がなかったら・・・?

さて、親が認知症になった場合、その対応方法として考えられるのは以下の3つの方法でしょう。

⑴ 子供が親と実家で同居している場合、そのまま実家で親の面倒をみる。
⑵ どこかの施設に入所する。
⑶ 親を子供の下に呼んで、子供の自宅で親の面倒をみる。

問題は、⑵と⑶のパターンです。⑵と⑶は実家が空家になる可能性もあり、そうなれば管理が必要になってきます。

「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、空家に関する管理責任が明確にされました。

その為、空家の管理をおろそかにして、近隣住人に迷惑をかける事もできなくなっています。

また、施設等に入所する場合、その費用を捻出する必要があり、最終的には実家の売却を行う必要が出てくるかもしれません。

しかし、実家の所有者である親が認知症になると、実家の売却が難しくなります。

まず、親が認知症であれば、実家の売買契約書にハンコを押す事ができません。

認知症になった場合、意思能力が低下して売買等の法律行為ができなくなるからです。

意思能力が低下した方の為に、代わりに売買契約書にハンコを押す事ができる人がいます。

それが「成年後見人」です。

成年後見人は、認知症者の方の代理人として実家の売買契約を行う事ができますが、実は親の実家を売却するためには、家庭裁判所の許可が必要になってきます。

この家庭裁判所の許可は結構シビアで、どうしても実家を売却しなければならない理由がなければ許可は出ません。
 
認知症の親を施設に入れる必要があり、その入所資金がどうしても必要。

実家にはもう誰も住む事はない、と言った事情が揃っていれば許可は出る可能性はあります。しかし、

・単純に実家の管理が大変だから。
・施設入所のためのお金はある程度あるが、実家を売却して入所資金の足しにしたい

等の理由では家庭裁判所の許可は中々出にくいでしょう。

さらに、成年後見人は家庭裁判所が選任します。

場合によって弁護士や司法書士のような専門家が選任される事があります。

専門家が成年後見人に選任された場合、毎月の報酬が発生します(被後見人の財産にもよりますが、毎月3~5万円程発生します)。

また、成年後見人の仕事は実家を売却して終わりではありません。基本的には認知症の親が亡くなるまで、その仕事が続きます。

今まで家族とは全く関係がなかったアカの他人がやってきて、親の財産を管理する事になるのです。

成年後見人による被後見人の財産の横領事件も発生しています。

このように、親が認知症になった場合の実家の売却は、何も対策を行っていなければ様々な困難を伴ってしまうのです。

 

3.実家売却のための家族信託による解決方法

親がもし認知症になった場合や、それ以外の場合で財産の管理が難しくなった場合に備えて、家族信託を設定します。

委託者を父。受託者を子供。受益者を父→母としていれば、問題は解決します。

もし父が認知症になって実家の売却の必要性が発生した場合、受託者である子供が実家を売却する事が可能です。

また、仮に父が亡くなっても、信託財産となった実家は相続の対象とはなりません。

その為、新受益者である母がそのまま実家に住み続ける事が可能ですし、母が認知症になって実家の売却の必要性が生じた場合、上記と同様に受託者である子供が実家を売却する事が可能になります。

家族信託は家庭裁判所が関与しません。また、家族信託の内容(実家の売却の権限)は、登記されます。第三者が見ても安心できます。

このように、家族信託を利用すれば、相続前の実家の管理・売却の問題も解決します。

 

4.まとめ

何事もそうですが、いざ問題が発生してしまった場合は、もう手遅れになってしまう事があります。

人は将来発生が予測される問題について、過小評価しすぎる傾向があります。その為、何も対策を行わず、いざ問題が発生した時に様々な言い訳をし、大慌てして、本来必要がなかった損害を支払う事になってしまうのです。

将来大変な事になるご家庭とならないご家庭のたった一つの差は、「将来の事をしっかりとイメージして、行動する事」です。

これができるかできないかで、将来の生活が大きく変わってくるでしょう。

 

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー
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