銀行・信託銀行が行っている「遺産整理業務」とは?

相続一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

最近、銀行・信託銀行に行くと「遺産整理業務」と言う言葉を非常に良く目にしませんか?

文字から想像すると、何やら相続に関する何らかの手続きようですが、司法書士等が依頼を受けて行っている相続手続きの代行とはどんな違いがあるのでしょうか?

今回は「遺産整理業務」と「相続手続き代行」の違いをご説明します。

1.銀行等が行っている「遺産整理業務」とは?

多くの銀行や信託銀行が「遺産整理業務」を行っているのですが、その内容はほぼ同じです。

遺産整理業務とは、故人の死亡後の相続手続を、銀行等が窓口となって代行する業務です。

具体的な内容は、

・相続人の調査(戸籍謄本等の取得)
・遺産の調査
・財産目録の作成
・遺産分割協議書の作成
・財産の名義変更
・相続税の申告・納税(必要な場合)

となります。

つまり、遺産に関する相続手続きの一連の流れですね。

ここで「あれ?」と疑問に思われた方、鋭いです。

実はこれは、司法書士等が依頼者からの委任を受けて行う相続手続き代行(司法書士によっては『遺産承継業務』とも呼ばれています。)と全く同じなのです。

何だ。全く同じであれば銀行でも司法書士でも、どっちに依頼してもいいんだ。

と思われていませんか?

実は司法書士が行う相続手続き代行と銀行等が行う遺産整理業務には、大きな違いがあるのです。

2.銀行等が行っている「遺産整理業務」と司法書士が行う相続手続き代行の相違点

① 費用が高い

銀行等が行う遺産整理業務は、費用が割高になるのが一般的です。

これは実際に各銀行・信託銀行のHPで確認して頂きたいのですが、最低報酬が100万円以上のところがほとんです。

(なお、当事務所の最低報酬は40万円です。)

なぜ銀行等の遺産整理業務は割高なのか?

それは受任したほとんどの業務を司法書士や税理士等の士業に外注しているからです。

例えば財産目録の作成や相続税の申告は税理士に外注されます。

また、不動産の名義変更は司法書士に外注されます。

このように、遺産整理業務の中には士業の独占業務にあたる部分が多々あるため、銀行側としても外注せざるを得ないのです。

各士業に外注する結果、各士業の報酬が発生するので、彼らの報酬を上乗せする必要があり、その結果費用が割高になっているのです。

② 複雑な問題に対応出来ない

これも各銀行・信託銀行のHPで確認して頂きたいのですが、銀行等の遺産整理業務は、複雑な問題があった場合、受任する事が出来ません。

例えば、相続人に未成年者や認知症者、行方不明者がいる場合等です。

これらは家庭裁判所に対する手続きであり、司法書士の法定業務です。

その為、司法書士が相続手続き代行を受任した場合、十分対応可能な手続きです。

しかしながら、銀行・信託銀行では対応できない事案となるのです。

3.まとめ

このように銀行・信託銀行が行っている遺産整理業務は、司法書士が行っている業務と全く変わらないのですが、費用が割高、複雑な問題に対応出来ないと言う特徴があります。

「銀行」「信託銀行」と言葉にするだけで安心感があると思いますが、重要なのは業務の具体的な内容です。

銀行・信託銀行に遺産整理業務を依頼する際は、銀行・信託銀行が出来る事・出来ない事及び費用面を十分にご理解の上、依頼するようにして下さい。

なお、当事務所が行っている遺産整理業務の内容は下記のページでご紹介しております。

あわせてご確認下さい。

文責:この記事を書いた専門家
司法書士 甲斐智也

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格もあり「もめない相続」を目指す。
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
(詳細なプロフィールは名前をクリック)

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