遺言を今すぐ作成した方が良い相続の理由

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回の記事は、遺言について作成した方が良いのか悩まれている方、ご相談されたい方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
私は70歳を超えて、そろそろ相続に関して真剣に考えなくてはと思い、取りあえず遺言に関する勉強会に何度か参加しました。

遺言の大切さは理解したのですが、どうしても書く気もちにはなれません。

別に後でも書ける物だし、まだ元気なので今すぐ書く必要がないのでは?と思ってしまい、結果として遺言の作成が進んでいません。

本当に遺言は今すぐ作成した方が良いのでしょうか?

 

1.「遺言の」意味

相続・遺言の相談を承っていますと、相談者の方が使用する「遺言」について、二つの意味がある事に気が付きます。

一つは「遺書」の意味で使っているケースです。遺書とは死ぬ間際の方が、自分の気持ちを残すために記載するものです。

法律で定めたものではありませんので、何を書いても大丈夫です。自分の人生の振り返りとか、家族への想いとか、誰かへの憎しみとか、なんでもアリです。

死ぬ間際に書くものですから、「まだ元気なので遺言なんて必要ない」と思われている方は、おそらくこちらの意味で遺言をとらえているのが推測できます。

確かに、死に際に書くものを、まだ元気な今すぐ書くなんて、縁起が悪いですね。

もう一つは、本来の意味の「遺言」です。「人が死亡後に法律上の効力を生じさせる目的で、遺贈、遺産分割の方法、相続分の指定等、民法上、一定の方式に従ってする単独の意思表示」と言うのが本来の遺言の意味です。

遺言は民法に書き方とその効果が定められた、れっきとした法律文書です。

法律文書ですので、きちんと法的効果が生じる遺言を作成する為には、遺言者に意思能力・判断能力が必要です。

つまり、遺言は「まだまだ元気なうちは・・・」ではなく、「元気なうち」に作成するものなのです。

認知症等になった場合、原則、有効な遺言は作成できないものと思って下さい。

 

2.遺言は何度も作成する事ができる

「早めに遺言を作った方が良いのは分かるけど、遺言を作成した後に状況が変わる事だってあるでしょう?

例えば、『自宅をAに相続させる』と言った遺言を作成したけど、その後Aと仲が悪くなったので、AではなくBに相続させたくなっても、もう遺言があるのでダメでしょう?」

たまにこのような質問を承る事がありますが、大丈夫です。

遺言は何度でも書いて良いのです。

この場合は『自宅をBに相続させる』といった内容の遺言を作成すれば、以前作成した遺言と内容が抵触しますので、新しく作成した遺言が有効になるのです。

 

3.特に遺言を今すぐ書いた方が良いケース

・相続人以外に財産を残したい場合。
・相続人の仲が悪い場合。
・遺産が不動産のみの場合。
・相続人が兄弟姉妹の場合。
・推定相続人に行方不明者がいる場合。
・再婚をしたが、先妻との間に子供がいる場合。
・暴力を振るう息子に財産を渡したくない場合。

詳しくはこちらをご覧下さい。
相続対策で遺言を作成した方が良い場合

 

4.まとめ

まだ元気なうちに自分が死んだ事を考えなくてはいけない、最初は非常に抵抗を感じるかもしれませんが、残されたご家族の方が何らトラブル無く相続手続きを完了させるためには、やはり遺言は最良のツールとなります。

遺言が無かったばっかりに相続手続きに手間と時間がかかった場面を私は何度も見ていますので、これだけは断言できます。

当事務所では遺言を作成されたい方に対して、遺言の作成支援を行っております。

単純に財産を誰に残すか、と言った話だけではなく、ご家族の状況をしっかりとヒアリングをした上で、最適な遺言の文案をご提案いたします。

遺言の作成についてお悩み、お困りの際は、お気軽に当事務所にお問い合わせ下さい。

 

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー
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