絶対に遺言を作成した方が良い7つのケース

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、遺言についてご相談されたい方向けの記事です。

相続対策には大きく分けて二つあります。
・自己の財産の帰属をきちんと確定させて、相続人間の紛争を未然に防ぐ、いわゆる争続対策。
・相続税対策
この二点がメインとなってきまが、今回は争続対策の為に、遺言書を絶対に作成した方が良いケースをご紹介したいと思います。

少しの手間と時間をかける事で、今後発生しうる「争続」を未然に防ぐ事ができますので、ぜひ内容をじっくりとご確認いただき、遺言を有効活用して下さい。

  (なお、遺言の基礎に関しては、こちらをご覧ください)

 

1.財産を相続させたいと考えている人が、相続人ではない場合

例えば、結婚をしていない内縁の配偶者、長年自分の世話を見てくれた長男の嫁、仲が良い従兄弟等です。

相続人ではない為、相続が発生したとしてもそのままでは上記の方々は遺産を取得する事はできません。

自分を今まで親身になってお世話して頂いた方に相続権が無いが遺産を残したい場合は、遺言を残さなければ原則、お世話になった方にあなたの財産を渡す事ができません。

その為、必ず遺言を作成するようにしましょう。

 

2.遺産が不動産のみの場合

相続が開始して、遺産分割協議を行わなければ、遺産は相続人の共有状態となるのですが、不動産は分割がしにくい財産であり、協議が長期間まとまらない事もしばしばあります。

その間も固定資産税等の支払い義務があるため、各相続人間に負担をかけない為にも、遺言を残した方が良いでしょう。

特に相続人である子供が複数いる場合は、遺産分割協議がまとまらない可能性が高くなりますので遺言を残した方が良いかもしれません。

 

3.夫婦間に子供がおらず、兄弟姉妹がいる場合。

例えば、遺産が自宅のみで子供がいない夫婦が暮らしている状況で夫が亡くなった場合の相続人は、配偶者の妻と、夫の兄弟姉妹です。
(夫の父母がいない場合)。

妻と夫の兄弟姉妹の関係は、通常あまり親交がない事が想定され、親交がない者達の遺産分割協議は、なかなかまとまらない事もあります。

また、遺産分割協議がまとまったとしても、妻がそのまま自宅に住み続けるには、多額の代償金を夫の兄弟姉妹が要求してくるかもしれません。

それを回避する為には、遺言書を残す事が一番の方法です。

さらに、兄弟姉妹であれば、いわゆる「遺留分」はありませんので、遺言をしっかりと残す事によって、妻がそのまま自宅に住み続ける事が可能となりますし、兄弟姉妹に対して妻が金銭的な負担を負う事はありません。

夫婦間に子供がいない場合は、残される配偶者の為にも、絶対に遺言を作成するようにしましょう。

 

4.推定相続人に行方不明者がいる場合

推定相続人に行方不明者がいる場合に、遺言を残さずに相続が発生した場合、相続人間で遺産分割協議を行う為に、不在者財産管理人の選任が必要となります。

これは家庭裁判所に対する申立てを行うのですが、手続きが煩雑であったり、時間がかかったり等のデメリットがあります。

遺言書をしっかりと残していれば、遺産分割協議の必要がありません。

このケースでも、必ず遺言を作成するようにしましょう。

 

5.推定相続人に認知症者や知的障がい者がいる場合

相続人間で遺産分割協議を行う時に、相続人の中に認知症者や知的障がい者等、意思能力や判断能力がない人がいる場合、そのままでは遺産分割協議を行う事ができません。

このケースでは、家庭裁判所に「後見申立て」を行う必要があり、家庭裁判所から選任された成年後見人が、本人の代理人として遺産分割協議を行う事になります。

成年後見人の仕事は、遺産分割協議だけで終了するのではなく、本人が亡くなるまで基本的に続きます。

また、弁護士や司法書士等の専門家が成年後見人に選任された場合、その間の報酬も発生します(月額3~5万円)。

このように相続人に認知症者や知的障がい者がいる場合、相続手続きに大変な手間と時間とお金がかかってきます。

このケースでも必ず遺言を作成するようにしましょう。

 

6.再婚をして、先妻との間に子供がいる場合

先妻の間の子供と今のご家族の間に交流があれば問題になる可能性は低いでしょう。

しかし、先妻との間の子供と今のご家族の間に交流がない場合、確実に遺産分割協議が難航するでしょう。

少し想像してみれば分かるのですが、知らない者同士で財産の事を話し合う事は難しく、むしろほんの少しの感情や認識のズレから、もめる相続に発展する可能性が大きいのです。

今回挙げた7つのケースの中で、「先妻との間に子供がいる」場合は、相続でもめる一番のパターンです。

絶対に遺言を残すようにしましょう。

 

7.暴力を振るう息子に財産を渡したくない場合

ある相続人対して、相続をさせたくない理由がある場合、その相続権をはく奪させる『廃除』と言う制度です。

廃除を行うには法律上の条件があり、その条件の一つが『被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったとき』です。

息子に暴力を振るわれていた場合、この条件に合致しますので、遺言でその相続人を廃除する事ができます。

ただし、廃除は家庭裁判所に対して請求するのですが、家庭裁判所が廃除を認めるケースは非常に少ないのが現状です。

 

8.まとめ

以上が代表的な遺言を残した方が良いケースです。

当然、これ以外にも遺言を残した方が良いケースは存在します。

「自分の場合は遺言を残した方が良いケースに該当するのか?」とお悩みの場合は、お気軽に当事務所にご相談下さい。

財産の状況やご家族の人間関係等、様々な視点からご提案をさせていただきます。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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