遺言に関する困り事Q&A

こんにちは。横浜市泉区の相続専門司法書士の甲斐です。今回は、遺言に関する様々な困り事について、Q&A形式で解説していきたいと思います。(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

 

1.遺言が何通も出てきた場合

Q:先日亡くなった父の部屋を整理していたら、机の中から自筆で書かれた遺言書が出てきました。相続人全員に連絡を取り、遺言のとおりに相続しようかと話し合っていたら、別の部屋や、父が利用していた貸金庫の中から等、次々と遺言が出てきて、最終的は公正証書での遺言も発見されました。

このように遺言書が何通も出てきた場合、一番最後に発見された遺言書が有効になるのでしょうか?

A:遺言書が何通も発見された場合、古い遺言が常に無効になるのではなく、その内容が抵触する部分について新しい遺言で古い遺言を撤回したものとみなされます(民法第1023条)。まずは発見された複数の遺言書を時系列で並び替えて、抵触する部分を明確にしていく作業を行なっていきましょう。

 

2.遺言書に記載された遺産が、既に売却されていた場合

Q:先日見つかった亡き母の遺言には、「横浜市泉区和泉北町5698番地1の土地を長女のAに相続させる」と書かれていました。しかし、該当の土地は、10年前に母が既に売却しており、現在は他人の物になっています。この場合、遺言書の効力はどうなるのでしょうか?

A:遺言者が自分の財産を誰に相続させるかについて遺言に記載したとしても、その財産を生前に処分する事は禁じられていません。その為、事例のように遺言に記載された遺産が既に処分されている事もあります。この場合は、前述した複数の遺言書が見つかった場合と同様、遺言書に記載した内容を撤回したものとみなされますので、相続人は該当の遺産を相続する事は出来ません。

 

3.遺産を受け取るはずの相続人が、既に亡くなっていた場合

Q:先月亡くなった父の遺言には、「○○銀行××支店の預貯金を長男Aに相続させる」と記載されていましたが、長男のAは、父が亡くなる5年前に既に他界しています。この場合、遺言の効力はどうなるのでしょうか?

A:遺産を受け取る人(受遺者)が、遺言者より先に亡くなって場合は、その遺贈は効力を生じません(民法第994条)。遺言は遺言者が亡くなった時点でその効力が生じるのですが、その効力が生じる為には、受遺者が遺言者が亡くなった段階で生存している事が大前提です。その為、受遺者が遺言者より先に亡くなっている場合は、遺言書に記載された遺言内容は無効となり、当該遺産は、相続人間の遺産分割の対象の財産となります。

 

4.父と母が連名の遺言書を作成した場合

Q:私の父と母は先日、遺言セミナーに参加し、遺言書を作成する事に非常に意欲を持つようになりました。二人は自分なりに色々と調べて遺言書を作成しようとしているのですが、この間、「二人で一つの遺言書を作ろうか?二人の連名にして」と言う会話が聞こえてきました。そのような遺言書を作成するのは可能なのでしょうか?

A:事例の遺言は、同一の証書で二人以上の者が作成する「共同遺言」と呼ばれるものですが、共同遺言は法律上禁止されています(民法第975条)。共同遺言の作成を認めてしまいますと、本来、他人に関与されずに自由に行わなければならない遺言が、共同遺言による事でその自由な意思が制限されてしまう等、様々な問題が生じるのがその禁止の理由です。

なお、場合によっては有効な遺言として取り扱われる事もありますが、将来の紛争を未然に防ぐ為にも、遺言書は単独で作成するようにしましょう。

 

5.ビデオレターの遺言の場合

Q:先日、実家の蔵の中から、父が生前に残したビデオレターが発見されました。それを再生してみますと、「○○の財産について○○に相続させる」と言った遺言でした。ビテオで作成された遺言は有効になるのでしょうか?

A:遺言の作成は法律上厳格なルールがあり、ビデオで作成された遺言は無効になります。しかし、遺言は無効ですが、故人の意向を尊重し、ビデオレターと同じ趣旨の遺産分割協議を相続人間で行う事は、全く問題はありません。

 

6.まとめ

上記以外にも、遺言に関する様々な論点は沢山あります。実際に遺言書を作成しようとすると、「あれ、こう言った場合はどうすれば良いのだろう?」と疑問に思う事がいっぱい出てくると思います。疑問をそのまま放置し、不完全な遺言書を作成してしまったら、紛争を未然に防ぐはずの遺言書が紛争の新たな種となる可能性もあります。

疑問点をそのまま放置させないよう、遺言について疑問点、お困り事、お悩み等ございましたら、お気軽に当事務所にご相談下さい。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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