豊富な記載例あり。遺言の書き方をケースごとに解説します

遺言

こんにちは。司法書士/2級FP技能士の甲斐です。

終活等がメディアで取り扱われるようになり、遺言を作成する人が増えてきました。

遺言の書き方は多種多様であり、自筆証書遺言を作成する場合、有効になる要件に注意しつつ、遺言者の希望している事を文章として表現しなければいけません。

そこで本ページでは

・財産の承継のさせ方
・財産の特定方法
を中心として、遺言の記載例をご紹介していきます。

【※ご注意】

本ページでご紹介する遺言はあくまで記載例です。

遺言者の方、ご家族の方の状況によっては下記記載例だけではトラブルになる可能性があるので十分にご注意下さい。

1.自筆証書遺言の基本。無効にならない為のポイント

① 必ず自筆する

自筆証書は財産目録を除く全文を自筆する必要があります。

つまり、手書きするのが面倒だからと言って、(財産目録を除く)全文をパソコンで作成すると即無効になります。

② 必ず署名・押印する

署名と押印も法律上、自筆証書遺言の条件とされており、これらがない自筆証書遺言は無効となります。

なお、押印する印鑑は認印でも大丈夫ですが、遺言意思を明確にする為、実印を使用した方が良いでしょう。

③ 必ず日付けを記載する。

遺言を作成した日付を自筆する事も、自筆証書遺言が有効になる条件です。

なお、「令和〇年〇月吉日」等、日付が特定できない場合は無効になりますのでご注意下さい。

(場合によっては有効と判断された裁判例はありますが、余計なトラブルを防止する為に、日付は明確にする必要があります。)

④ 訂正方法も厳格に決められている

自筆証書遺言を訂正する場合も、その方法が厳格に決められています。

まず訂正した場所に押印をして正しい内容の記載し、どこをどのように訂正したのかを余白等に記載して、その場所に署名する必要があります。

例えば、日付を本「2月28日」とすべきところ、「2月31日」と間違えて架空の日付を書いてしまった場合の訂正方法は、

・「31」に二重線等を引き、二重線の上に押印する。
・その横や上に正しい日付である「28」を記載する

・遺言書の末尾等の余白部分に、「〇行目〇文字削除〇文字加入」と自筆して署名をする。

と言う流れになります。

このように、訂正方法もかなり厳格です。

その為、遺言書を訂正したい時はなるべくならば書き直した方が良いでしょう。

(訂正前の遺言は無用な混乱を避けるため必ず破棄するようして下さい。)

このように、自筆証書遺言を書く事も訂正する事も有効にする為の要件が厳格になっています。

でも、多少間違いがあっても何とかなるでしょ?

確かに、世の中の手続きは多少間違えても何とかなる事があります。

しかし、法律上の重要な権利を発生させる遺言はそのような考え方は原則通用しないと思って下さい。

その為、少しでも不安な場合は、必ず専門家へ相談、サポートを行ってもらうようにして下さい。

⑤ 自筆証書遺言の例(全体)

自筆証書遺言の基本的な構成例です。

              ※1遺言書

※2
第〇条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

第〇条 (以下省略)

※3
令和〇年〇月〇日
横浜市〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号
遺言者 〇〇 〇〇 ㊞

(※1)
分かりやすくタイトルを「遺言書」としましょう。
(※2)
この欄に誰にどのような財産を相続させるのか等を記載します。本ページでは主にこの欄に関して解説します。

(※3)
日付け及び遺言者を特定する為に、遺言者の住所氏名を自筆します。

法律上、印鑑は認印でも大丈夫ですが、遺言意思を明確にする為、実印を押印した方が良いでしょう。

なお、その他、遺言の基本知識に関しては下記のページをご覧下さい。
遺言の基本知識。まずは知っておくべき3つの遺言とは?
今回の記事は、遺言についてご相談されたい方向けの記事です。「エンディングノート」が一般的に普及し、遺言も相続と同様に注目されています。遺言があればいわゆる「争続」を未然に防ぐ事ができますので、被相続人の意思を伝える重要なツールである事...

2.財産を相続させる方法

最初は、「財産をどのように相続させるか」の記載方法です。

① 一切の財産を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。
遺言者の一切の財産を特定の相続人に相続させる場合の記載例です。
なお、相続人の特定は上記の様に「続柄」「氏名」「生年月日」で特定するのが一般的です。

② 一切の財産を相続させたい場合(代表的な財産を掲げる場合)

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産その他一切の財産を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(財産記載省略)

特定の相続人に全ての財産を相続させる遺言ですが、代表的な財産を記載しておくと、その後の相続手続きがスムーズに進みますので、このような記載方法を行う遺言もあります。
なお、不動産を含め財産の特定方法は下記「3.取得させたい財産の記載方法」をご確認下さい。

③ 特定の財産と「その他一切の財産」と相続させたい人を分けたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記不動産を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(財産記載省略)

2 遺言者は、遺言者名義の下記預金債権を、長男山田一郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(財産記載省略)

3 遺言者は、前2項に記載する財産を除く遺言者の有する不動産、動産、預貯金、現金その他一切の財産を、次男山田二郎(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

特定の財産を特定の相続人へ、その他の一切の財産を別の相続人に相続させたい場合の記載方法です。
全ての財産を網羅的に記載する事は事実上不可能ですので、「その他一切の財産」等の包括的な条項を設けて、後々のトラブルを防ぎましょう。

3.取得させたい財産の記載方法

① 不動産を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

所  在 〇〇市〇〇町〇〇一丁目
地  番 〇〇番〇〇
地  目 宅地
地  籍 〇〇平方メートル

所  在 〇〇市〇〇町〇〇一丁目〇〇番地〇〇
家屋番号 〇〇番〇〇
種  類 居宅
構  造 木造スレートぶき2階建
床面積
1階 〇〇.〇〇平方メートル
2階 〇〇.〇〇平方メートル

不動産の特定は登記事項証明書の記載通りに行います(省略した記載方法はありますが、慣れていない一般の方は登記事項証明書通りに記載した方が無難です)。

流れとしては、不動産の権利証に記載された全ての不動産の登記事項証明書を取得して、遺言に記載します。

住居表示実施等で権利証に記載された不動産所在地と最新の不動産の所在地が異なる場合があります。必ず法務局で最新の登記事項証明書を取得するようにして下さい。

② 未登記の建物を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記の建物を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

所  在 〇〇市〇〇町〇〇一丁目〇〇番地〇〇
家屋番号 未登記につきなし
種  類 居宅
構  造 木造スレートぶき2階建
床面積  〇〇.〇〇平方メートル

未登記建物の場合は、固定資産税納税通知書の記載事項等を参考にして特定します。

③ 不動産の共有持分を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記不動産の共有持分の全てを、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

所  在 〇〇市〇〇町〇〇一丁目
地  番 〇〇番〇〇
地  目 宅地
地  籍 〇〇平方メートル
遺言者の共有持分 2分の1

所  在 〇〇市〇〇町〇〇一丁目〇〇番地〇〇
家屋番号 〇〇番〇〇
種  類 居宅
構  造 木造スレートぶき2階建
床面積
1階 〇〇.〇〇平方メートル
2階 〇〇.〇〇平方メートル
遺言者の共有持分 2分の1

共有持分の全てを相続させたい場合、「不動産の持分〇分の〇を相続させる」と言う記載方法ですと、相続人に一定の割合で相続させる遺言と混同してしまう可能性があります。

必ず「共有持分の全て」と言う表現方法にしましょう。

④ 絵画・書画を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する絵画及び書画を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(絵画)
作品名  〇〇
種類   日本画
制作者名 〇〇
寸法   〇〇号
縦    〇〇センチメートル
横    〇〇センチメートル
制作年  昭和〇年

(書画)
作品名  〇〇
制作者名 〇〇
寸法
本紙
縦    〇〇センチメートル
横    〇〇センチメートル
装丁
縦    〇〇センチメートル
横    〇〇センチメートル
色    〇〇
制作年  昭和〇年

作品名、種類(日本画・洋画等)制作者名、寸法、制作時期その他の特徴を記載し、できる限り特定を行います。

⑤ 貴金属を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記の貴金属を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

品目  ダイヤモンドリング
製造者 〇〇
型番  〇〇
素材  Pt950
サイズ 〇号
主石  ダイヤモンド〇カラット
重量  〇グラム
カット EXCELLENT
カラーの等級 〇〇
クラリティ  〇〇

品目、品名、製造者、製品番号等を鑑定書等に記載されている情報を元に記載します。

具体的な特徴による特定が困難な場合は、使われている素材の種類や保管場所等を記載して、できる限り特定を行うようにして下さい。

⑥ 自動車を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記自動車を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

登録番号  横浜〇〇〇た〇〇〇〇
種別 普通
用途 〇〇
自家用、事業用の別 自家用
車名 〇〇
形式 〇-〇〇〇〇
車台番号 〇〇〇〇〇〇
原動機の形式 〇〇

自動車登録事項等証明書の記載に従い特定します。

なお、軽自動車には登録事項等証明書が存在しない為、自動車検査証等の記載事項を参考に特定するようにして下さい。

⑦ 売買代金・貸金債権を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の佐藤太郎(〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地)に対する下記売買代金債権を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

遺言者を売主、佐藤太郎を買主とする次の売買契約に基づく売買代金債権
売買目的物 別紙物件目録記載の不動産
契約締結日 平成〇年〇月〇日
売買代金  金〇〇〇〇万円
支払期日  令和〇年〇月〇日

第〇条 遺言者は、遺言者の佐藤太郎(〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地)に対する下記貸金債権を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

遺言者を貸主、佐藤太郎を借主として、平成〇年〇月〇日に締結された次の内容の金銭消費貸借契約に基づく貸金債権
貸付元金 金〇〇〇万円
弁済期 令和〇年〇月〇日
利息  年〇パーセント
遅延損害金 年〇パーセント

それぞれ、他の債権と区別ができるようにする為、契約の内容を記載し、債権を特定するようにします。

⑧ 建物の賃借権を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者が佐藤太郎(〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地)に対して有する下記建物の賃借権を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

(財産の記載省略)

建物の賃借人が亡くなった場合、建物の賃借権は相続人による共有状態になります。

しかし共有状態になると賃借人と同居していた者の生活が不安定になる可能性がある為、賃借権を特定の相続人に相続させる遺言を作成した方が良い場合があります。

⑨ 預貯金を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者名義の下記預金債権を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号 〇〇〇〇〇〇

通帳等を参考にし、銀行名。支店名、預金の種類、口座番号で特定します。

なお、預金残高の記載は必要ありません。

※預金残高は通常変動する為、記載すると口座全体を相続させたいのか、遺言に記載した金額だけを相続させたいのかが不明確になる為です。

⑩ 生命保険の受取人を変更したい場合

第〇条 遺言者は、下記生命保険契約に基づく生命保険金の受取人を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に変更する。

保険契約の表示
保険証券番号 〇〇〇〇〇〇〇
契約日 平成〇年〇月〇日
種類 〇〇生命保険
保険期間 〇〇年
保険金額 〇〇〇万円
保険者 〇〇〇〇
契約者 〇〇〇〇
被保険者 〇〇〇〇

平成22年4月1日から施行された保険法では、遺言で保険金の受取人を変更する事ができます。

遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後(相続が発生した後)、保険契約者の相続人が保険者に通知する事、被保険者の同意が必要になります。

保険契約の特定は、保険証書等を参考にして記載します。

※平成22年4月1日以前に締結した保険契約は、遺言による受取人の変更は行う事はできません。

⑪ 国債を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者名義の下記国債を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

口座開設者 〇〇〇〇(〇県〇市〇町〇丁目〇番〇号)
加入者 〇〇〇〇
口座番号 〇〇証券株式会社〇〇支店〇〇〇〇
銘柄 分離適格振替国債
名称 利付国庫債券
記号 第〇回
利率 年〇パーセント
利息支払期日 令和〇年〇月〇日
コード番号 〇〇〇〇
金額 〇〇円

購入時の資料を元に、できるだけ詳しく特定します。

⑫ 有価証券(株式)を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者名義の下記株式を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

会社名 〇〇株式会社
券種 普通株式〇〇株

会社名・株式の種類で特定します。

⑬ 信用金庫等の出資持分を相続させたい場合

第〇条 遺言者は、遺言者が〇〇信用金庫に対して有する下記の出資持分を、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

口数 〇〇口
一口 〇〇円

口数と一口の金額等を記載して特定します。
なお、JAに関する出資持分も同様の記載方法で大丈夫です。

4.遺産分割の指定方法

① 現物分割の場合

第〇条 遺言者は、別紙遺産目録記載の遺産を、分割協議において次のとおり分割するよう分割の方法を指定する。

① 不動産及び預貯金は、妻山田花子(昭和〇年〇月〇日生)が取得する。
② 上記①以外は、長男山田一郎(昭和〇年〇月〇日生)が取得する。

遺言者は相続人に対して遺言で「遺産についてこのように分けなさい」と言う遺産分割方法の指定を行う事ができます。
上記は現物の遺産をそのまま遺産分割する方法の指定で、「現物分割」と呼ばれるものです。

② 代償分割の場合

第〇条 遺言者は、別紙遺産目録記載の遺産を、分割協議において次のとおり分割するよう分割の方法を指定する。

① 遺言者の全ての遺産を、長男山田一郎(昭和〇年〇月〇日生)が取得する。
② 山田一郎は、上記①の遺産を取得する代償として、次男山田二郎(昭和〇年〇月〇日生)に対し、金〇〇〇万円を支払う。

特定の相続人が遺産を取得すると他の相続人との関係で不公平になる場合、代償金を支払って相続人間の公平性を保つ遺産分割が代償分割です。

代償分割である事(代償金を支払う事)を明記する必要があります。

③ 換価分割の場合

第〇条 遺言者は、遺産分割協議において遺言者の有する下記不動産を売却換価し、売却代金から売却に関する諸費用(不動産仲介手数料、登録免許税等)を控除した金額を、次のとおり分配するよう分割の方法を指定する。

妻 山田花子(昭和〇年〇月〇日生)  4分の2
長男 山田一郎(昭和〇年〇月〇日生) 4分の1
次男 山田二郎(昭和〇年〇月〇日生) 4分の1

不動産のような分けにくい財産を売却(処分)し、分けやすい金銭にして各相続人に分配する遺産分割を「換価分割」と言います。

なお、換価分割の場合、上記の様に換価分割である事を明記しないと余計な税金が発生しますのでご注意下さい。

※換価分割に従い、不動産を実際に売却する場合、不動産の名義を相続人全員名義(法定相続分)にする必要があります(昭和45年10月5日民事甲4160号回答)。

⑤ 遺産分割を禁止したい場合

第〇条 遺言者は、遺言者の遺産全部について、その分割を相続開始の時から5年間禁止する。
被相続人は、遺言で相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずる事ができます(民法第908条)。

5.相続人ではない人に財産を残す(遺贈)

① 特定の財産を遺贈したい場合(特定遺贈)

第〇条 遺言者は、遺言者の有する下記の不動産を、遺言者の孫山田雪子(平成〇年〇月〇日生)に遺贈する。

(財産記載省略)

遺言者は自分の財産について、相続人以外の人にも承継させる事が出来ます。

これを遺言による贈与=「遺贈」と呼びます。

なお、相続人ではない人に「相続させる」と言う文言を使うと、その後の相続手続きが滞る可能性があります。

その為、相続人以外の人に財産を残したい場合は「遺贈する」と言う文言を使いましょう。

② 財産を包括的に遺贈したい場合(包括遺贈)

第〇条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、遺言者の孫山田雪子(平成〇年〇月〇日生)に包括して遺贈する。
遺贈には特定の財産を遺贈する「特定遺贈」と、相続財産を包括的に遺贈する「包括遺贈」があります。

特定遺贈と包括遺贈はその法的性質が異なる為、どちらの遺言なのかは明確にする必要があります(上記のように「包括して」等の表現を行う等)。

6.負担付きの遺贈

第〇条 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、遺言者の長男山田太郎(平成〇年〇月〇日生)に相続させる。
2 長男山田太郎は、前項の相続の負担として、遺言者の妻山田花子が死亡するまで、以下の負担を履行しなくてはならない。

遺言者の妻山田花子が死亡するまで同人と同居し、必要な生活費を支出し、毎日の衣食の世話をする等して扶養する。

特定の者に財産を相続させる代わりに、財産を取得する者に一定の義務を負担させることができる遺言を「負担付遺言」と言います。
子供に全ての財産を相続させる代わりに、残された配偶者の扶養を行ってもらいたい時に利用するのが典型的です。

なお、負担付遺贈を行ったとしても、負担付遺贈を受けた者が絶対にその負担を履行する保証はない事について注意が必要です。

その場合、相続人は相当の期間を定めてその履行の催告をする事ができ、その期間内に履行がない時は、その負担付遺贈に係る遺言の取り消しを家庭裁判所に請求する事ができます(民法第1027条)。

7.遺言執行者を指定したい場合

第〇条 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、次の者を指定する。
横浜市〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号
弁護士 〇〇〇〇
昭和〇年〇月〇日生
遺言者は遺言で遺言執行者を定める事が出来ます。

円滑に相続手続きを行うためにも、遺言執行者を定めた方が良いでしょう。

なお破産者と未成年者以外は誰でも遺言執行者になる事が出来ますので、家族を指定しても大丈夫です。

(ただし、相続手続きはある程度の専門的な知識が必要になってきますので、事前に相談し弁護士や司法書士のような専門家を指定した方が無難です。)

8.以前に行った遺言を撤回したい場合

① 自筆証書遺言を撤回する場合

第〇条 遺言者は、平成〇年〇月〇日付けで作成した自筆証書遺言を全部撤回する。

② 公正証書遺言を撤回する場合

第〇条 遺言者は、平成〇年〇月〇日〇〇法務局所属公証人〇〇〇〇作成同年第〇〇号遺言公正証書による遺言者の遺言を、全部撤回する。
遺言はいつでも自由に撤回する事が出来ます。
撤回の方法は原則遺言で行いますが、撤回するにあたり、前と同じ方式の遺言を作成する必要はありません。
つまり、公正証書遺言を自筆証書遺言で撤回する事(その逆も)が可能です

9.まとめ

以上、代表的な遺言の記載例をまとめてみました。

上記でお話ししましたが、遺言はただ書けば良いだけではなく、財産の状況、ご家族の性格、お仕事(経済状況)等、様々な事情を考慮して作成すべきものです。

書籍やインターネットでは遺言のひな型は簡単に入手する事は出来ますが、遺言の「考え方」を身に付ける事は出来ません。

その為、ご自身で勉強した後は、一度でも良いので専門家にご相談した方が良いでしょう。

当事務所でも遺言作成のサポートを行っております。

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1 遺言作成の重要性・離婚した先妻との間に子供がいて、その子供とは長期間会っていない。さらに再婚した今の家族を大切にしたい。・夫婦間には子供がおらず、それぞれの夫婦の兄弟姉妹が相続人になる。・そもそも子供達の仲が悪く、自分が亡くなり相...
文責:この記事を書いた専門家(詳細なプロフィールは名前をクリック)

某球団マスコットの中の人の経験あり。親しみやすく相談しやすい専門家である事を常に意識。「相続対策は法律だけではなく、老後資金や感情も考慮しなくては意味がない!」をポリシーとし、2級FP技能士や心理カウンセラーの資格も取得した「もめない相続の専門家」。事務所は小田急線・横浜線町田駅徒歩8分『町田・横浜FP司法書士事務所』

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