相続:遺言にあなたの想いを込める「付言事項」


こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

遺言と言えば、『長男○○に○○の財産を相続させる』等、被相続人の各遺産について、相続人の誰に帰属させるのか、その意思表示を行う事が一般的です。

そして遺言執行者を指定しておけば、通常は遺産の名義変更は特に問題が無く終了します。

でも、その遺産の分配の指定が、相続人にとって納得できないものであればどうでしょうか?

例えば、「長男○○に2,000万円、次男○○に1,000万円を相続させる」この様な遺言があった時に、次男からすると、「なぜ兄より1,000万円少ないんだ!」と遺言の存在により新たな紛争が勃発するかもしれません。

このような紛争を未然に防ぐために、良く使われているのが、「付言事項」です。

 

1.付言事項とは?

遺言には、その記載する内容として大きく二つに分類する事ができます。

一つは、法律上の効力を持たせる為に記載する「法定遺言事項」。

遺産を誰に相続させるのか?等が法定遺言事項になります。

もう一つは、法的効力は無いのですが、遺言を遺した動機や遺された家族に対する想いを書く事で、結果として遺された家族が、遺言者がなぜこのような遺言を遺したのかの理解につながり、円満な相続に役立たせる内容があります。

これが「付言事項」です。

上記のとおり、法律上の拘束力はない為、必ずしも相続人に納得してもらえるとは言えません。

しかし、その内容を相続人全員が納得してもらえるように大切に考え付言事項を記載する事で、遺させた相続人が遺言の内容に納得してくれる確立は変わってくると思います。

 

2.付言事項の具体例

① 妻に法定相続分を超える財産を相続させたい場合

私は、良き伴侶と三人の子どもたちに囲まれて、幸せな人生を送る事ができたと心から思っています。

妻A、長男B、次男Cが仲良く幸せな人生を過ごしてくれることを切に願い、この遺言書を作成しました。

Aは仕事一筋だった私を支えてくれて、子どもたち2人を立派に育ててくれた。

また、私の介護や病気の世話など、大変な苦労をかけてしまった。

Aには今後気兼ねなくゆっくりとした時間を、住み慣れた自宅で過ごして欲しいと思い、自宅と土地を相続させました。

B、Cよ。私は仕事人間だった。家庭を守る為に、必死に働いた。おかげで、経済的には何不自由無かったのかもしれない。

だが、それと同時に失ったものも沢山ある。

私は、子どもの頃のお前たちと遊んだ記憶はほとんどない。どこかに連れて行った記憶もない。

本当に申し訳なく思っている。どうかお前たちは、私を反面教師として、自分の家庭を大切にしてほしい。

B、Cよ、私の最愛の妻をよろしくお願いします。これが最後のお願いです。皆くれぐれも体には気を付けて。父は天国で皆を見守っています。

 

② 相続権がない息子の嫁に財産を残したい場合。

私は現在、長男Aの家族と同居しています。特に○○さん(息子の嫁)には、大変お世話になっています。

私の日々の身の回りのお世話をしてくれたり、病院に連れていってくれたり等、ご自分の人生を犠牲にして、私に尽くしてくれています。

その感謝の気持ちと苦労に応える為、私の預貯金の一部を○○さんに渡す事にしました。

次男、三男はこの内容に不満があるかもしれないが、どうか私の気持ちを理解して頂き、これからも皆仲良く暮らしてほしいと切に願っています。

 

3.付言事項のポイント

① 家族への感謝を忘れずに具体的に書く

付言事項はご自分の家族に対する気持ちを伝え、もめない相続にする為に残すものです。

その為、誰に対して何を感謝しているのか、その具体的なエピソードを添えて書きましょう。

② 遺言の内容をきちんと説明する

相続では程度の差はありますが、必ず不平不満が出ます。

例えあなたがどんなに考え抜いた遺言を作成したとしても、相続人全員が心から納得する相続にするのは難しいでしょう。

その為、遺言を残した事で、かえってもめる相続になる可能性があるのです。

そのような時に、「なぜこのような遺言を残したのか」きちんと付言事項で説明し、その経緯と思いを説明する事で、もめる相続となる可能性を最小限にする事ができます。

 

3.付言事項の注意点

上述のとおり、付言事項は被相続人のメッセージを伝える役割はありますが、法律上の拘束力はありません。

その為、遺させた相続人が納得できるような遺言の書き方が必要となります。

また、否定的な文章はNGです。例えば、特定の相続人に対して、恨みつらみの気持を遺す事は、新たな紛争の原因になる可能性があります。

そして何より、最後のメッセージが否定的な言葉でお別れとなると、寂しいものになります。

どうしても相続人の相続権をはく奪したい(廃除)場合以外は、否定的な言葉は入れない方が良いでしょう。

 

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、法律手続・老後の資金・家族の感情面等、様々な視点から考え、遺言・任意後見・家族信託等の方法を駆使し、もめない相続対策・認知症対策を実現させる専門家。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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