母が死亡し、相続人が子供だけの相続の場合は要注意です!

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

さて、今回のお話しは、

『父が先に亡くなりその後の母の相続で、相続人が子供のみの場合』ですが、実はこのケースの相続は、非常にもめやすいのです。

父が亡くなった時に、家族は相続手続きを一通り経験しているはずなのですが、なぜ母の相続でもめてしまうのでしょうか?

今回は、その謎に迫り、注意点と解決策をお話ししたいと思います。

 

1.母が亡くなり、相続人が子供の場合の一般的な相続手続き

基本的には父の時の相続手続きと同じです。

相続手続きの流れは、

⑴ 被相続人(母)の戸籍の取得
⑵ 相続財産、遺言の調査
⑶ 限定承認、相続放棄の判断
⑷ 準確定申告(必要な場合のみ)
⑸ 遺産分割協議
⑹ 遺産の相続手続き(名義変更)

となります。

詳細は下記のページをご覧下さい。

 

2.両親がいなくなった相続は話し合いが紛糾する

両親がいなくなった場合の相続がもめる最大の理由は、子供達に良くも悪くも影響力がある両親がいなくなった為です。

父が亡くなり、相続人が母と子供達の場合、子供達が遺産分割協議に不満であっても、「母がいるから」と言う理由で、話し合いに従うことは良くあります。

しかし、父も母も亡くなった相続はそのパワーバランスが崩れてしまい、いままでの不平不満が爆発し、修復不可能な溝が兄弟姉妹間で生まれてしまうのです。

また、遺産分割協議に関する事だけではなく、子供の時からの兄弟姉妹間の確執等、相続の法律問題とは全く関係がない部分で感情的になる事もあります。

「母はいつも兄の言う事しか聞かず、私の話は一切聞いてくれなかった!」
「姉はいつもオレの事をいじめていたのに、母は一切注意してくれなかった!」
「弟は大学に入学させたけど、自分には一切学費を出してくれなかった!」

小さな頃から何十年も胸の中でくずぶっていた感情が、両親というストッパーがなくなる事で、一気に爆発して何年間に渡る紛争にも発展するのです。

また、近所に住んでいて1年の内に何度も顔を会わせていれば良いのですが、兄弟姉妹は独立するとそれぞれの家庭を持つようになり、関係性が疎遠になります。

人は5年も経てば価値観がガラッと変わる事があります。

「あいつはきっと分かってくれる」と思っていても、実際には上手く行かないのが相続なのです。

 

3.空き家になった実家の相続方法

さらに、問題になる事があります。

それが、「空き家になった実家をどうするか?」と言う問題です。

父も母も亡くなり誰も住んでいない「空き家」になってしまった家をそのままにしておくと、管理も大変ですし固定資産税の負担も馬鹿にはなりません。

その為、売却してその売却代金を相続人で分け合うと言う方法を取るのが一般的ですが、これに反対する相続人もまれに存在します。

いわゆる「父と母の思い出に浸りたい」と思っている相続人にとってみれば、すぐに売りたいと思っている相続人は「血も涙もないのか!」と言う存在になり、兄弟姉妹ゲンカの新たな火種となる事があるのです。

 

4.実家に誰かが住んでも問題になる

また、空き家ではなく、元々兄弟のうち誰かが実家に住んでいる場合でも、もめる相続になる可能性があります。

兄弟のうち実家に住んでいる者がいれば、その者はそのまま実家に住み続けたいでしょう。

しかし、遺産のほとんどが実家で、そのままでは他の相続人が相続する財産がほぼ無い場合、

「実家を売ってお金にして、そのお金を分けましょう!」

と言う話が絶対に出てきます。

これがもし父が亡くなり母親が実家に住んでいる場合であれば、母親を追い出してまで実家を売却すると言うご家庭はあまりないと思います。

「そんな事をしたら、お母さんがかわいそう。」

常識がある大人であれば、このように考えるはずです。

しかし、両親はもういません。

実家に住んでいる相続人に対して他の相続人が、

「このままではあなた一人だけが得して不公平!実家は売却して、その代金であなたはマンション等購入すれば良いでしょ?」

と実家の売却を迫ってくると言う展開も十分に考えられるのです。

 

5.問題の解決方法

① 母親に遺言を書いてもらう

オーソドックスな手法ですが、母親にきちんと遺言を書いてもらう事で、相続の紛争を未然に防ぐ事ができるケースが沢山あります。

なお、母親は高齢なため

「そんな面倒な事やりたくない。私が死んだらあんた達の好きにすれば良い。」

と言ってくるかもしれませんがそこはグッとこらえて、遺言を書いてもらうように丁寧に根気良く説明をしてきましょう。

② 家族で相続ミーティングをきちんと行う

母親に遺言を書いてもらうのと同時に、家族間で相続に関するミーティングをきちんと行うようにしましょう。

・母親の財産はどのような種類がどれくらいあるのか?
・兄弟姉妹で財産の分け方に希望はあるのか?
・仮に母親の介護が必要になった場合どうするのか?

等、何度も話し合いを行いある程度決めていくのです。

「今から母親が死んだ事なんて考えられるか!縁起でもない!!」

と思われるかもしれませんが、人はいつか必ず死にます。

その時に、残された家族が余計な事で時間が奪われたりストレスで精神的に追い込まれたりするのではなく、いままでと同じ生活を続け、いつまでも母親の遺志を尊重する為には、家族ミーティングは必要不可欠なのです。

家族ミーティングを逃げずに行うか行わないかは、相続でもめるかもめないかの大きな分かれ道になります。

 

6.まとめ

兄弟姉妹に絶大な影響がある両親がいなくなると言う事は、想定外の争いが起こりえます。

母親を余計な事で心配させず、安心してもらうためにもしっかりと家族間の相続ミーティングを行うようにしましょう。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

 

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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