行政書士が不動産の名義変更(不動産登記)や会社の登記を行う事は違法です!

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

先日、とある行政書士の方のブログを見ていたのですが、そこに驚くべき事が書かれていました。

行政書士の試験と実務が
1㎜もリンクしていないことを痛感しました。

まじでなんの役にも立たないじゃん(笑)
今でも思っています(笑)

時間があったので、とにかく調べました。
会社設立の方法とにかく調べました。

(中略)

登記申請書類一式を作成するために、
法務省の登記ページに行き、ダウンロード。

これも信じられないかもしれませんが、
数年前にリニューアルするまで、
登記のページの情報が全然足りてなかったり、
不親切で意味不明だったり、
とにかく使えなかったんです(笑)

とはいえ、ありがたく拝借して、
それを基に書類を作成しました。

この記事を見て、

「どこがおかしいの?」

と思われるかもしれませんが、実は行政書士が登記申請を行うのは違法行為で刑事罰の対象になるのです!

相続が発生したから不動産の名義変更(登記申請)を行政書士に依頼しませんでしたか?

起業するために会社の設立登記申請を行政書士に依頼しませんでしたか?

これらの行政書士の行為は、全て違法行為です。

さらに、法的な問題だけではなく、このような違法行為を行っている行政書士に仕事を依頼する事自体に、潜在的なリスクが存在するのです。

そこで今回は、登記申請を行政書士に依頼するリスクについて、お話ししたいと思います。

 

1.行政書士が登記申請を行う事が違法な理由

行政書士が不動産や会社の登記申請を行う事が出来ない根拠は、司法書士法にしっかりと明記されています。

(業務)
第三条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。
 

(非司法書士等の取締り)

第七三条 司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者(協会を除く。)は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

第七八条 第七十三条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

このように、司法書士は依頼者から依頼を受け、登記手続きを代理する事が出来る事、司法書士以外の者が登記手続きの代理を行う事が原則禁止されている事が、法律上明記されています。

そもそも司法書士の制度として、登記手続きを代理で行う事が想定されており、その為に必要な知識(不動産登記法や商業登記法等)を司法書士試験で問われるのです。

制度の趣旨から考えて、当然と言えば当然です。

 

2.どうして違法な登記申請を行っている行政書士がいるのか?

では、どうして違法な行為を行っている行政書士がいるのでしょうか?

彼らの言い分はこうです。

「法務局は官公署であり、登記申請の書類は官公署に提出する書類だから、行政書士が行えて当然。」

何の事か分からないと思いますが、行政書士法を見てみると、彼らの言っている事が理解できます。

(業務)
第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
 
 行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。
 
 
第一条の三 行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
一 前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続及び当該官公署に提出する書類に係る許認可等(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第三号に規定する許認可等及び当該書類の受理をいう。次号において同じ。)に関して行われる聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続において当該官公署に対してする行為(弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第七十二条に規定する法律事件に関する法律事務に該当するものを除く。)について代理すること。

行政書士の業務は、簡単に言いますと

・官公署(いわゆるお役所)に提出する書類の作成
・権利義務又は事実証明に関する書類の作成
・上記の書類を官公署に提出する手続の代理

となります。

つまり、

「登記申請書は官公署(法務局)に提出する書類であり、その書類の作成や提出(登記申請)は手続きの代理であるから、行政書士が行えるのは法律上当然」

と言う理屈なのです。

しかし、本当に彼らの言っている事は正しいのでしょうか?

もう一度、上記の行政書士法を良く見て下さい。

こう書いていませんか?

・行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

・ただし、他の法律においてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。

このように、他の法律で制限されている場合は、行政書士は官公署に提出する書類の作成であろうと、その手続きの代理であろうと、行う事ができないのです。

実際に登記申請を行った行政書士が逮捕される事件が報道される事があるのですが、これはまさに司法書士法違反を理由としてなのです。

 

3.行政書士に不動産登記、会社の登記(商業登記)を依頼する潜在的なリスク

行政書士が不動産登記・会社の登記を行うのは違法!と言うのは簡単なのですが、それとは別の問題で、このような行政書士に仕事を依頼する事について、潜在的なリスクがあります。

特に起業を行う際に設立登記を行政書士にお願いして、その後のコンサル契約まで締結した起業家は注意をして下さい。

行政書士が登記申請の仕事を依頼された時に、頭の中で考えている事は次の二つです。

・登記申請は違法で刑事罰の対象と分かっているけれど、仕事として受任する。
・そもそも、違法である事を理解していない。

 

この頭の中の考え方、考え方として筋道がたっておらず、非常におかしい事に気が付きますよね?

彼らは、専門家として一番大切な、物事を筋道たてて考える力(ロジカル・シンキング)が欠落しているのです。

(自分のブログで「行政書士だけど、登記申請書作成しました!」と何も考えずに発言する人物は、専門家として確実にヤバイ奴です。)

このような人物に、登記申請以外の普通の仕事を依頼すればどうなると思いますか?

重要な場面で致命的な判断ミスを行い、依頼者であるあなたに回復不可能な損害を与える事だってあり得るのです。

それ程、結論に至るまでの考え方(考える力)と言うのは重要になってくるのです。

 

4.まとめ

今回は違法行為を行っている行政書士をテーマにしてお話ししましたが、違法な登記申請書を行っているのは行政書士だけではありません。

じつは税理士の中にも、相続税申告や起業支援の一環として、不動産登記や会社設立登記を行っている人がいます。

これらは当然ながら違法行為ですし、仕事に対する姿勢・考え方そのものに問題があります。

このような考え方の専門家には絶対に近寄らないようにしましょう。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

 

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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