父が再婚した場合に注意すべき義母の相続の事

相続対策・認知症対策

こんにちは。司法書士/2級FP技能士の甲斐です。

今回の記事は、父が再婚した場合に、見落としがちになる注意点を解説していきたいと思います。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:私の父は65歳で再婚しました。

再婚相手の女性は父と同世代で、非常に人柄も良く、私も親しくさせて頂いております。

再婚してから10年後に父が亡くなりました。

義母と父の相続財産について遺産分割協議を行ったのですが、父の遺産は全て義母が相続するようにしました。

義母が亡くなればその相続人は私になりますので、義母が遺産を全部相続しても良いと思ったのです。

それからしばらくして、義母が体調を崩し、病院に入院しました。

私はほぼ毎日お見舞いに行っていたのですが、ある日、義母の兄弟が「あなたは部外者だ」と言って、義母を見舞う事を拒否されました。

義理の母親ですが、もう何十年も一緒に暮らしており、実の母親と同然と私は思っています。

今後私はどのようにすれば良いのでしょうか?

A:おそらく、義母と養子縁組を行っていない為、義母の兄弟が「あなたは部外者だ」と言ったのだと思います。

今後の相続の事を考え、義母の意思を確認し、養子縁組の届出を行った方が良いと思われます。

1.義母の相続人は誰か?

お父さんが再婚する、と言う話は良くあります。

基本的に男は寂しがり屋であり、妻に先立たれた場合、その感情が非常に顕著になります。

そんな時に、親切にしてくれた女性がいれば結婚したいと思うでしょうし、子供達が特に反対をしないのであれば、ほぼ100%の確立で、父は再婚するでしょう。

そんな、事例のように父親が再婚した場合、義母の相続人は誰になるのでしょうか?

義理の母と言えども母親には変わらないので、父親の子供が相続人になるのでしょうか?

実は、これは間違いなのです。

父親が再婚しただけでは、義母と父親の子供の間には、法律上の親子関係は生じないのです。

ご相談を承っていますと、「両親が再婚すれば、自動的にその再婚相手と親子関係になるんですよね」と良く言われるのですが、これは大きな誤解です。

養子縁組を行わない限り、義母との間には法律上の親子関係は生じません。

2.養子縁組を行わなければどうなるのか?

養子縁組を行わなければ法律上の親子関係が生じませんので、もし義母が亡くなった場合、事例のような子供は相続人にはなれません。

つまり、義母の相続人は(義母の両親が亡くなっていれば)義母の兄弟姉妹となるのです。

その為、事例における義母の兄弟姉妹は相談者の事を「部外者」と呼んだのかもしれません。

義母の相続人になれないと言う事は、その財産は義母の兄弟姉妹が相続する事になります。

義母の財産のほとんどは、父が苦労して築き上げた財産だと思います。

その大切な財産が、ほとんど見ず知らずの他人に渡ってしまう可能性があるのです。

3.対応方法

① 養子縁組の届出

養親若しくは養子の本籍地若しくは届出人の住所地の市区町村に養子縁組届を提出する事で養子縁組が成立します。

なお、養親と養子に養子縁組を行う意思が必要ですので、養親若しくは養子になろうとする者が、勝手に養子縁組を行う事は出来ません。

② 遺言書を作成してもらう

義母に遺言書を作成してもらう事も有効な対応方法です。

義母の兄弟姉妹には遺留分はありませんので、「私の全ての財産を〇〇に遺贈させる」と記載すれば大丈夫です。

4.まとめ

「両親が再婚すれば、自動的にその再婚相手と親子関係になる」。

誤解されている方が本当に多いのですが、あくまで養子縁組を行わなければ法律上の親子関係は生じませんし、義母の相続人になる事も出来ません。

また、養子縁組の届出は、養親と養子の養子縁組を行う意思表示が必要になります。

「父親が手続きを行ってくれたはず」と言う事は有り得ませんのでご注意下さい。

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この記事を書いた専門家(詳細は名前をクリック)

某球団マスコットの中の人の経験がある司法書士。
「相続対策は法律だけではなく、老後資金や感情も考慮しなくては意味がない!」がモットー。
2級FP技能士や心理カウンセラーの資格も取得し、多角的な相続対策に取り組む、「もめない相続の専門家」
士業の「敷居が高い」「恐そう」「横暴」イメージを払拭する為に日々奮闘。

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