全ての弁護士、司法書士等が相続が得意とは限りません

相続一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

突然ですが、あなたは「弁護士、司法書士等の法律の専門家は、どんな法律問題であっても対応出来る高度な専門的知識がある」と言うイメージがありませんか?

難易度が高く、合格率が低い国家資格者ですので、そもそも一般の方とは頭の構造が違う。

あの分厚い六法全書は全て暗記していて、ありとあらゆる法律問題に対処する事が出来る、と思っていませんか?

実はそうとはかぎらないのです。

今回は、相続を得意としていない専門家に依頼して、大失敗した方の事例をご紹介し、あなたが今後専門家選びに失敗しない為のポイントをお話ししたいと思います。

1.相続に詳しくない専門家に依頼して大失敗した事例

まずはこちらをご覧下さい。これは実際にあったお話をご本人様の許可を得て掲載した、生の相続トラブルの事例です。

① 同じ相続人である兄との確執

私が経験した遺産相続のトラブルは、実の父親が亡くなり母親もすでに亡くなっており法定相続人は兄と私の二人だけという状況でした。

父親は兄夫婦と実家で同居しており、私は実家より離れた他県で暮らしており、兄夫婦は父親を長年世話をしており、親の財産もある程度管理している状態でした。

父親が亡くなり相続税の申告のために、特に詳しい説明もないまま兄から遺産分割協議書に署名と捺印をするように言われました。

預金残高証明書の内容のみ知ることができ父親名義の通帳の残高のみ知ることができましたが、その内容に少し不審な点がありました。

その為、具体的な入出金を確認するために父親名義のすべての実物の預金通帳の提示を求めましたが、兄夫婦から拒否をされました。

兄夫婦からは長年しっかりと財産管理はしてきた自負があり、何も問題がないとのことで私の提示に応じることなく、遺産分割協議書に署名と捺印を求められるばかりでした。

そこで、素人ながら自分なりに調べてみることにし、戸籍謄本などを所定の手続きを踏んで相続人であることを証明すれば、過去に遡って数年間の出入金の履歴を見ることができるということが分かりました。

父親が取引していた金融機関が数行あり早速手続きを行おうと思いましたが、ここでも兄夫婦が取引金融機関を教えることを拒否したのです。

このままでは不信感が残ったままでの遺産相続になると思い第三者の専門家に介入してもらおうと思い弁護士に依頼することにしました。

② 弁護士への依頼

まず、弁護士に現状を説明すると、遺産相続のトラブルは親族のみでの話し合いでは解決することは難しいとの説明がありました。

私の事例などは法定相続人がはっきりとわかっており、第三者が介入するだけで解決する事例もあるとのことで思っていたよりも簡単に解決するのではないかと思い安心していました。

その後法律的な手続きを行い、父親の取引金融機関も知ることができましたが、いくつかの通帳の入出金履歴の中でどう考えても兄が個人的な目的のために引き出したと思われる履歴がありました。

以前から実家にはこまめに連絡しており、父親から兄夫婦の生活のことなど話を聞いていました。

車の購入や海外旅行など大きな出来事があった日時に合わせたように大きな額が引き出されており、弁護士にそのことを相談し、改めて兄夫婦との交渉を依頼し、遺産相続の金額を算出してもらうことにしました。

③ 相続人との交渉の結果・・・

数週間後弁護士から連絡があり、兄夫婦と話し合った結果、遺留分の金額の相続は認めたもののその他の相続は認めないとのことでした。

私自身も納得がいかず後日事務所で詳しい話を聞いたのですが、弁護士は私に対して早めの解決がお互いのためになるとのことで、兄夫婦が提示した遺産分割協議書への署名と捺印を求めてきました。

その理由として長年兄夫婦が父親の面倒を見てきたこともありこれ以上の金額を求めることは難しいとのことで、私が不信感をもっていた入出金履歴についてもあやふやな回答のままでした。

その後どうしても納得がいかずに、今回依頼した弁護士との契約を解除し改めて兄夫婦と交渉しましたが、残念ながら遺産相続の問題は解決しないまま大きな費用負担のみが残る事となりました。

④ 今回の反省点

その後いろんな公的な法律機関や専門サイトを調べる中で、その時の交渉の中でうまくいかなかった原因として分かったことは、依頼した方が相続などを得意とする専門弁護士ではなく、交通事故などを得意とする方だったことです。

当時は私自身が仕事も忙しく、父親も急になくなったこともあり自宅から近く連絡が取りやすいという点のみを重視し依頼し、法律の専門家なのでいろんな法律的な問題にもすべて対応できるとの安易な考えがあったからです。

そして、専門家への依頼の際は法律的な手続きや交渉テクニック以外にも、自分との相性がよいかなどの弁護士の人間性などを知る必要性も感じました。

今回の弁護士は、まずはじめに私の相続の問題は簡単に解決できる趣旨のみの説明だけがあり、その事を私自身が鵜呑みにしてしまったのです。

本来、専門家であれば、現状に対する具体的な解決策などをきちんと説明できるはずだと思うのですが、それが全く有りませんでした。

今回大失敗して学んだ事は、専門家に依頼する時は、相続トラブルの解決も優先的に考える必要がありますが、その他の事など全体的なバランスを考え、自分に合った弁護士に依頼することが問題解決の近道だという事です。

2.相続が得意じゃない弁護士、司法書士等がいる理由

上記の事例のご相談者は、「弁護士であれば誰でも相続の問題は解決できる」と信じ込んでおり、その結果大失敗した事例です。

最終的には相続を得意とする弁護士にご依頼し、問題は解決したそうですが、本来必要がない時間と費用がかかってしまったと大変後悔されていました。

この問題は弁護士だけではありません。司法書士や行政書士、税理士だって起こり得る話です。

相続と言っても法律問題にはかわりはないはずです。それなのに何故、相続が得意ではない弁護士、司法書士、税理士が存在するのでしょうか?

実は弁護士や司法書士等の法律家は、医師と非常に似ています。

医師は医師免許を持っています。医師免許があれば、理論上は外科、内科、皮膚科、循環器科・・・等、医療に関する全ての事が出来ます。

しかし、実際には色々な科を兼業されている医師はほぼいません(内科、消化器科等、似通っている場合は兼業はされていますが)。

あくまで私の予想ですが、医療は人の命に直接関係する事もあり、その為、一つの専門分野を極める必要があり、その為に専門分野がしっかりと分けられているのではないでしょうか?

実は法律も同じで、専門分野が沢山存在します。

交通事故関係、労働関係、企業法務、刑事事件、行政訴訟・・・そして相続の分野。

一口に「法律」と言ってもその範囲は非常に幅広く、とても一人の弁護士、司法書士がカバー出来るわけではありません。

その為、弁護士や司法書士も医師と同じように、専門分野を極める必要があるのです。

つまり、あなたがもし相続に関する事を相談されたい場合は、必ずその士業が相続を得意としているかを確認する必要があります。

一番手っ取り早いのが、その士業のホームページを見る事でしょう。

常識ある士業であれば、自分がどの分野を得意としているのかをしっかりと情報発信しているはずです。

最低限、相続の依頼を検討している士業のホームページは確認するようにして下さい。

そして実際に面談した時も、必ずどのような実績があるのかを確認するようにして下さい。

なお、専門分野を極める必要がある為、『何でもやります』系の士業は要注意かも知れません。

何でもやりますと言うのは、裏を返せば、『何も専門分野を極めていません』と言う事になりますので。

3.まとめ

一昔前であれば法律問題も単純明確なモノが多く、「何でも屋」であってもそれなりの仕事が出来ました。

しかし、現代社会は昔とは比べて、法律問題も社会構造も複雑になり、その複雑な問題を解決する為には、昔以上に専門分野に特化して、その道を極める必要があるのです。

我々士業はそれぞれ専門にしている、得意にしている分野があります。

相続のご相談をされる場合は、必ず目の前の士業があなたの相続の問題を解決する事で出来るのかを確認するようにして下さい。

【本サイトでは、相続手続きや家族信託について網羅的に解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

 

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この記事を書いた専門家

横浜市泉区の司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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横浜相続困りごと相談室(司法書士甲斐智也事務所)
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