新しい地主から出て行けと言われた場合

不動産登記

【事例】
私は10年前から借地上に家を建てて生活しています。

(登記もきちんと行っています。)

数年前に地主さんは借地をその息子に贈与したのですが、最近元地主さんが亡くなり、新地主であるこの息子さんから「建物を取り壊して土地を明け渡せ」と言われて困っています。

私は借地を明け渡さなくてはいけないのでしょうか?

息子さんの言い分ですと、「借地権の登記をしていないのだから、借地権は無効。だから出ていけ」と言っています。

【回答】

本事例では、借地権は有効ですので、明渡しをしなくても大丈夫です。

1.借地権の対抗要件

借地権とは、建物所有を目的とする地上権または土地賃借権の事ですが(借地借家法2条1号)、借地権を第三者に対抗する為の要件として、法律上、借地権の登記は必要とされていません。

借地権の対抗要件はただ一つです。それは、「借地の上に、借地権者が所有者として登記されている建物」があれば、借地権を第三者に対抗できます。

(借地借家法10条。)

本事例では建物はきちんと借地権者名義で登記をしていますので、借地権を第三者に対抗できます。

2.地代の支払い

ただし、地代の支払いを求められた場合は、裁判所で認められる可能性があります。

借地借家法11条で、地代が土地に対する租税等の増減により、土地の価格の上昇低下その他の経済事情の変動等により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって地代の増減を請求することができる旨が定められています。

その為、本事例で地主が訴えを提起した場合、地代の支払い請求を裁判所が認める可能性があります。

3.まとめ

地主が変更された場合のご相談は良く承ります。

そのご相談のほとんどが、「借地を明け渡さなくてはいけないのか?」ですが、上述したとおり、借地上に借地権者が所有者として登記された建物があれば、借地権を第三者に対抗できますので、建物の登記だけはしっかりと行いましょう。

なお、相続によって借地を取得した相続人に対しても、借地権を主張できます。

そもそも、この相続人は被相続人の地主と言う地位を引き継いでおり、第三者ではないためです。

文責:この記事を書いた専門家

◆司法書士で元俳優。某球団マスコットの中の経験あり。
◆2級FP技能士・心理カウンセラーの資格も持つ「もめない相続の専門家」
◆「相続対策は法律以外にも、老後資金や感情も考慮する必要がある!」がポリシー。
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町田・横浜FP司法書士事務所
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