融資を活用した代償分割の注意点

こんにちは。横浜のもめない相続の専門家、司法書士/上級心理カウンセラーの甲斐です。

今回の記事は、代償分割の代償金が用意出来ず、融資の利用を考えている方向けの記事です。

(なおご紹介する事例は、良くあるご相談を参考にした創作です。)

【事例】
Q:私の父の相続の事で相談させて下さい。私の父は数ヶ月前に他界したのですが、目ぼしい遺産は自宅のみです。

相続人は私と長男の二人だけなのですが、自宅を私が相続する代わりに、私が長男に法定相続分の代償金を支払う「代償分割」と言う遺産分割を行おうと思っています。

しかし、私には兄の法定相続分に該当する代償金を支払うお金が無い為、法律に詳しい友人に相談したところ、

「金融機関で融資してもらえばいいよ。最近は代償金の支払いを目的とした金融商品があるので、借りやすいよ」

とアドバイスを受けたので、銀行から融資をしてもらおうと思っていますが、融資を受ける事について、何か問題はありますでしょうか?

A:代償分割を行う際に代償金を用意できない場合、銀行等の金融機関から融資を受ける方法があります。

最近はこの手の商品の開発が進み、消費者としては利用がしやすくなっているのですが、問題も沢山あります。

慎重にお考えの上、融資を利用した方が良いでしょう。

 

1.代償分割とは?

代償分割とは、相続人のうち一人または数人が遺産を取得する代わりに、他の相続人に代償金を支払う遺産分割の方法です。

不動産のように遺産が分けにくく、相続人全員が納得するような遺産分割協議が難しい場合に良く利用されます。

例えば、遺産が3000万円の価値の不動産のみで相続人がA、B二人の場合を考えてみましょう。

Aが不動産を相続する代わりに、AがBに対して自己の財産から1,500万円(この金額は当事者の協議で決める事が出来ます)の代償金を支払う、と言う取り決めを行うのが代償分割です。

代償分割の詳細はこちらをご参照下さい。

→遺産分割協議の方法

代償分割は文字通り、遺産を相続する相続人が、他の相続人に対して代償金を支払う事が必要なのですが、この代償金が場合によっては数千万円になる事があります。

現金や預貯金等があれば良いのですが、それが無い場合、どうやって代償金を用意するのかが問題になるのです。

この問題を解消する為、相続した不動産を担保として、代償金を用意する事を目的とした融資を行ってくれる金融機関があるのです。

相続コンサルタントを名乗る相続の専門家は、この代償金の支払いの為の融資を、相談者に良く勧めているみたいです。

相談者の立場としてもお金を借りる事が出来て問題が解決する、とこの話に飛びついている方がいらっしゃるのですが、代償金の支払いの為の融資は、下記のような問題があります。

その為、融資の利用は慎重に考えてほしいと思います。

 

2.融資を活用した代償分割の問題点

① 融資は借金である

非常に当たり前の話ですが、融資を受けると言う事は、借金をすると言う事です。

毎月の支払いが出来れば良いのですが、支払いが滞ってしまいますと、最悪は自宅が競売にかけられてしまい、せっかく相続したご自宅を手放す事になるかもしれません。

そのリスクを負ってでも融資を受けるのかを、慎重に考えるべきです。

② 借金は相続される

あなたが生きている間に全額を返済出来れば良いのですが、残債務を残したまま亡くなった場合、相続人がその借金の対応を行わなくてはいけません。

借金を相続人固有の財産で支払うのか、それとも相続放棄するのか、等いろいろと対応方法はあるのですが、残された相続人に迷惑をかける事は間違いありません。

③ 借金には利息がある

これも当たり前なのですが、それでも利息の事を甘くみている方が多いのが現状です。

例えば、1,500万円を年利1%、毎月10万円返済した場合、最終的に支払う利息はいくらかお分かりになりますでしょうか?

その利息の合計は100万円以上です。

つまり、利息を支払うと言う事は、将来のあなたの収入から、この100万円以上のお金が消える事と同じ意味なのです。

借金を分割で返済していくと月々の負担はさほど感じないかも知れませんが、利息を支払う=ご自分の財産が減ると言う事をご理解下さい。

 

3.まとめ

このように借金をする事(特に代償分割の代償金のような大きな金額の借金)は、非常にリスクが高い行動と言えます。

本当に融資が必要なのか、自称相続コンサルタント、自称相続専門家の話に振り回されないで、慎重に検討すべきです。

なお、今回の話を逆の立場、つまり財産を残す側の人の視点で見てみるとどうでしょうか?

目ぼしい財産が不動産のみの方が亡くなったら、このような代償分割の問題が発生するのです。

「ウチは家族仲が良いから関係ない」と思っていても、いざ相続が発生し、お金が絡んできますと、人は変わります。

例え変わらなくても、相続人の配偶者が代わりに権利を主張してくるかもしれません。

相続とは、そのようなものなのです。だからこそ、相続対策は誰でも必要と、私は考えます。

しかし、相続対策と一口に言っても様々あり、書籍等で調べても、どうしても分からない事もあると思いますので、相続対策でお悩み、お困りの場合はお気軽に当事務所にお問い合わせ下さい。

 

 

【このブログの著者】

甲斐 智也(かい ともや)
司法書士/上級心理カウンセラー

合格率2~3%台の司法書士試験を、4年間の独学を経て合格。

心理カウンセリングの技術を応用して、もめない相続の実現を目指す専門家。

不動産や銀行預金等の相続手続きの他、心理カウンセラーが行う心理療法であり心理学のひとつ、「交流分析」をベースにして、法律と感情面の双方から、相続人間のコミュニケーションが円滑になる為の多角的なサポートを行っている。

元俳優。アクションが得意でTVドラマ出演やヒーローショーの経験もあり。

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