
こんにちは。司法書士の甲斐です。
不動産を活用した続税対策と言えばアパート経営を真っ先に思いつくのですが、最近コインランドリーを利用した相続税対策もあるようですね。
コインランドリーと言えば
「洗濯機と乾燥機だけが置いてある殺風景な場所に、自宅に洗濯機がない貧乏学生が通っている」
なんてイメージがあったのですが、最近は女性が入りやすいオシャレな店舗も増えているみたいですね。

(オシャレですね・・・。)
このコインランドリー、上手く活用できれば十分な相続税対策になりますので、今回は相続税対策とコインランドリー経営の関係をテーマにお話ししたいと思います。
1.相続税対策としてのコインランドリーの活用とは?
アパート経営と同様に「土地の評価を下げる」事を目的にしています。
不動産投資及び相続税対策の目的として、一時期アパート経営が注目されていましたが、目的は全く同じです。
例えば財産の中に遊休地があり、遊休地をもしそのままにしておいた場合、全体の遺産が相続税の基礎控除を超えれば、そのままの土地の評価で相続税が課税されます。
何も使っていない土地なのに税金だけかかってもったいない、その為、相続税対策として土地の評価を下げる、と言う流れです。


コインランドリーですか?あまり利用している人を見かけないのですが、ちゃんとやっていけるのでしょうか?


確かに、アパート経営と同様、「経営」ですので需要が無ければ意味がないですね。しかし、厚生労働省の調査によると、コインランドリーの店舗は右肩上がりで伸びているようです。
厚生労働省が公表している「コインオペレーションクリーニング営業施設数の推移」によれば、平成8年度と平成25年度を比較すると約6000店舗増加しています。
・その間に、買い物を済ませたり子供を迎えに行ったりと、時間を有効に使える。
このような理由で需要が増加しているようですね。
とは言え、アパート経営と同様に集客する事をしっかりと考えなければ、不利益を被る事は忘れないようにしましょう
2.コインランドリー経営のメリット
① 小規模宅地等の特例が使える
土地の評価が下がる根拠となるのが、この「小規模宅地等の特例」です。
ザックリと言えば、コインランドリーとして経営している土地が「特定事業用宅地」として400㎡まで80%減額される特例です。
1億円の評価の土地であれば、相続税上2,000万円の評価になります。
これは最大のメリットのため「何も使っていない、余っている土地があれば・・・」と考えるのは当然でしょう。
②アパート経営より楽
アパート経営とコインランドリー経営のどちらが楽かと比較すれば、コインランドリーの方が楽でしょう。
アパート経営は入居者への対応やリフォーム等を行う必要がありますが、コインランドリーはそのような対応は必要ありませんので。
③ きちんと経営をすれば、定期的な収入になる
アパート経営と同様、あくまで経営者になるので、それなりに集客等の事をきちんと考えて動けば、定期的な収入になります。
経営者である事を忘れ、
「相続税も安くして定期的な収入も得たい!」
と言う感覚では失敗するかもしれません。
3.コインランドリー経営のデメリット・問題点
① 初期投資がかかる
アパート経営と同様、コインランドリーの設備を作らなければいけませんので、それなりに初期費用がかかります。
場合によっては銀行からの借り入れを検討する必要があるでしょう。
なお、銀行から借り入れをしたとしても毎月の売り上げがきちんとあれば良いと言う考え方もありますが、売り上げが無ければ当然大変な事になりますのでご注意を。
ちなみに個人名義の借金は、相続財産から借金を差し引いて相続税を計算できます。
② 無人ならではのトラブル
コインランドリーは基本的に無人店舗ですので、様々なトラブルや犯罪が行われる可能性があります。
・洗濯物やお金が盗まれる。
・機械を壊される。
・理不尽なクレーム、等
その為、セキュリティ対策は必要になってくるでしょう。
③ 絶対に経営が成功するとは限らない
何度も言いますが、あくまで「経営」です。
相続税対策としては成功するかもしれませんが、コインランドリー経営としては失敗するリスクもあります。
初期投資で借金をした場合、最悪その借金を返す事が出来なくなる場合もあります。
4.まとめ
不動産を活用した相続税対策はメリットもある一方、毎月赤字になってしまうリスクもあります。
不動産を活用した相続税対策=不動産投資である事、経営者として自分の頭でしっかり考え、行動をする事を忘れないようにしましょう。
あくまで素人感覚でやりたい場合は、手を出さない方が無難です。