弁護士ドットコムに相続の事を相談・質問しても適切な回答が難しい理由

お役立ち情報

こんにちは。

『弁護士ドットコム』と言うサイトをご存知でしょうか?

弁護士ドットコム|無料法律相談・弁護士/法律相談事務所検索ポータル
日本最大級の弁護士/法律ポータルサイト。286万件の相談実績。無料法律相談・弁護士ランキング・弁護士検索でお悩み解決。他にも弁護士費用の見積比較・法律Q&Aなどの豊富なサービスとコンテンツで「インター...

いわゆるポータルサイトの一つで、近くの弁護士を検索したり、サイト上で弁護士の無料法律相談を受ける事ができ、一般の方にとっては法律や弁護士が身近になり、非常に使い勝手が良いサイトです。

しかし、その利用者の中には

「弁護士ドットコムで相談したけれど、納得がいく回答が得られなかった」

と不満に思われている方も少なくありません(私の事務所に相談された方の中に何人かいらっしゃいました)。

そこで今回は弁護士ドットコムを含む、法律系のポータルサイトの使い方や注意点を中心にして、『質問を投稿しても、適切な回答が難しい理由』をお話ししていきたいと思います。

1.『弁護士ドットコム』とは?

『弁護士ドットコム』は弁護士ドットコム株式会社が運営を行っているポータルサイトです。

サイトに登録されている日本全国の弁護士を検索する事ができる他、サイト上で離婚、借金、交通事故等の法律問題を相談すると、それを見た弁護士が法律上の適切なアドバイスを行ってくれると言うのが特長です。

サイト内に一般公開されますので、個人情報等に注意する必要がありますが、簡単に質問を投稿する事ができて弁護士が回答をしてくれて、場合によってはその弁護士に依頼をする事ができます。

ここまでは全て無料で行う事ができますので、相談者にとってみれば至れり尽くせりのサービスなのですが、場合によっては相談者の方が満足しないケースもあります。

代表的なのが、「質問を投稿したのに、弁護士がきちんと回答してくれない!」と言うケースです。

場合によっては「だから弁護士はダメなんだ!」と間違った方向で考えてしまう方もいたりします。

それでは、なぜこのような事が起こるのでしょうか?

分かりやすくお話ししていきたいと思います。

2.弁護士ドットコムに質問を投稿したのに、適切な回答が得られない理由

① 一般論として、リアルタイムではない相談の回答は難しい

メール等もそうなのですが、サイトを利用する相談はリアルタイムのコミュニケーションではありません。

相続を初めとする法律系の相談は、まずは事実関係を正確に把握する必要があり、その為には専門家側からの様々な質問をリアルタイムに行う必要があります。

リアルタイムのコミュニケーションであれば、専門家が相談者に対して質問を繰り返す事により、事実関係を正確に把握する事ができるのですが、サイトを利用する相談はその都度質問を行う事ができません。

その為、どうしても抽象度が高い回答にならざるを得ない場合があるのです。

② 弁護士側の能力の問題

サイトに登録されている弁護士は非常に多く、その能力もマチマチです。

その為、弁護士によっては相談者の質問の意図を正確に理解する事ができず、早とちりで回答している先生もいらっしゃるのも事実です。

そのような弁護士にあたってしまえば、適切な回答を求めるのは難しいでしょう。

③ 相談者、質問者側の問題

実は、相談者側の問題もあります。

まずは分かりやすいように、問題がある質問のサンプルを掲載してみます。

弁護士になったつもりで読んでみて下さい。

こんにちは。よろしくお願いします。今年の3月(正確には3月12日午前6時32分)に父が亡くなりました。突然前触れも無く亡くなったので、葬儀費用等を工面するのがとても大変でした。母は父の事を大変思っており、非常に悲しみに暮れています。私も母と同様に葬儀等で精神的にまいっていまい、今は何も行う気力がありません。父は非常に優しく、私達家族をとても大切にしてくれました。子供の頃は年に1度、家族旅行に連れて行ってくれて、沢山の思い出があります。そんな父が亡くなったなんていまだ信じられないのです。問題は三男です。三男は昔から父と仲が悪く、ことあるごとにお金の無心をしてきました。父が残してくれた財産は自宅と預貯金なのですが、三男には父の財産は絶対に渡したくはありません。相続人には法定相続分と言うのがあると聞いたのですが、それは具体的にどのような感じなのでしょうか?もう一つ質問なのですが、父の三男が父の相続の事で色々と言ってきて困っています。昔にお金を貸したとか、仕事の世話をしてやったとか、何かにつけてお金を要求してきます。そんなの関係ないですよね?どうしてこんな事を言ってくるのか私には全く理解できません。お金を無心したのにお金を貸していたなんて訳が分かりません。三男からの嫌がらせから、私は精神的におかしくなり、慰謝料を請求したいです。実は相続放棄も考えていたのですが、三男から父の死亡から一ヶ月を経過したらもう相続放棄ができないと言われました。でも実際は一ヶ月ではなくて三ヶ月ですよね?私は三男にウソを言われたのです!私は三男を許せません!!これは詐欺ですよね!!!三男を法的に訴えることはできますか?不動産や預貯金の相続手続きも行わなくてはいけません。どのように行えば良いかスケジュールを教えて下さい。よろしくお願いします。

いかがでしたでしょうか?

あなたが弁護士だったら、このような質問にまともに回答したいと思うでしょうか?

まず、改行が一切されておらず文章としては非常に見づらいので、2~3行読んですぐに読むのを諦めたのではないでしょうか?

さらに話しが二転三転して、結局何が質問なのかが良く分かりません。

そして、実際の質問においても、相続において重要な登場人物(相続人)の不明確さが非常に多いのです。

相談している当事者として登場人物を全て把握していますが、弁護士はその事件を初めて知ります。

ところが、上記の質問内容に出てくる登場人物の「三男」が、被相続人の子供の三男なのか、被相続人の兄弟なのかが不明確です。

「三男」がどちらなのかが分からなければ、弁護士と言えど適切な回答は不可能です。

上記は極端な例なのかも知れませんが、良く似たケースは沢山あります。

登場人物が不明確、質問の趣旨が不明確、文章が読みづらい、このような相談であれば、適切な回答は非常に難しいのです。

3.まとめ

そもそも、弁護士ドットコム等のポータルサイトに登録している弁護士には、相談者の質問に対して回答する義務はありません。

彼らはあくまで社会的使命感や事務所の広報活動として行っており、普段の仕事や自分の時間を犠牲にして質問に回答してくれているのです。

まずはその事を理解した上で、事実関係を分かりやすくまとめたり、質問の趣旨を明確にしたり、読みやすい文章を書く事を心がけてみてください。

そうすれば、弁護士もしっかりとした回答を行ってくれると思います。

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