離婚したバツイチ男性の遺言が公正証書遺言の方が良い理由

遺言

こんにちは。

今回の記事は、バツイチ男性で遺言の作成を考えていらっしゃる方向けの記事です。

遺言には大きく分けて、ご自分が自筆して作成する「自筆証書遺言」と公証人に作成してもらう「公正証書遺言」の二つがあります。

公正証書遺言は公証人への手数料が発生する、証人を二人用意しなくてはいけない等、色々と面倒な事があるのですが、それでもほとんどの専門家は公正証書遺言の作成をお勧めしています。

法的効果としては全く同じなのですが、それでも専門家が公正証書遺言をお勧めする理由を今回はお話ししたいと思います。

1.自筆証書遺言の欠点

① 有効になる為の条件が厳しい

遺言は相続人に被相続人の権利・義務を引き継がせると言った重大な効力が発生するものです。

その為、遺言が有効に成立するための条件が厳格に定められています。

自筆証書遺言は遺言をする人がその全文、日付、氏名を自書し印鑑を押さなければ無効になります(民法第968条1項)。

全文を自筆する必要がありますので、例えば財産が多い為、財産の部分だけワープロ等で作成したとしても無効になります。

※平成31年1月13日より、財産目録に関しては自筆しなくても良い事になりました。

また最近ではwebを利用した「電子遺言」なるサービスを提供している事業者があるようですが、当然このような遺言も無効ですのでご注意下さい。

② 保管を自分で行わなくてはいけない

自筆証書遺言は原本が一つしかない為、基本的には自分で保管するか、誰かに保管してもらうしかありません。

しかし、ご自分が亡くなるまで場合によっては数十年経過する事もあり、保管状況によっては文字が読み取れなくなってしまう場合があります。

また、そもそもどこに保管をしたか忘れてしまう事もあるでしょう。

これではせっかく作った遺言の意味が有りません。

③ 遺言書は有効でも、その解釈を巡って争いになる事がある

全文を自筆して形式上遺言が有効であるとしても、財産の特定が不明確であれば相続人間の紛争に発展する事があります。例えば、

・財産の特定が不明確
「横浜市泉区○○番地の建物は長男○○に相続させる」
→自宅を長男に相続させる趣旨の遺言ですが、自宅には当然に土地も含まれるはずです。

しかし土地については何ら記載がない為、土地が誰の物になるのか?で争いになるでしょう。

・遺言の趣旨がそもそも不明確
「自宅は妻に任せる」
→「任せる」が相続させる趣旨なのか、単純に管理を任せたいのか、遺言の趣旨が客観的に不明確です。

自宅が欲しい別の相続人にとってみれば、争う正当な理由となります。

このように、自筆証書遺言は誰にも内緒で手軽に作成出来る分、後から争いの原因になる事があります。

バツイチ男性の相続はただでさえ前妻との子供と現在の家族の間でトラブルになる可能性があります。

それにも関わらず自筆証書遺言を作成すると言う事は、ある意味自殺行為とも言えるでしょう。

2.公正証書遺言が優れている理由

① 法律のプロが関与する

公正証書遺言は文字通り、公証人が作成するものです。

公証人は遺言の成立条件をきちんと熟知していますので、形式面において有効な遺言が作成されます。

その為、後から遺言が無効である事を争う事はかなり難しくなります。

例えば、無効を主張したいのであれば、

「遺言者は本人とは違う人物である。だから遺言は無効である」
「遺言者は遺言の当時、認知症で意思能力を欠いていた。だから遺言は無効である」

と言うような主張しか出来ないでしょう。

ところが、公証人はきちんと本人確認を行いますし、意思能力の確認も行ないます。

場合によっては医師の診断書を本人に取得させ、遺言が形式上有効になるように十分に注意を払います。

その為、公正証書遺言が後から無効となる可能性がは極めて低いと言えます(可能性はゼロではありませんが)。

② 原本が公証役場に保管される

公正証書遺言はその原本が公証役場で保管されますので、ご自分で保管する必要が無く、紛失するリスクもありません。

③ 検認の手続きが不要

自筆証書遺言の場合、家庭裁判所にて「検認」と言う手続きが必要になってきます。

検認の手続きは家庭裁判所から各相続人に対して検認を行う旨を通知されますので、前妻との子供に内緒で遺言を執行したくても出来ません。

しかし公正証書遺言の場合、検認の手続きが不要ですのでそのまま遺言の執行を行う事が可能です。

3.公正証書遺言のデメリット

公正証書遺言のデメリットはほとんどありません。

しいて挙げれば、

・公証人や専門家への手数料がかかる事
・証人を二人用意する必要がある事、ぐらいです。

4.まとめ

バツイチの方の相続はとにかく前妻との子供と、現在のご家庭との間でトラブルになる可能性が高くなる事が特長です。

そうであるならば残されたご家族の方の為に、色々と穴がある自筆証書遺言よりも、信頼性が高い公正証書遺言を作成する方が絶対に良いでしょう。

当事務所では遺言書の原案作成はもちろん、公証人との打合せもきちんと対応させて頂きます。

遺言の作成の事でお困り、お悩みの場合はお気軽に当事務所にご相談下さい。

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