会いたくない、話しをしたくない相続人がいる場合の対処方法

NG相続トラブル事例

こんにちは。

相続が発生すると相続人間で遺産をどのように分けるかを話し合う必要があります。

これを「遺産分割協議」と言い、遺産分割協議を行わなければ預金の相続手続きもできませんし、不動産の名義変更(相続登記)も行う事ができません。

遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるのですが、ご家庭の状況によっては、

「家族と会いたくない、話したくはない!」

と思われる相続人の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

母親と性格があわず、顔を合わせばケンカばかりするので、まともに相続の話し合いができるはずがない 。

兄弟の中で自分をいじめたり、暴力を振るう者がいて、絶対に会いたくない

等、各家庭の複雑なご事情によって、家族に会いたくないと思われる事もあると思います。

遺産が全く必要がないのであれば、家庭裁判所での相続放棄の手続きや、他の相続人にご自分の相続分を譲渡する等を行う事により、遺産分割協議から離脱する事ができます。

しかし、相続を放棄しない、遺産をしっかりと貰いたいと思われるのであれば、ご自分の主張は他の相続人にきちんと伝える必要があります。

その時の対処方法としては、「第三者に自分と相手の間に入ってもらい、クッション的な役割をしてもらう」と言う方法があります。

今回は遺産を相続したいけれど、会いたくない、話しをしたくない相続人がいる場合に、協力者である第三者の活用方法とその注意点をお話したいと思います。

1.そもそも、相続(遺産分割協議)を無視したいのですが・・・・

相続の事なんか知りません!そもそも家族とは話したくはないし、会いたくもないんです!!

相続人の中には、様々な事情から相続の話し合いを行わず、他の相続人からの連絡を無視している方がいらっしゃいます。

当の本人としては、

「みんな困って、ザマーみろ。」

と思われているかもしれませんが、果たして相続を無視する事について問題はないのでしょうか?

実は、相続を無視すると、結果的に無視しているあなたに多大な不利益が発生する事があるのです。

① 被相続人に借金があったらどうするのですか?

被相続人の財産や権利や、原則相続人に引き継がれます。

財産の中には、不動産や預貯金と言ったプラスの財産だけではなく、借金等のマイナスの財産も含まれます。

その為、相続人に過大な借金の支払いを防止するために「相続放棄」と言う法律の制度があるのですが、相続放棄には「三ヶ月」と言う期限があります。

何の考えもなしに相続を無視する事で、この三ヶ月が経過し、あなたに被相続人の借金の支払い義務が派生する事があるのです。

② あなたの家族が迷惑を被りますよ

実務上、非常に多いのがこのケースです。

相続を無視していた相続人が適切な行動を行わずに亡くなった場合、相続を無視していた相続人の地位を、その相続人が引き継ぐ事になります(これを「二次相続」といいます)。

場合によって相続人関係や法律関係が複雑になり、残念ながら相続手続きが不可能になるケースもあるのです。

「ウチの母が自分の相続について何も行っていなかったから、今非常に大変な状況になっているのですが、何とかなりませんか?」

ウチの母が自分の相続について何も行っていなかったから、今非常に大変な状況になっているのですが、何とかなりませんか?

と、藁をもすがるお気持ちで、このようなご相談を承る事が良くあるのですが、相続手続きができない事がほとんどです。

ご相談者は何もしなかった自分の親に対して、恨み言を言いながら当事務所を出られていきます。

私は何度も申し上げておりますが、相続手続きにおいて「無視をする」と言う選択肢はありません。

相続する、相続放棄する、遺産を放棄する等、必ず何らかの対応を行わなければ、困るのは自分自身です。

あなたは自分の死後、子供達から怨まれたいですか?

③ 結局、無視しても意味はありません

遺産分割協議が行う事が出来ない場合、法律上、裁判所が関与する遺産分割調停や審判と言った制度があります。

つまり、あなたが無視しようと強制的に問題は解決する事が出来るのです。

あなたが相続の事を無視しても、他の相続人から遺産分割調停の申立を行われたら、裁判所からガンガン手紙が届く事になります。

「関わりたくない!」

と思っていてもムダです。

関わらざるを得ないのです。

もちろん、裁判所に行かなくても良いのですが、その場合、本来主張できた事が出来なくなります。

2.会いたくない相続人がいる場合の具体的対応方法

① 弁護士に依頼し、代理人になってもらう

真っ先に思いつくのが、弁護士に代理人になってもらう方法なのではないでしょうか?

相続の実務に精通している弁護士(ここ重要ですよ!)に依頼して、問題のある相続人と話し合いをまとめてもらうと言う方法です。

あなたが直接問題のある相続人と話す必要がなくなり、相続のストレスからもある程度開放されるでしょう。

また、弁護士は代理人でありますので、あなたの利益を最大限考慮して、相手に対して法的な主張や交渉もしっかりと行ってくれます。

デメリットとしては、それなりに弁護士報酬が発生すると言う点です。

② 司法書士に間に入ってもらう

不動産等の遺産の相続手続きを司法書士に依頼する際に、直接会いたくない相続人への連絡係りとして、司法書士に間に入ってもらうと言う方法もあります。

あなたの意見や主張を司法書士に伝え、それを相手方に話してもらう事により、直接会ったり話しをしたりするストレスを軽減させる事が出来ます。

私も実際にこのようなご依頼を承る事が多く、遺産の分け方そのものに問題がない(法律上の問題がない)、単なる人間関係の問題であれば、司法書士が相手方に間違った対応を行わないかぎり、ほとんどの場合解決する事ができます。

注意点は、弁護士とは異なり代理人ではありませんので、司法書士は相手との法的な交渉等はできないと言う点です。

③ 利害関係がない第三者に間に入ってもらう

次のパターンは専門家ではない、利害関係がない第三者に間に入ってもらうと言うパターンです。

例えば、あなたと問題がある相続人を子供の頃から知っている親戚のおじさんに間に入ってもらう、と言う方法です。

お互いの事を子供の頃から知っていれば、感情面から話しがまとまる可能性も高くなるでしょう。

3.第三者に協力をしてもらう場合の注意点

第三者に協力してもらい、あなたと問題のある相続人との間に入ってもらう際の一番の注意点は、第三者が間に入る事で逆にもめる事がある、と言う点です。

人間関係の問題は非常にナーバスな問題であり、さらにそこに相続が絡んできますと、ふとしたコミュニケーションのすれ違いから、もめる相続に発展する事があります。

これは弁護士や司法書士等の専門家が間に入った時も同様であり、相手方にとってみれば「ケンカを売られた」と思われる可能性もあります。

その為、専門家にご依頼される場合は、単純に法律的な知識に詳しいだけではなく、適切なコミュニケーションをとる事ができる専門家に依頼するようにしましょう。

4.まとめ

遺産分割協議は相続人全員で行う(全員が同意する)必要がありますが、全員が同意すればそのやり方は自由です。

相続人全員が一同に会する必要はありませんし、今回ご紹介した第三者を間にはさんで意思表示を行っても構いません。

また、今回はご紹介しませんでしたが、第三者を間にはさむのではなく、手紙のやり取りで遺産分割協議を行っても構いません。

どのような方法でも相続人全員が同意して話しがまとまればそれでOKなのです。

その時その時に応じた適切な方法を選択して、無駄にもめる事がない遺産分割協議を行う事が重要になってきます。

相続を無視する事は百害あって一利なし。

問題を先送りするだけで全く意味はありません。

関わりたくないのであれば相続放棄等を、遺産を取得したいのであれば第三者を間に入れてでも話し合いに応じるべきです。

それが結局は、相続の問題から解放される唯一の方法なのです。

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